INTERVIEW

看護師インタビュー

「生きていてよかった」と前を向けるように。寄り添う看護でご入居者さまを支える

ReHOPE東戸塚

看護師 柴田 明子

2020年6月CUCホスピス中途入社。看護師として病院で緩和ケア病棟で働いた経験がきっかけで、ターミナル期のホスピスケアに興味を持つようになる。その後、有料老人ホームでの勤務を経て、よりホスピスケアに深く関わりたいという思いで、CUCホスピスに転職。現在は、ReHOPE東戸塚の看護師として、日々、寄り添う看護を実践している。

緩和ケアを学びたいという強い思いで、たどり着いたホスピス型住宅

CUCに入社した理由を教えてください。

以前、病院でがん病棟に勤務していたのですが、終末期の患者さんに接するなかで、「人生の最期に何をしてあげればいいのか」というご家族からの問いに答えられなかったことがあります。

病状が悪化してしまった患者さんを見て、ご家族から「今は苦しくないのですか?」と聞かれた時、どう答えればいいのか分かりませんでした。そのことがずっと頭に残っていて、いつか緩和ケアをしっかり学びたいと思うようになりました。

CUCホスピスは、医師も含めて他職種と連携してホスピスケアができる環境です。ここでなら、がん終末期の方たちが痛みや苦しみがなく人生の最期を迎えられるのではないかと考えて、入職を希望しました。

どんな時にやりがいを感じますか?

ご入居者さまやご家族の気持ちに向き合う看護ができているときですね。コロナ禍になる前は、ご家族が施設に泊まることができたのですが、夜勤をしているときに「話し相手がほしい」という奥さまと話し込んだこともあります。ご主人が施設に入り、不安と寂しさを抱えていらっしゃったのでしょう。お話をしてみると、ホッとした表情に変わりました。

ご入居者さまやご家族、一緒に働くスタッフたちから「いてくれるだけで安心」と思ってもらえる存在でいられることが、やりがいにつながっています。

些細なすれ違いが信頼関係にひびくことも。積極的な声がけやジェスチャーを意識

働くなかで大変なことはありますか?

当施設は、がんの終末期や難病で、意思疎通が難しいご入居者さまもいらっしゃいます。ご入居者さまの病状によっては、ご本人とのコミュニケーションが取りづらいケースがあり、そういった場合のコミュニケーションにはいつも悩みます。

例えば、多系統萎縮症という難病の症状で、声がかすれて会話が聞き取りづらくなっていたご入居者さまがいらっしゃいました。

声が聞き取りやすいよう紙でメガホンを作って、普段のやり取りをしていたのですが、どうしても生活の細部の訴えまでは汲み取れていないのではと、他のスタッフたちとともに悩んでいました。

そんなある日、「ナースコールのボタンが手の届くところになかった」ということで、ご家族に不満をもらされて、それが施設へのクレームになってしまったのです。できるだけの対応はしてきたつもりでしたが、やはり私たちに思いを伝えられないところがあったのだと実感する出来事でした。

その後の看護で心がけていらっしゃることはありますか?

例えば、ナースコールで呼ばれたときに、「何か他にしてほしいことはありますか?」とプラスαの会話をすることを心がけるようにしています。

こちらから積極的に話しかけることが、ご入居者さまの求めていることを感じることが出来ますし、理解した上でケアをしたほうがお互いに分かり合えるからです。

ご入居者さまに関心を持って接していると、「この人は分かってくれている」と思ってもらえるようで、頷きやマルを作るジェスチャーだけでも伝わるようになります。

身体に触れるときにも、「何でも言ってくださいね」という気持ちで接しています。時間を惜しまずにコミュニケーションをとっていくことが、大切だと感じています。

最期の瞬間まで後悔なく過ごしていただくために。私たちに求められるホスピスケアとは

仕事で大切にされていることは?

ケアするときには、必ず声をかけて、挨拶するところから始めるようにしています。「お体に触りますね」「歯磨きをしますよ」と、一つひとつの動作でお声がけをします。

たとえ言葉でのコミュニケーションができなくても、お顔を見て声をかけると、顔色や表情から気持ちを読み取れるようになります。

冒頭で、「終末期の患者さんのご家族からの問いかけに答えられなかった」と話されていましたが、CUCホスピスでの勤務を通して変化はありましたか?

今でも、ご家族から「苦しくないかしら」「最期はどうしたらいいのかしら」と聞かれることは、よくあります。その時は、ご入居者さまのお顔や呼吸の状態を見て、「苦しくない表情をされていますよ」「呼吸も自然ですね」とお伝えできるようになりました。

そのうえで、「手を握ってあげてください」「声をかけてあげてください」と、お声がけしています。最期の瞬間に、後悔なく過ごしていただきたい。そのために、私たちも一緒に見守りながら、ご家族を支えていきたいと思っています。

どんな看護を目指していきますか?

CUCホスピスの使命は、“「前を向いて生きる」を支える。”。私たちがご入居者さまの日々の生活を支えることが、理念の実現につながると考えています。

治療法がなく、一度人生のどん底に突き落とされてしまったとしても、少しずつでも前を向けるように、明日を生きられるように働きかけていく。それが、私たちに求められるホスピスケアではないでしょうか。「生きていてよかった」と前を向いてもらえるように、看護の力で支えていきたいと思っています。