ReHOPEについて

【創業者×社長 対談】何度でも希望を再生する挑戦を地域と手を重ねて加速させる

投稿日: 更新日:

※本記事は、 CUCホスピスアニュアルレポート2023年より抜粋した内容です。

CUCホスピスの創業者・𠮷田豊美の想いに共感し、1年前に代表取締役社長として参画した井上正明。
ふたりで手を重ねてきた歩みを振り返りつつ、現在の心境と今後の挑戦について語ってもらいました。

𠮷田豊美(よしだ・とよみ)

株式会社シーユーシー・ホスピス
取締役Founder

地域で高齢者を支える仕組みが必要との想いから
病院で働く看護師から訪問看護の世界へ転身。
しかし、自身が理想とするサービスと現状のあり方に乖離があったことから
“ホスピス型住宅”という看取りのビジネスモデルをゼロから創出した。
CUCホスピスの取締役Founderに就任した現在は、
ひとつでも多くの希望を再生するために、
理念の浸透をはじめとする取り組みに注力している。

井上正明(いのうえ・まさあき)

株式会社シーユーシー・ホスピス
代表取締役社長

金融業界からキャリアをスタートしたのち、
ベビーシッター業界の草分けである株式会社ポピンズの副社長に。
国や行政に働きかけながら規制緩和をリードし、業界の健全な発展に寄与した。
2022年7月、ヘルスケア領域の課題を解決すべくCUCホスピスの代表取締役社長に。
“希望が生き交う生活の場” を日本中に広める戦略を加速させている。

 

強みを重ねて挑戦を加速させる

𠮷田 井上さんが当社に参画されたのが2022年の7月。それまでは銀行から金融コンサル、保育事業の草分けであるポピンズというキャリアを重ねていますよね。

井上 はい。関連性がないように見えて「社会貢献」というテーマが通底しています。そのなかでも、ポピンズとCUCホスピスは特に親和性が高いと感じています。ポピンズは「働く女性を応援したい」という創業者の想いから生まれた事業ですが、創業当時は社会で活躍する女性が増えていたものの、育児や介護を支援する仕組みや制度が足りていませんでした。私はその状況を踏まえ、理念をぶらすことなく事業を拡大する役割を担いました。ポピンズの副社長に就任してからは、国や自治体に働きかけながら規制緩和を実現し、保育所を30カ所から360カ所まで増やすことができました。CUCホスピスも今、同じ状況にあると感じ、参画を決めました。

𠮷田 日本でホスピスという存在が知られていなかった時代に「必要なものがないなら自分でつくろう」と、“ホスピス型住宅”という看取りのビジネスモデルをつくったのが当社の原点。そこからがん末期をはじめ、ALS(筋萎縮性側索硬化症)やパーキンソン病など、少しずつケアができる病や障がいの間口を広げました。妊娠や出産を機に女性がキャリアを絶たれていた状況に対して、ポピンズが日本で初めてベビーシッターの養成や派遣に取り組み、その概念の浸透から奔走してきた姿と通じるものがありますね。

井上 CUCホスピスをこれまで育て上げてきた、看護師出身の𠮷田さんと、門外漢の私。異なる強みを重ねるからこそ、挑戦が加速すると確信しています。

CUC ホスピスの挑戦を日本のすみずみまで広めたい

井上 諸外国に先駆けて超高齢化が進む日本では、死亡数が、2040年まで増加傾向にあり、ピーク時には年間約170万人が死亡するという予測があります。(厚生労働省令和2年版厚生白書より)それにもかかわらず在宅でお看取りできる基盤は充分に整っているとはいえませんし、地域格差も見過ごせません。当社が事業を拡大するうえでは、こうした状況に応えるために自社が果たすべき役割を考えなければいけません。

𠮷田 そうですね。当社の施設を増やすという発想ではなく、地域のニーズに応える、不足している病床を増やす、という気概が必要。そこで暮らす方々に加え、医療に従事する方や行政の方にも「この地域には『ReHOPE』があるから大丈夫」と頼りにしていただけるような存在を目指したいですね。



井上 もっと言えば、地域にひとつ『ReHOPE』を置くことがゴールではありませんよね。地域に複数の施設を展開したうえで、NPOなど業界を越えた多様な事業者と手を重ねる必要があります。なぜなら、私たちが理想とするご入居者さまの気持ちに寄り添うケアを届けるには、地域を包括するような影響力が欠かせないからです。

𠮷田 同じ地域に複数施設を展開すると、地域との関わりが増えることで客観的な視点で自社のサービスが検証されたり、評価されたりする機会が増え、私たちのサービスを磨くことができる。そして、地域の医療の底上げに貢献できる。最近、少しずつ複数施設を展開する地域が増えてきたなかで、大きな手応えを感じています。

井上 そうですね。そうして地域との関わりにおける成功実績を蓄積した先で、“希望が生き交う生活の場”を世界に広めていきたいですね。課題先進国である日本で研鑽を重ねたサービスは世界にも通用すると信じています。

『ReHOPE』の名の下標準化を進化させる

井上 地域に寄り添いながら施設を増やしてきたなかで、拡大の基盤となる業務の標準化にも力を入れた1年でしたね。標準化というとドライな印象を与えるかもしれませんが、𠮷田さんの強い想いを起点にしながら事業を広げていくための鍵だと思うのです。スタッフの負担を軽減し、寄り添いの品質を保つ。ご入居者さまお一人お一人の個性を理解し、心身ともに必要なケアを届けることができる余裕を生む。そのための標準化です。

𠮷田 看護・介護の領域はスタッフの強い想いに依存し、サービスが属人化してしまう難しさをはらんでいます。これに対しご入居者さまお一人お一人が必要とするケアを見極めて届けるという本質から外れることなく標準化するというのが、私たちの挑戦です。たとえば施設運営とコンプライアンスの観点から作成した19のマニュアル。施設見学やご入居時の対応、障害福祉サービスの申請が各施設で行えるように、これからはさらなる浸透を目指していきたいと考えています。研修面では、ベテランスタッフの手際を撮影した動画がいつでも視聴できる仕組みを導入しましたね。

井上 今後は蓄積されてきた成功実績を言語化し、共有できる仕組みも作ります。AIなどのテクノロジーを活用する選択もあるでしょうね。他方で、私が大きな手応えを感じているのがリブランディングの成果です。名称を『在宅ホスピス』から『ReHOPE』に変更したことが追い風になっていると感じます。


𠮷田 そうですね。一般的に“ホスピス”という言葉には“死を静かに待つ場所”というイメージがあります。でも、私たちが提供しているのは、重い病や障がいを抱えている方が最期の瞬間まで自分らしく前を向いて生きることのできる場。それが私たちが理想とする“ホスピス”であり、目指しているサービス。乖離をなくすための変更でしたが、早くも効果を実感しています。

井上 CUCホスピスの寄り添う姿勢も伝わりますよね。現場のスタッフにとっては道を示す旗印でもある。だからこそ標準化を進めるなかでも寄り添いの品質が保たれ、日々、希望が再生されていると感じます。

𠮷田 先日も、『ReHOPE』に込めた想いを象徴する出来事がありました。難病とされる慢性炎症性脱髄性多発神経炎を抱えていた方がいらっしゃったのですが、スタッフ一丸となってリハビリをサポートしつづけた結果、『ReHOPE』からご自宅に戻れるほどに身体機能を回復させることができたのです。末梢神経が炎症を起こし、筋力の低下や手足のしびれが起きる病気のため、『ReHOPE』にいらっしゃる前の病院では寝たきりで生活全般に介護を必要とされていました。しかし今では、車いすも使わず、ご自身の足で歩けるまでに回復されましたね。

井上 病を抱えるご本人さまやご家族だけでなく、医療や介護に従事する方々にとっても希望となる出来事だと思います。こうした実績も相まって、私たちのもとには多様な人材が集まる流れが生まれていますよね。

𠮷田 そうですね。さまざまな専門性をもつ人材が参画くださるようになりました。看護や介護といった専門性があれば十分という時代ではありませんから、異なる専門性の掛け算で従来にない取り組みを加速させ、解決が困難とされてきた日本社会や医療システムにまつわる課題に立ち向かっていけたらと思っています。

井上 当社では社員の声に耳を傾け、反映する努力を重ねているため、新しく入社する方も意見を発することができ、一人ひとりのもつ力が発揮されやすいと思います。社会を変革する意志のある多様な方々をお迎えし、挑戦を加速させましょう。

𠮷田 そして今後は、私たちの成功事例を医療機関や福祉施設、新規参入企業などに広めていきたいですね。

井上 同感です。電気やガス、水道のように、社会インフラになりえるビジネスモデルです。あらゆる可能性を見据えて挑戦しましょう。

CUCホスピス アニュアルレポート2023、公開中

私たちは、ステークホルダーのみなさまに経営方針や事業活動の成果・今後の方向性をお伝えするため、『アニュアルレポート2023』を発行しました。
がん末期や難病のご入居者さまへのケアを進化させる取り組みや、施設のスタッフを支える仕組みを紹介し、「ホスピス=死を静かに待つ場所」という一面だけではないことをご理解いただきたく、「前を向いて生きる」ご入居者さまやご家族、明るく寄り添うスタッフの日常を描いています。

※ より詳細なレポート内容はこちらからご覧ください。

ご不明点や費用詳細等、
お気軽にお問い合わせください。

見学希望・資料請求をする 0120-333-527 平日 9:00〜18:00