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訪問看護は医療保険の適用になる?条件や利用時の費用と注意点を解説

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訪問看護は医療保険の適用になる?条件や利用時の費用と注意点を解説

この記事の監修者

福井 麻由美(ふくい まゆみ)

株式会社シーユーシー・ホスピス リスク・コンプライアンス室

プロフィール

短期大学にて社会福祉、医療事務の資格を取得後、医療系専門学校卒業。一般企業を経て、訪問看護ステーションにて10年勤務、ステーション事務・レセプト管理を経て本社管理部事務員の管理、事業所の内部監査、申請手続き全般を勤める。
2023年シーユーシー・ホスピスに中途入社後、リスク・コンプライアンス室にて内部監査を行う。


訪問看護とは看護師がご自宅に訪問し、医師との連携により在宅医療を支えるサービスです。訪問看護は一定の条件を満たすことで医療保険の対象となります。

ご本人によっては、自分が医療保険の適用になるのか、実際にいくら費用がかかるか気になる方も多いでしょう。

今回は、医療保険を使って訪問看護を利用するまでの流れや、適用されるご本人はどんな方なのか、実際に利用するとどれくらいの費用がかかるかなどわかりやすく解説します。
また、医療保険で訪問看護を利用するときの注意点にも触れているので、ぜひ参考にしてください。

医療保険を適用して訪問看護を受ける流れ

訪問看護を利用する時に、自分が「医療保険」か「介護保険」に該当するかは以下のチャートで調べることが出来ます。

訪問看護はご本人の意思と主治医の了承、受け入れてくれる訪問看護ステーションがあれば開始可能です。まずかかりつけ医に自宅で看護を受けたい希望を伝えましょう。その後、主治医が訪問看護指示書を発行し、訪問看護ステーションと連携してサービスが開始されます。

医療保険と介護保険のどちらを使って訪問看護を利用するかは、疾患などにより決定します。医療保険や介護保険は適用することで、訪問看護にかかる費用の負担を軽くすることができますが、自由に選べるわけではないのでご注意ください。

医療保険に適用される方について、次に詳しく説明します。

訪問看護で医療保険が適用される方

訪問看護で医療保険が適用される方は、以下のとおりです。

  • 40歳未満の方
  • 16特定疾病の対象ではない40歳以上65歳未満の方
  • 介護保険第2号被保険者ではない40歳以上65歳未満の方
  • 要介護・要支援の認定を受けていない65歳以上の方
  • 要介護・要支援の認定を受けた方
    • 厚生労働省が定める特定の疾患(※別表8)に該当する方
    • 精神科の訪問看護が必要な方(※認知症の方は対象外)
    • 病状が悪化し、特別な訪問看護が必要と判断された方

出典:厚生労働省|訪問看護のしくみ

訪問看護で医療保険が適用される疾患

訪問看護は、医療保険が適用される疾患や状態が明確に定められています。以下に、医療保険が適用される主なケースをまとめます。

受けられるその他のサービスの例
  • 末期がん(緩和ケアを含む)
  • その他治癒が困難で、生命予後が限られている状態
難病等の特定疾患
  • 厚生労働省が定める指定難病
    (例:筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉、パーキンソン病 など)
  • その他の疾患で特定の診断を受けている場合
重度障害や特定の状態
  • 人工呼吸器や気管切開を使用している方
  • 中心静脈栄養(IVH)管理が必要な方
  • 在宅酸素療法(HOT)を行っている方
  • 褥瘡(床ずれ)やその他継続的な創傷管理が必要な方
重度障害や特定の状態
  • 人工呼吸器や気管切開を使用している方
  • 中心静脈栄養(IVH)管理が必要な方
  • 在宅酸素療法(HOT)を行っている方
  • 褥瘡(床ずれ)やその他継続的な創傷管理が必要な方
精神疾患や特別な医療ニーズ
  • 統合失調症や双極性障害など、特定の精神疾患を持つ方で訪問看護が必要とされる場合
  • 認知症の進行により、日常生活に医療的支援が必要な場合
妊産婦や乳幼児の特定医療
  • 妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)や切迫早産での安静が必要な場合
  • 医療的ケア児(例:人工呼吸器装着、胃ろうの管理が必要な場合)

出典:厚生労働省|訪問看護のしくみ

訪問看護における医療保険の料金

訪問看護における医療保険の料金は、利用されるご本人の年齢によって変動します。年齢別の負担割合については、以下を参考にしてください。

年齢 負担割合
75歳以上 1割負担(現役並みの所得者は3割負担)
70歳〜74歳 2割負担(現役並みの所得者は3割負担)
6歳〜69歳 3割負担
6歳未満(小学校就学前) 2割負担

※医療費が自己負担額が一定の限度額を超えた場合、超えた額が「高額療養費」として支給されます。(支給には申請が必要です)

出典:厚生労働省|医療費の一部負担(自己負担)割合について

訪問看護を利用した場合の料金イメージ

医療保険を利用した訪問看護のモデルケースをご紹介します。

入院から在宅での訪問看護に切り替えたAさん/疾患:がん末期

利用者プロフィール 70代のAさん。末期がんで退院後に自宅で訪問看護を週3回利用している。
主なケア内容 看護師による疼痛管理と薬の投与、症状観察
自己負担額 1万982円/月(1割の場合)
(内訳)
・基本療養費5,550円/回 × 13日 = 7万2,150円
・管理療養費(月の初日)7,670円
・管理療養費(2日目以降)3万円

合計:10万9,820円

介護施設で訪問看護を受けているBさん/疾患:がん末期

利用者プロフィール 80代のBさん。末期がんで退院後に介護施設で訪問看護を週3回利用している。
主なケア内容 看護師による疼痛管理と薬の投与、症状観察
自己負担額 7,381円/月(1割の場合)
(内訳)
・基本療養費2,780円/回 × 13日 = 3万6,140円
・管理療養費(月の初日) 7,670円
・管理療養費(2日目以降) 3万円

合計:7万3,810円

在宅で病気を患っているCさん/疾患:ALS(筋萎縮性側索硬化症)

利用者プロフィール 50代のBさん。家族で看てきたが、両親も高齢になり疲弊してきた。ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患っており、在宅で週に5回、訪問看護を受けている。
主なケア内容 医療処置や生活支援を行うための看護師によるケアと理学療法士によるリハビリ
自己負担額 1万8,227円/月(1割の場合)
(内訳)
・基本療養費5,500円/回 × 22日 = 12万2,100円
・管理療養費(月の初日) 7,670円
・管理療養費(2日目以降) 5万2,500円

合計:18万2,270円

介護施設で訪問看護を受けているDさん/疾患:パーキンソン病

利用者プロフィール <60代のBさん。家族で看てきたが、両親も高齢になり疲弊してきた。パーキンソン病を患っており、介護施設で週に5回、訪問看護を受けている。
主なケア内容 医療処置や生活支援を行うための看護師によるケアと理学療法士によるリハビリ
自己負担額 1万2,133円/月(1割の場合)
(内訳)
・基本療養費2,780円/回 × 22日 = 6万1,160円
・管理療養費(月の初日) 7,670円
・管理療養費(2日目以降) 5万2,500円

合計:12万1,330円

訪問看護は自費でも利用できる

訪問看護は、ご本人が費用を全額負担するかたちでも利用可能です。その場合、年齢や特定の疾患であるなどの条件がなく、時間やサービス内容も自由に決められます。

たとえば、訪問看護師の長時間の滞在や、外出時に付き添いをしてもらうことも可能です。 さらに、医療保険と自費の併用もできます。
ただし、費用は全額自己負担となる旨は理解しておきましょう。なお、医療保険適用の訪問看護と自費サービスは同日に併用できませんが、別の日に自費で追加のサービスを利用することは可能です。

訪問看護で医療保険を適用する際の注意点

訪問看護で医療保険を適用する際は、以下の注意点があることを覚えておきましょう。

訪問回数に上限がある

医療保険が適用される訪問看護の訪問回数の上限は、基本的には週3回、1日1回までです。

ただし、厚生労働大臣が定める疾病に該当する場合や、医師から特別訪問看護指示書の発行があった場合は、週3回以上の訪問が認められています。

民間の医療保険では通院給付金の適用対象にならない

病気や怪我で入院した後の自宅療養で利用する訪問看護は通院給付金の対象とならないことが多く、大半は「往診のみ」が対象となります。

民間の医療保険を利用したい場合は、事前に保険内容を確認することをおすすめします。

よくある質問

訪問看護で医療保険が適用するのは?

訪問看護で医療保険が適用されるのは、下記に該当する方です。

  • 40歳未満の方
  • 16特定疾病の対象ではない40歳以上65歳未満の方
  • 介護保険第2号被保険者ではない40歳以上65歳未満の方
  • 要介護・要支援の認定を受けていない65歳以上の方
  • 要介護・要支援の認定を受けていて厚生労働大臣が定める疾病の方
  • 要介護・要支援の認定をうけていて精神科訪問看護が必要な方

詳しくは記事内「訪問看護で医療保険が適用される条件」をご覧ください。

訪問看護で医療保険を利用すると料金はどうなる?

医療保険を適用することで、訪問看護の料金は1〜3割の自己負担額に押さえられます。

詳しくは記事内「訪問看護における医療保険の料金」をご覧ください。

訪問看護で医療保険を利用する際の注意点は?

訪問看護で医療保険を利用する場合、訪問回数に上限があります。また、民間の医療保険では通院給付金の適用対象にならないことも覚えておきましょう。

詳しくは記事内「訪問看護で医療保険を適用する際の注意点」をご覧ください。

ReHOPEでは全国の施設でご入居者さまに訪問看護を提供しています

医療保険を使って受けられる訪問看護は、自宅だけではなく介護施設という選択肢があります。介護施設でサポートを受けたいと検討している方に、当社が運営する介護施設型のホスピス型住宅 ReHOPEについて紹介します。

ReHOPEでは、施設内に訪問看護ステーションを併設しています。ReHOPEが提供する訪問看護も医療保険や介護保険が適用されるので、費用が気になる方はお気軽にお問い合わせください。

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