ホスピス型住宅のReHOPE | ホスピス・介護の基礎知識 | 介護施設を知る | サービス付き高齢者向け住宅とは?ホスピスや有料老人ホームとの違いについて解説
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この記事の監修者
松尾 ゆき(まつお ゆき)
株式会社シーユーシー・ホスピス リスク・コンプライアンス室
プロフィール
2010年神戸大学大学院人間発達環境学研究科修了(修士)。広告会社での介護関連の業務を経て、2013年より介護事業会社での内部監査を担当。2021年シーユーシー・ホスピスに入社し内部監査部門を立ち上げ、内部監査、行政指導対応、社内向けの制度説明を担う。
サービス付き高齢者向け住宅は、見守りサービスとして安否確認と生活相談のサービスがついている、バリアフリーに対応した高齢者向けの賃貸住宅です。
本記事ではサービス付き高齢者向け住宅への入居を検討している方へ、入居の条件や費用、ホスピス型住宅や有料老人ホームなど、ほかの施設との違いなどを解説します。
サービス付き高齢者向け住宅とは、バリアフリーに対応した高齢者向けの賃貸住宅で「サ高住(さこうじゅう)」とも呼ばれています。サ高住は、「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の改正により2011年に創設された比較的歴史の浅い住宅です。2024年9月末時点で登録数は8,311件となっています。
出典:一般社団法人 高齢者住宅協会「サービス付き高齢者向け住宅の登録状況R6.9末時点」
サ高住は、60歳以上の自立した生活が可能な高齢者の方や比較的介護度の軽い方が多い住まいです。介護施設とは違い、通常の賃貸物件なので、生活の自由度が高いことが特徴です。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は主に「一般型」と「介護型」の2種類に分けられ、その種類により性質が大きく異なります。一般型と介護型それぞれの特徴について解説します。
一般型 | 介護型 | |
入居条件 | 60歳以上の方
60歳未満で要介護認定を受けている方 |
|
入居者 | 介護度が低い方が多い | 介護度が高い方・認知症の方が多い |
介護サービスの提供 | なし
介護サービスが必要になれば、外部のサービス(生活支援、身体介護、リハビリなど)を別途契約する |
あり
施設に常駐しているスタッフから要介護度に応じた介護サービス(生活支援、身体介護、リハビリなど)を受けることが可能 |
自立した生活は送れるけれど、ひとり暮らしや高齢者だけでの暮らしは不安という方に向いているのが「一般型」で、「介護型」は日常生活に介助が必要になってきた方に向いています。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と似ている施設として「有料老人ホーム」があります。
有料老人ホームは、高齢者が安心して生活できる施設として共通点もありますが、契約形態や費用、生活の自由度などに違いがあります。以下に、サ高住と有料老人ホームの主な違いを示します。
サ高住 | 有料老人ホーム | |
居室面積 | 25㎡以上 ※18㎡以上も可(条件つき) |
13㎡以上 |
月額費用 | 約15.1万円 ※施設により異なる |
平均約18.5万円 ※施設種類により異なる |
契約方式 | 建物賃貸借契約 | 終身利用権方式 建物賃貸借方式 終身建物賃貸借方式 |
食事 | 施設自炊 ※食事のオプションサービスは利用可能 |
施設側で提供する場合が多い |
出典:厚生労働省「高齢者向け住まいの実態調査 報告書」
一般型サ高住・介護型サ高住と有料老人ホームの規模感とそれぞれの関係を以下の図にまとめました。
※国土交通省_データから見た高齢者住宅・施設の需給バランス(2020)をもとに当社作成
「一般型」のサ高住は、外出や外泊の許可が不要な点で生活の自由度が高く、個人のライフスタイルを重視しています。これに対して、有料老人ホームでは、外出や外泊について事前の許可や連絡が必要なケースが多く、安全管理や緊急時対応の観点から一定のルールが設けられています。
「介護型」のサ高住は、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設なので、有料老人ホームと同じように介護サービスが受けられます。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) には、入居者の安否確認と生活相談が必須で義務付けられています。また、日中は必ずケアの専門家(例:介護福祉士やケアマネジャー)が施設に常駐しており、夜間に施設にスタッフが常駐していない場合は、緊急通報システムで対応することが一般的です。
そのほか、生活支援や介護など施設ごとに用意されているオプションサービスの追加が可能です。
頻度や時間は施設ごとに異なりますが、施設スタッフが各部屋へ定期的に訪問し、入居者の様子を確認します。安否確認は施設職員である介護福祉士、看護師などが行います。
専門の職員が入居者の相談に乗ってくれるサービスです。心身の不安から介護の内容、訪問頻度なども相談できます。
義務付けられている2つの見守りサービス以外にも施設によっては受けることができるサービスがあります。追加で受けられるサービスは施設により異なりますので、入居前に希望のサービスが受けられるか施設に必ず確認をするようにしましょう。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を利用するにあたって、基本的には初期費用と月額費用がかかり、その金額は施設により異なります。費用相場について解説します。
一般型は、基本的に初期費用は敷金のみの場合が多く、施設によっては月額費用のみの所もあります。敷金は1〜3カ月分が相場です。
介護型は、入居一時金が必要な施設もあり、一般型に比べて初期費用は高くなる傾向にあります。初期費用は数十万から数千万になる施設もあります。
家賃と管理費を合わせた金額の相場は以下のようになります。
※上記は一般的な費用例です。月額費用には介護保険の自己負担額や喫食代金も含まれています。
家賃は周辺のアパート・マンションの費用相場と同等なため、地域により差があります。
上記費用のほかに、今後の暮らしを想像した通院費や消耗品など、ほかに毎月かかる費用まで含めた金額で想定しましょう。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は高齢者が安心して暮らせる場所ですが、症状が進行すると対応が難しい場合があります。万が一に備え、そのサ高住がどの程度介護・医療的ケアの対応が可能か把握しておきましょう。
また、サ高住で暮らす中で症状が悪化した場合、次の点を考慮することが重要です。
悪化のサインを見逃さない
家族との話し合い
医療・ケア体制を見直す
症状が進行し、サ高住での対応が難しくなった場合、他施設への移行を検討することも選択肢のひとつです。
認知症の進行などでより手厚い生活支援が必要になった場合は、グループホームや介護付き有料老人ホームへの移行を検討してみてはいかがでしょうか。また、がんや難病などで医療的なサポートが多く必要な場合には、ホスピス型住宅や緩和ケア病棟の利用を検討することをおすすめします。
その際の基本的な流れは以下の通りです:
主治医やケアマネージャーに相談
症状やケアの必要性を伝え、移行先の施設についての選択肢を提案してもらいます。
施設の情報収集と見学
グループホーム、介護付き有料老人ホーム、ホスピス型住宅、緩和ケア病棟などから最適な施設を探します。実際に施設を見学し、スタッフの対応や環境を確認します。
移行計画の立案
家族、施設スタッフ、医療関係者と連携し、移行に向けた計画を立てます。
新しい環境でのケア開始
バリアフリーに対応した高齢者向けの賃貸住宅で、安否確認と生活相談のサービスが受けられます。「サ高住」とも呼ばれており、一般型、介護型の2種類に分けられます。
詳しくは記事内「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは」をご覧ください。
サ高住の入居条件は60歳以上の高齢者、もしくは要介護者認定を受けた60歳未満の方であることが条件です。
一般型や介護型それぞれの条件は記事内「サービス付き高齢者向け住宅に入居する条件」をご確認ください。
サ高住と有料老人ホームは退去要件や費用、居室面積に違いがあります。
詳しくは記事内「サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームとの違い」をご確認ください。
ReHOPEは、がん末期や難病を抱える方々を対象にしたホスピス型住宅です。医療・介護の専門スタッフが、24時間365日体制で安心できるケアを提供し、ご入居者さまが自分らしい生活を送れるようサポートしています。
常駐スタッフによる日常生活の支援から医療的なケアまで、それぞれのニーズに合わせたきめ細やかなサポートを受けられるのもReHOPEの特徴です。さらに、地域の医療機関や多職種との連携により、心と身体の両面に対する総合的なケアを実現しています。
施設の見学も随時受け付けているので、お気軽にお問い合わせください。