INTERVIEW

調理スタッフインタビュー

食べる楽しみは、生きる意欲に。 おいしく楽しい食事の時間を支える

在宅ホスピス墨田

調理スタッフ 二葉 美登里

以前は病院の受付として勤務。出産・育児を経て、病院の看護助手、歯科医院の歯科助手を経験。医療や介護分野に興味を持ち、ヘルパー2級(現・介護職員初任者研修)の資格を取得。2020年6月にCUCホスピスに入社。現在は、在宅ホスピス墨田で調理スタッフとして、安全で美味しい食事を提供している。

人にとって大切な「食」に関わる仕事
介護食について勉強したい

これまでのご経歴を教えてください。

主婦歴が長く、子どもが小さい頃は働いていなかったのですが、子育てが一段落したのをきっかけに仕事を始めました。病院で看護助手、歯科医院の歯科助手を5年ほど経験しています。また、親が高齢だったこともあり、何かの役に立つかもしれないと思い、ヘルパー2級(現・介護職員初任者研修)の資格を取得しました。

なぜCUCホスピスに転職されたのですか?

登録していた求人サイトからスカウトメールが届いたのがきっかけです。「ホスピスとはどんなところなのだろう」と興味が湧きました。また、調理スタッフの募集だったので、人にとって大事な「食」に携わる仕事をやってみたいという思いもありました。

というのも、病院で看護助手の仕事をしていた時に、「食の大切さ」を感じる場面がたくさんあったからです。入院している患者さんたちは、お食事の時間をとても楽しみにされていて、食べることで身も心も元気になっていくように見えました。

これまで調理として働いた経験もなければ、調理師や栄養士の資格も持っていない自分に、調理スタッフができるのか、不安はありました。

その点、在宅ホスピスでは、すでに調理済のお料理を温め直したり、盛り付けたりするシンプルな業務ということで、私にもできるかもしれない、と。高齢の親のためにも、介護食について勉強できたらいいなという気持ちもあり、入社を決めました。

「食べたい」と思ってもらえるように
彩りを美しく、温かい状態で提供する

入社後のお仕事内容を教えてください。

調理スタッフとして、ご入居者さまにご提供する食事の準備が主な仕事です。主食のお米は施設内のキッチンで炊いて、主菜や副菜は、提携先の配食サービスから届く完成品を献立を見ながら温め直して、盛り付けていきます。

お食事は、ご入居者さまの嚥下の状態に合わせて4種類あります。常食、ソフト食、ゼリー食、ミキサー食と、同じメニューでも食形態が変わります。

私が盛り付けで気を配っているのが、彩りです。やはりお食事は見た目が大事ですので、美味しく食べていただけるようにしたいと考えています。そのため、ソフト食やミキサー食でも、お肉はお肉として見えるように形を整える、アクセントのグリンピースは小さく切って上に置くなど、見た目から「食べたい」と思っていただけるように心がけています。

また、温かい状態でお食事を提供できるように、配膳のタイミングにも気を付けています。お食事の時間はご入居者さま一人ひとり異なるので、介護スタッフと連携を取りながら準備をします。お味噌汁は食堂にいらしてからよそったり、熱々だと食べづらいものはあらかじめ出しておいたり、食事の内容やご入居者さまお一人お一人に合わせて変えています。

CUCホスピスで働く上で、やりがいを感じる時は?

やはりご入居者さまから「ごちそうさま」「美味しかった」と言っていただけると、嬉しいですね。食事の時間が気分転換になっていて、楽しみにされている方がたくさんいらっしゃいます。揚げ物やちらし寿司など、普段と違うメニューや、季節ごとのメニューが喜ばれています。大みそかのお蕎麦や、お正月のおせち料理などは特別感があります。お食事を通して、季節を感じていただけているのではないでしょうか。

食堂とキッチンが区切られていないオープンな空間なので、ご入居者さまが美味しそうに、楽しんで食べてくださっている姿が見られるのも、仕事のやりがいにつながっています。

食の好みにも配慮しながら、テキパキ動く。
家事育児で身についた段取り力が活きる職場

CUCホスピスで働く上で、大変なことは?

ご入居者さまの病状は日々変わっていくので、それに合わせて食事形態を変えていく必要があります。常食からソフト食、ソフト食からゼリー食へ、お箸からスプーンへの変更など、間違えずに対応しなければなりません。もし間違って誤嚥につながってしまうと大変なので、気を抜けません。そのため介護スタッフと毎日会話してご入居者さまの状態を必ず確認するようにしています。

どの方にどの形態のお食事を提供するかは、管理表に書き込まれています。それとは別に、個人のトレイに乗せる「食札」にはさらに細かい書き込みがあります。

「常食でもご飯はおかゆで、おかずは一口大に」、「カレーのルーとご飯は別々に」など、状態に合わせるだけでなく、ご入居者さまのお好みにも配慮しています。

集中的に忙しくなる時間帯もあり、間違えずに準備をするのは大変ですが、入社して2年が経ち、今ではテキパキと動けるようになりました。主婦の経験から培った段取り力も活かせていると感じます。

今後、特に注力したいテーマを教えてください。

ご入居者さまたちが食事を美味しく、楽しく召し上がっていただけるように、これからも工夫を続けていきたいと思っています。そのためにも、ご利用者さまはもちろん、介護スタッフや看護師と日頃からコミュニケーションを取り、お一人お一人に合ったお食事を提供していきたいです。

どんな人と一緒に働きたいですか?

ご入居者さまのことを考えて、一つひとつ丁寧に仕事を進められる人がいいですね。介護スタッフとの連携が大切なので、コミュニケーションが上手に取れることも重要だと思います。

私のように調理経験や、介護施設での勤務経験がなくても、周りがしっかりサポートしてくれる職場です。丁寧に教えてもらえるので、働きながら仕事を覚えることができます。未経験の方にも安心して応募してほしいと思います。