ホスピス型住宅のReHOPE | ホスピス・介護の基礎知識 | 介護施設を知る | サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは何か?対象者や他施設との違いについて解説
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この記事の監修者

松尾 ゆき(まつお ゆき)
株式会社シーユーシー・ホスピス リスク・コンプライアンス室
プロフィール
2010年神戸大学大学院人間発達環境学研究科修了(修士)。広告会社での介護関連の業務を経て、2013年より介護事業会社での内部監査を担当。2021年シーユーシー・ホスピスに入社し内部監査部門を立ち上げ、内部監査、行政指導対応、社内向けの制度説明を担う。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、安否確認と生活相談のサービスがついた、バリアフリーに対応した高齢者向けの賃貸住宅です。
原則として60歳以上の自立度が高い高齢者が入居対象者となりますが、要支援・要介護認定を受けている方や入居者の配偶者の方なども入居対象となることがあります。
本記事ではサービス付き高齢者向け住宅への入居を検討している方へ、入居の条件や費用、ホスピス型住宅や有料老人ホームなど、ほかの施設との違いなどを解説します。施設への入居を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
サービス付き高齢者向け住宅とは、バリアフリーに対応した高齢者向けの賃貸住宅で「サ高住(さこうじゅう)」とも呼ばれています。
サ高住は、「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の改正により2011年に創設された比較的歴史の浅い住宅です。なお、2026年2月末時点で、登録件数は8,347棟となっています。
サ高住は、60歳以上の自立した生活が可能な高齢者の方や比較的介護度の軽い方が多く利用しています。介護施設とは違い通常の賃貸物件であるため、生活の自由度が高いことが特徴です。
また、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は主に「一般型」と「介護型」の2種類に分けられ、その種類により性質が大きく異なります。
| 一般型 | 介護型 | |
| 主な入居者 | 介護度が低い方が多い | 介護度が高い方・認知症の方が多い |
| 介護サービスの提供 | なし
介護サービスが必要になれば、外部のサービス(生活支援、身体介護、リハビリなど)を別途契約する |
あり
施設に常駐しているスタッフから要介護度に応じた介護サービス(生活支援、身体介護、機能訓練など)を受けることが可能 |
自立した生活は可能であるものの、ひとり暮らしや高齢者のみの生活に不安を感じる方には「一般型」が適しています。一方、「介護型」は日常生活において介助が必要になってきた方に向いています。
ただし、実際の受け入れ体制は施設ごとに異なります。介助や介護、医療ケアへの対応状況もさまざまであるため、それぞれの状況に応じて検討することが大切です。
出典:一般社団法人 高齢者住宅協会「サービス付き高齢者向け住宅の最新動向(2026年2月)」
出典:厚生労働省「サービス付き高齢者向け住宅について」
サ高住と似ている施設として「有料老人ホーム」があります。
有料老人ホームは、高齢者が安心して生活できる施設として共通点もありますが、契約形態や費用、生活の自由度などに違いがあります。サ高住と有料老人ホームの主な違いは以下のとおりです。
| サ高住 | 有料老人ホーム | |
| 居室面積 | 25㎡以上
※18㎡以上も可(条件つき) |
13㎡以上 |
| 月額費用 | 約15.1万円
※施設により異なる |
平均約18.5万円
※施設種類により異なる |
| 契約方式 | 建物賃貸借契約 | 終身利用権方式
建物賃貸借方式 終身建物賃貸借方式 |
| 食事 | 自炊または施設での提供 | 施設側で提供する場合が多い |
出典:厚生労働省「高齢者向け住まいの実態調査 報告書」
なお、サ高住であっても「食事の提供」「介護の提供」「家事の供与」「健康管理の供与」のうちどれか一つでも提供している場合は有料老人ホームにも該当し、老人福祉法の指導や監督対象となります。
「一般型」のサ高住は、外出や外泊の許可が不要な場合も多いため生活の自由度が高く、個人のライフスタイルを重視しています。これに対して、有料老人ホームでは、外出や外泊について事前の許可や連絡が必要なケースが多く、安全管理や緊急時対応の観点から一定のルールが設けられています。
また、「介護型」のサ高住は「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設なので、有料老人ホームと同じように介護サービスが受けられるのが特徴です。
老人ホームについてさらに詳しく知りたい方は、別記事「老人ホームの種類と特徴を比較!費用・介護度別の選び方」をあわせてご確認ください。
出典:厚生労働省「サービス付き高齢者向け住宅について」
ホスピス型住宅は公的に制度化された施設区分ではなく、運営元によって「ホスピス型住宅」「ナーシングホーム」「医療特化型有料老人ホーム」など、さまざまな呼称が使われています。一般的には、がん末期や神経難病など、医療依存度の高い方に対して看護・介護体制を整えた住まいを指します。
サ高住は見守りサービスやバリアフリー設計などの条件を満たしている施設を指し、介護が不要な方でも入居を検討しやすいなどの利点があります。一方、ホスピス型住宅は施設の種類に関わらず、症状の進行に伴って医療的ケアや看取り体制が必要な方が安心して過ごすための住まいです。
サ高住では、病気の発症や進行に伴い、継続した医療ケアが必要になった際には他の介護施設に転居しなくてはならない場合があります。その際、ホスピス型住宅は医療ケアを受けながら安心して暮らせる住まいとして、転居先の選択肢に挙げられることがあります。
ホスピスについての詳細は別記事「ホスピスとは?施設の特徴や病院との違い・対象者や費用について解説」で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
ケアハウスとは、社会福祉法人や自治体などが運営する公的な福祉施設の一種です。正式名称を「軽費老人ホーム(C型)」といい、主に身寄りがない、あるいは家庭環境や経済的な理由により、自宅での生活に不安がある高齢者を対象としています。
サ高住が「バリアフリー構造を備えた民間の賃貸住宅」という居住空間としての性格が強いのに対し、ケアハウスは「比較的安価な料金で食事や生活支援を受けられる福祉施設」という側面が強いのが特徴です。
費用については、サ高住は近隣の賃貸相場に準じることが一般的とされています。一方でケアハウスの利用料は、入居者本人の前年の所得に応じて段階的に設定されるため、公的な公的補助を受けながら安心して住み続けることが可能です。
なお、ケアハウスもサ高住と同様に、「一般型」と「介護型」に分かれています。一般型では主に食事や相談援助が行われ、介護型では施設のスタッフから直接24時間の介護サービスを受けることができます。そのため、経済的な負担を抑えつつ、将来的な介護不安にも備えたい場合の選択肢となるでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の入居対象は、原則として60歳以上の方または要支援・要介護認定を受けている方です。また、配偶者、60歳以上の親族、要支援・要介護認定を受けている親族なども同居者として入居可能です。
実際の受け入れ条件は施設ごとに異なり、自立の方を中心に受け入れる住宅もあれば、介護が必要な方でも積極的に受け入れている住宅もあります。入居後に必要となる支援内容によって入居の可否が分かれることもあるため、事前に確認しておくと安心です。
出典:神奈川県「サービス付き高齢者向け住宅の登録基準」
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、住戸面積が原則25㎡以上ですが、居間や食堂、台所など十分な共用設備がある場合は18㎡以上でも認められます。各居室には原則として台所、水洗便所、収納、洗面設備、浴室が必要ですが、一定の条件を満たせば一部を共用とすることも可能です。
また、段差のない床、一定以上の廊下幅や出入口幅、手すりの設置、3階建て以上ではエレベーターの設置など、バリアフリーに関する基準も定められています。単なる高齢者向け賃貸住宅ではなく、年齢を重ねても暮らしやすい構造が制度上求められている点がサ高住の特徴です。
出典:国土交通省「○高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則第三十八条第九号の規定に基づき国土交通大臣の定める基準」
出典:神奈川県「サービス付き高齢者向け住宅の登録基準」
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) には、入居者の安否確認と生活相談が義務付けられています。また、日中は必ずケアの専門家(介護福祉士やケアマネジャーなど)が施設に常駐しており、夜間に施設にスタッフが常駐していない場合は、緊急通報システムで対応することが一般的です。
そのほか、生活支援や介護など施設ごとに用意されているオプションサービスの追加が可能です。以下で具体的なサービスを確認していきましょう。
サ高住では、国土交通省と厚生労働省が所轄する「高齢者住まい法」によって義務付けられているサービスとして安否確認と生活相談が提供されます。
安否確認の頻度や時間は施設ごとに異なりますが、施設スタッフが各部屋へ定期的に訪問等を行い、入居者の様子を確認します。確認は施設職員である介護福祉士、看護師などが行うのが一般的です。
生活相談は、専門の職員が入居者の相談に乗ってくれるサービスです。心身の不安から介護の内容、訪問頻度なども相談できるため、日々の生活における安心感が生まれるでしょう。
出典:e-Gov法令検索「国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安全確保に関する法令施行規則 第十一条」
義務付けられている2つのサービス以外にも、施設によって受けることができるさまざまなサービスがあります。追加で受けられるサービスは施設により異なりますので、入居前に希望のサービスが受けられるか施設に必ず確認をするようにしましょう。
受けられるその他のサービスの例
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を利用するにあたって、基本的には初期費用と月額費用がかかり、その金額は施設により異なります。ここからは、費用相場について解説します。
なお、サ高住の詳しい費用については別記事「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の費用はどのくらい?有料老人ホームより安い?費用内訳も詳しく解説」でも解説しているので、あわせてご確認ください。
サ高住を利用するには初期費用が必要で、一般型と介護型でかかる初期費用の種類と金額が異なります。
一般型は、基本的に初期費用は敷金のみの場合が多く、施設によっては月額費用のみの所もあります。敷金は1〜3カ月分が相場です。
介護型は、入居一時金が必要な施設もあり、一般型に比べて初期費用は高くなる傾向にあります。初期費用は数十万から数千万になる施設もあります。
サ高住を利用するには、毎月の利用料として以下の費用がかかります。
サ高住で発生する月額費用
これらを合わせた金額の相場は、以下のとおりです。
月額費用の相場
※上記は一般的な費用例です。
家賃は周辺のアパート・マンションの費用相場と同等なため、地域により差があります。上記費用のほかに、今後の暮らしを想像した通院費や消耗品など、ほかに毎月かかる費用まで含めた金額で想定しましょう。
サービス付き高齢者向け住宅へ入居するまでの流れは、以下のとおりです。
サ高住へ入居するまでの流れ
介護や医療の必要性がある場合は、見学時点で診療情報提供書や介護保険証、ケアマネジャーの情報が求められることもあります。
見学では、費用や設備だけでなく、スタッフの雰囲気、夜間対応、食事内容、外部サービスの使い方まで確認しておくと、入居後のミスマッチを防ぎやすくなります。可能であれば、体験入居や短期利用の可否も確認しておくと安心です。
サービス付き高齢者向け住宅には、利用する人によってさまざまなメリット・デメリットがあります。以下で詳しく解説していくので、参考にしてみてください。
サ高住の大きなメリットは、一人暮らしより安心感を得やすいことです。バリアフリー環境に加え安否確認や生活相談があるため、本人の不安だけではなく離れて暮らすご家族の心配も軽減できます。
また、自立や要支援の段階でも入居を検討しやすく、比較的早い時期から住み替えの選択肢に入れやすい点も利点です。「介護施設に入るほどではないが、今の自宅では不安がある」という方に合いやすい住まいといえます。
さらに、一般型のサ高住では、自分のペースを保ちながら暮らしやすい傾向があります。生活の自由度を重視したい方にとっては、施設色が強すぎないことが魅力になるでしょう。
介護型のサ高住は、一般型に比べて自由度に限りがあるケースが多いものの、十分な介護が受けられる観点から自立度がそこまで高くない方でも安心して生活できるメリットがあります。
自立度が高い高齢者の住まいとしてメリットが多いサ高住ですが、その一方で通常の賃貸住宅より費用が高くなりやすいことがデメリットとして挙げられます。これは見守りや相談の基本サービスが月額費用に含まれるためで、家賃や月額の固定費用だけで比較すると割高に感じる場合があります。
また、医療的ケアや介護への対応は住宅によって差があり、体調や介護度の変化によっては住み続けられないこともあるでしょう。特に一般型では、介護度の上昇や認知症の進行、頻回な医療処置が必要になった段階で、よりサービスが手厚い施設への移行を検討しなくてはならない場合があります。
この点について、介護型のサ高住であれば、年齢を重ねるにつれて自立度が下がっていったとしても、重篤な病を患わない限りは住み続けることができるでしょう。ただし、専門的な医療ケアにまでは対応していないことに注意が必要です。
症状が進行し、サ高住での対応が難しくなった場合、他施設への移行を検討することも選択肢のひとつです。
認知症の進行などでより手厚い生活支援が必要になった場合は、グループホームや介護付き有料老人ホームへの移行を検討してみてはいかがでしょうか。また、がんや難病などで医療的なサポートが多く必要な場合には、ホスピス型住宅や緩和ケア病棟の利用を検討することをおすすめします。
以下では、移行を検討するタイミングについて詳しく解説します。
退院後に継続的な医療処置が必要になった、症状が進んで24時間体制での対応が必要になった、終末期のケアや看取りを希望したいといった場面などでは、入居中のサ高住でも対応可能かどうか、早めに確認する必要があります。。
サ高住でも訪問看護などを組み合わせて暮らし続けられる場合もありますが、必要な医療ケアの内容によっては、ホスピス型住宅や医療対応の厚い有料老人ホームの方が適していることがあります。そのため、主治医やケアマネジャーに早めに相談することが大切です。
ホスピスの選び方を詳しく知りたい方は、別記事「ホスピスの選び方は?後悔しないために家族が確認すべきポイントをわかりやすく解説」をあわせてご確認ください。
介護度が上がり、移動、排泄、食事、入浴など日常生活の多くに支援が必要になったときも住み替えの検討時期です。特定施設の指定を受けたサ高住であれば居室で介護を受けられますが、一般型では外部サービスの利用だけでは支えきれなくなることがあります。
また、認知症の進行により、見守りや介護を手厚くしたい場合も、介護付き有料老人ホームやグループホームなどのより適した住まいへ移ることで、本人の安心につながりやすくなるでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅から他施設に移行する際の基本的な流れは、以下のとおりです。
サ高住から他施設に移行する際の流れ
退去時は、契約書の解約条項を必ず確認しましょう。前払金の返還条件、敷金の精算、退去予告の期限、残置物の扱いなどは契約内容によって異なります。
また、賃貸借契約の性質を持つ住まいでは、原状回復や敷金精算が問題になりやすいため、通常損耗の扱いと入居者負担の範囲を確認しておくことが大切です。退去時の立ち会いには、ご家族など第三者が同席するとより安心でしょう。
サービス付き高齢者向け住宅は、安否確認と生活相談を備えた高齢者向けの住まいです。自宅らしい自由さを残しながら安心感を得やすく、自立の方から軽度の介護が必要な方まで、幅広く検討しやすい選択肢といえます。
ただし、同じ「サ高住」でも、受けられる介護費用、看取り対応など、サービス内容には大きな差があります。今の状態だけでなく、将来的な心身の状態の変化の可能性も見据え、希望に沿った住まいかどうかを確認することが大切です。
原則として60歳以上の方、または要支援・要介護認定を受けている方が対象で、同居者にも一定の条件があります。さらに、実際の受け入れ可否は、介護度や必要な支援内容を踏まえて施設ごとに判断されます。
詳しくは、記事内「サービス付き高齢者向け住宅の対象者と入居条件サ高住の対象者と入居条件」をご覧ください。
家賃・共益費・基本サービス費の合計は、全国平均で月額15.1万円が目安です。ただし、これは食費や介護保険自己負担分などを含まないため、実際にはこれより高くなることが一般的です。また、一般型と介護型でも月額費用は異なります。
詳しくは、記事内「サービス付き高齢者向け住宅の利用にかかる費用」をご覧ください。
サ高住は高齢者向けの賃貸住宅としての性格が強く、基本のサービスは安否確認と生活相談です。有料老人ホームは、食事、介護、家事、健康管理のいずれかを提供する施設を指します。なお、サ高住でも提供されるサービスの内容によっては有料老人ホームに該当する場合があります。
詳しくは、記事内「サ高住と有料老人ホームの違い」をご覧ください。
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