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エイズ(後天性免疫不全症候群)は早期発見・治療が大切!初期症状や支援制度などを解説

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エイズ(後天性免疫不全症候群)は早期発見・治療が大切!初期症状や支援制度などを解説

この記事の監修者

takagi shinobu

髙木 忍(たかぎ しのぶ)

株式会社シーユーシー・ホスピス|第2運営部 首都圏第一 ケアディレクター

プロフィール

県立看護学校を卒業後、病棟看護師として勤務。その後、医療法人にて看護部長を務めた後、2019年にCUCホスピスの前身のエムスリーナースサポートへ入社。在宅ホスピス西上尾(現ReHOPE西上尾)の看護管理者を経て、現在は首都圏第一エリアの看護スーパーバイザーとして、看護の質向上と組織運営に取り組んでいる。

後天性免疫不全症候群(エイズ:AIDS)は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することで引き起こされる免疫機能の低下を特徴とする病気です。発見された40年ほど前は治療法がなく、「死の病」と呼ばれていました。

しかし、現在の医療技術では完全な治癒は難しいものの、早期発見と適切な治療により、多くの方が通常の日常生活を送ることができるようになっています。

本記事では、エイズの基礎知識から治療法、そして利用できる支援制度まで、患者本人とご家族に必要な情報を詳しく解説します。

後天性免疫不全症候群(エイズ)とは

エイズは、HIVの感染によって引き起こされる深刻な免疫不全の病気です。HIVは身体を守る免疫細胞であるTリンパ球やマクロファージ(CD4陽性細胞)に感染し、これらの細胞を破壊していきます。

HIVに感染しても、すぐにエイズを発症するわけではありません。しかし、治療せずに放置すると、徐々に免疫機能が低下し、日和見感染症(ひよりみかんせんしょう、健康な人ならほぼ病気にならないような弱い病原体によって引き起こされる。免疫力が低下した時にかかる。カンジダ症や帯状疱疹などがある)や、悪性腫瘍などを発症します。これら厚生労働省が指定する23の指標疾患のいずれかを発症した時点で、エイズと診断されます。

現代の医療では、HIVを体内から完全に排除することはできませんが、早期発見により適切な服薬治療を開始することで、エイズの発症を防ぎ、免疫機能を維持することができます。その結果、普段どおり通勤・通学し日常生活を送ることが可能になります。

参考:厚生労働省|後天性免疫不全症候群

感染の原因

HIVの感染経路は主に「性的接触」「血液感染」「母子感染(垂直感染)」の3つです。

性的接触による感染では、粘膜や傷から体内にウイルスが侵入することで感染が成立します。感染予防にはコンドームの正しい使用が重要です。

血液感染については、かつては輸血による感染が問題でしたが、現在は献血血液の厳格な検査体制により、そのリスクは極めて低くなっています。

母子感染(垂直感染)は、妊娠中・出産時・授乳時に起こる可能性がありますが、適切な予防措置により感染リスクを1%未満に抑えることができます。具体的には、妊娠中の抗HIV薬投与、帝王切開での出産、人工乳による養育などの対策が有効です。

なお、HIVは感染力の弱いウイルスで、日常的な接触(握手、くしゃみ・せき、食べ物や食器の共有など)、蚊やその他の虫を介して感染することはありません。

参考:IASR HIV/AIDS 2023年/NIID国立感染症研究所

後天性免疫不全症候群(エイズ)の症状

HIV感染症の症状は、初期から発症期まで段階的に変化していきます。

感染初期の特徴と症状

HIV感染後の初期段階は「急性期」と呼ばれ、感染から2〜4週間後に症状が現れることがあります。主な症状には、38〜39度の発熱、のどの痛み、全身のだるさ、リンパ節の腫れ、発疹、関節や筋肉の痛み、頭痛などがあります。これらの症状は一般的な風邪やインフルエンザに似ているため、HIV感染に気付かないことも多くあります。

症状は体内の免疫応答により、通常1〜2週間程度で自然に治まりますが、この時期は他者への感染力も強いため、心当たりがある場合は医療機関での検査を受けることが推奨されます。

無症候期の特徴と症状

HIV感染症の急性期症状が落ち着くと、「無症候期」と呼ばれる時期に入ります。この期間は個人差が大きく、数年から10年以上続くこともありますが、感染後に比較的短期間でエイズを発症する例もあります。

無症候期は一見健康に見える時期ですが、体内では1日約100億個ものHIVが増殖を続けており、Tリンパ球は平均2日で死滅していきます。通常、健康な人の血液1μl(マイクロリットル)中には700~1500個存在するTリンパ球が、200個未満まで減少すると後天性免疫不全症候群(エイズ)を発症し、健康な人では通常かかりにくい日和見感染症を発症するリスクが高まります。

この時期、多くの人は無症状ですが、一部の人に以下のような症状が現れることがあります。

  • リンパ節の腫れ(首・脇の下・足の付け根など)
  • 口腔カンジダ症
  • 帯状疱疹
  • 原因不明の発熱や寝汗
  • 持続する下痢
  • 急激な体重減少
  • 強い疲労感

これらの症状が出現した場合、早期発見・早期治療することでエイズ発症を防ぐことができます。そのため、無症候期に治療を開始すれば命の危険を回避できるといえるでしょう。

エイズ発症期でみられる疾患

免疫機能が著しく低下すると、さまざまな日和見感染症や悪性腫瘍を発症し、これらの疾患のうち、厚生労働省が定める23の指標疾患のいずれかを発症した場合に「エイズ発症」と定義されます。主な指標疾患は以下のように分類されます。

真菌症 1.カンジダ症(食道、気管、気管支、肺)

2.クリプトコッカス症(肺以外)

3.コクシジオイデス症(全身播種、または肺、頚部、肺門リンパ節以外)

4.ヒストプラズマ症(全身播種、または肺、頚部、肺門リンパ節以外)

5.ニューモシスチス肺炎

原虫症感染症 6.トキソプラズマ症(生後1か月以後)

7.クリプトスポリジウム症(1か月以上続く下痢を伴う)

8.イソスポラ症(1か月以上続く下痢を伴う)

細菌感染症 9.化膿性細菌感染症(13歳未満で、ヘモフィルス、連鎖球菌などの化膿性細菌により以下のいずれかが2年以内に、2つ以上多発あるいは繰り返しておこったもの)

・敗血症肺炎、髄膜炎、骨関節炎、中耳・皮膚粘膜以外の部や深在臓器の膿瘍

10.サルモネラ菌血症(再発を繰り返すもので、チフス菌によるものを除く)

11.活動性結核( 肺結核または肺外結核)

※肺結核については、HIVによる免疫不全を示唆する症状または所見がみられる場合に限る

12.非結核性抗酸菌症(全身播種、または肺、頚部、肺門リンパ節以外)

ウイルス感染症 13.サイトメガロウイルス感染症(生後1か月以後で、肝、脾、リンパ節以外)

14.単純ヘルペスウイルス感染症(1か月以上継続する粘膜、皮膚の潰瘍を呈するもの/生後1か月以後で気管支炎、肺炎、食道炎を併発するもの)

15.進行性多巣性白質脳症

悪性腫瘍 16.カポジ肉腫

17.原発性脳リンパ腫

18.非ホジキンリンパ腫腫(大細胞型・免疫芽球型、Burkitt型)

19.浸潤性子宮頸がん(HIVによる免疫不全を示唆する症状または所見がみられる場合に限る)

その他 20.反復性肺炎

21.リンパ性間質性肺炎/肺リンパ過形成:LIP/PLH complex(13歳未満)

22.HIV脳症(認知症または亜急性脳炎)

23.HIV消耗性症候群(全身衰弱またはスリム病)

参考:
HIV/AIDS先端医療開発センター|HIV陽性者やその支援をしているみなさんへ  あなたに知ってほしいこと(第19版)
北海道HIV/AIDS情報|HIVとエイズについて

後天性免疫不全症候群(エイズ)に必要な治療

エイズの治療において早期発見は極めて重要です。HIV感染者の3割がエイズ発症後に感染が判明する現状があり、発症後の治療効果は発症前と比べて低下します。早期発見できれば、適切な時期に治療を開始でき、生活の質の維持と予後の改善につながります。

感染初期~無症候期の治療

HIV感染が判明した場合、できるだけ早期に抗HIV薬による治療を開始することが推奨されています。現在のHIV治療では、1日1回1錠(3〜4種類の薬剤を含む配合錠)の服用で、血液中のHIVを極めて少ない量まで減らすことができます。HIVは完全には排除できませんが、通常の検査では見つけられないほどの少量まで減少させることができ、この状態を維持することで、健康的な生活を送れます。

治療効果を維持するためには、以下の点が重要です。

  • 医師の指示どおりに確実に抗HIV薬の服薬を継続すること(飲み忘れを防ぐ工夫が必要)
  • 決められた時間に服用すること
  • 服薬を中断しないこと(耐性ウイルスの出現を防ぐため)
  • CD4細胞数(血液中の陽性リンパ球の数)や血中ウイルス量のモニタリング
  • 肝機能・腎機能などの一般的な健康状態の確認
  • 合併症を早期に発見するための検査

早期から適切な治療を開始し継続することで、エイズ関連の合併症が発症するリスクを低減し、健康的な生活を長く送ることができます。

エイズ発症期の治療

エイズを発症すると、免疫機能の著しい低下により、さまざまな日和見感染症や悪性腫瘍などの合併症が発生します。合併症とその治療法には、代表的なものとして以下があります。

合併症 治療法
ニューモシスチス肺炎 ST合剤(抗菌薬)による治療を実施

重症例では人工呼吸器管理が必要

必要に応じてステロイド薬の併用

サイトメガロウイルス感染症 抗ウイルス薬による治療

CMV高力価免疫グロブリン製剤(点滴により投与する免疫向上のための薬)の使用

カポジ肉腫 服薬による抗HIV療法(ART)が基本

必要に応じて放射線療法や化学療法を実施

いずれの場合も、栄養状態の改善や全身状態の管理が重要で、必要に応じてチューブやカテーテルを使い、直接胃や腸に栄養剤を注入する経管栄養なども実施します。治療方針は、患者の状態や予後、副作用のリスクなどを総合的に評価して決定します。

エイズ末期の症状とケア

早期発見と適切な治療により、多くの方が通常の日常生活を送ることができるエイズですが、末期に至る患者も残念ながら存在します。エイズ末期では、さらなる免疫機能の低下により、複数の重篤な症状が出現します。日和見感染症の重症化や、持続する発熱、下痢による著しい体力低下が見られます。また、全身衰弱や、重度の呼吸困難も特徴的です。

このような状態では、食事や排泄といった日常生活動作(ADL)の著しい低下や、症状コントロールの困難さから、自宅での生活継続が難しくなります。特に24時間の医療ケアが必要となった場合や、家族による介護が困難となった場合には、入院医療が必要となります。

ケアの中心となるのは、鎮痛薬であるオピオイドなどを用いた症状の緩和と、血圧や脈拍などの全身状態の管理です。感染予防に十分な注意を払いながら、痛みの緩和など身体的苦痛を和らげることが重要です。同時に、ご本人とご家族への精神的・心理的サポートも欠かせません。

また、特に重要なのは、患者の意思表示が可能な段階で、終末期の治療方針について話し合っておくことです。延命治療の希望や最期を迎える場所の選択など、ご本人の意向を確認し、記録に残しておくことが推奨されます。

このような終末期のケアについては別記事「ターミナルケア(終末期医療)とは?人生の最期を穏やかに過ごすためのケア」で詳しく解説しています。

全身状態が比較的安定している場合は、在宅医療やホスピスケアへの移行も選択肢として検討します。ホスピスケアや在宅医療については以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。

【関連記事】
ホスピスとは?施設の特徴や病院との違い・対象者や費用について解説
在宅医療とは?受けられる治療とサービス内容を解説

HIV感染者の治療生活での注意点

HIV感染症の治療を受けながら、以下のような点に注意して生活することで、健康的な日常生活を送ることができます。

基本的な生活習慣

  • バランスの良い食事を心がけ、十分な栄養を摂取(特に免疫力が低下している時期は生ものを避け、十分な加熱調理を)
  • 適度な運動で体力維持(特に制限はなく、気分転換にもなります)
  • 十分な休養と睡眠をとり、ストレスをためない
  • 禁煙を心がけ、アルコールは控えめに
  • 定期的に体重や血圧をチェックし、生活習慣病の予防に努める

感染予防と衛生管理

  • こまめな手洗い・うがいを行う
  • 出血を伴うけがの場合は、できるだけ自分で手当てを行う
  • 他者に処置を依頼する場合は、手袋やビニール袋で保護する
  • ペットを飼う場合は衛生管理に特に注意を払う
  • インフルエンザなどのワクチン接種については、主治医に相談する

通常の社会生活(仕事・学業など)は継続可能で、特別な制限はありません。ただし、必要に応じて職場での配慮を申請し、体調に無理のない範囲で調整することが大切です。不安や心配事がある場合は、主治医や看護師など医療スタッフに相談することをお勧めします。

後天性免疫不全症候群(エイズ)の方が利用できる医療・介護サービス

エイズ末期の状態では、施設や病院に入院することができないのでは、と考える方もいるでしょう。ここではエイズを発症している方が利用できる主なサービスを紹介します。

居宅サービス

日常生活に支障がある場合は、訪問介護や訪問リハビリなどの居宅サービスを利用しましょう。これらのサービスを活用すれば、必要なサポートを受けながら、自宅での生活を続けることができます。

居宅サービスの一例は以下のとおりです。

  • 訪問看護
  • 訪問介護
  • 訪問リハビリ

訪問看護では、主治医と連携しながら健康管理や医療処置を行います。健康面だけでなく、精神面のケアも訪問看護の役割のひとつです。ご本人と社会との関わりや家族の生活など、周囲の関係者も含め安心して過ごせるようサポートします。

訪問介護では食事・入浴、排泄などの日常生活の介助、掃除や洗濯などの家事をサポートします。訪問リハビリテーションでは理学療法士や作業療法士により、身体機能の維持や回復を目的としたリハビリを行います。

詳しくは「訪問看護とは?サービスの内容や利用方法について解説」の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

施設サービス

病気の状態によってはご自宅での生活が難しくなる場合があり、入居型の施設を利用する選択肢があります。エイズ末期の方が利用できる施設には、緩和ケア病棟とホスピス型住宅の2つがあります。

緩和ケア病棟

緩和ケア病棟は、がんや苦痛の緩和が必要な方が入院する病棟で、専門的な緩和ケアを提供する医療施設です。医師、看護師、薬剤師、臨床心理士などの多職種による専門チームが24時間体制でケアを提供します。痛みや呼吸困難、吐き気などの身体的苦痛の緩和だけでなく、ご本人と家族への心理的サポートも行います。

一般病棟と異なり、より日常生活に近い環境が整備されているのが特徴です。共用のキッチンやラウンジを設置し、自分らしく過ごせるようくつろげる空間を提供しています。また、必要に応じてリハビリテーションも実施され、可能な限り患者の生活の質(QOL)を維持・向上させることを目指しています。

別記事「緩和ケア病棟とは?入院費用や期間、ホスピスとの違いなどについて解説」では緩和ケア病棟でのケア内容や入院までの流れなどを詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。

ホスピス型住宅

ホスピス型住宅とは、がん末期や神経難病など厚生労働大臣が定める疾病等の方に、ホスピスケアを行う入居型介護施設です。ご入居者さまの住まいとして、入浴や排泄、食事などの生活のサポートはもちろん、医療依存度の高い方のための専門的なケアを行います。

公的に制度化された施設形態ではないため、運営元によって 「ナーシングホーム」「医療特化型有料老人ホーム」「ホスピス住宅」「ホスピスホーム」とさまざまな呼称があります。当社では「ホスピス型住宅」と呼んでいます。ホスピス型住宅では、看護師や介護士が24時間体制で医療的ケアと生活支援を提供し、近隣の医療機関と密に連携しています。

また、ご本人が自分らしい生活を送れるよう、禁止事項やルールを減らし、自由度高く暮らせる点も特徴です。入居を検討する際は、ケアマネジャーやソーシャルワーカーに相談し、自身の状況に適した施設を選ぶことが重要です。

HIV陽性の方が利用できる公的支援制度

HIV感染が判明すると、医療費の負担を軽減するための以下の各種支援制度を利用することができます。

  • 高額療養費制度
  • 身体障害者手帳
  • 自立支援医療(更生医療)
  • 福祉医療費助成制度

制度が利用できる順序は、下記のような形になります。

HIV感染が判明した直後から

  • 高額療養費制度

身体障害者手帳の申請と取得、手帳取得後に利用可能

  •  自立支援医療(更生医療)
  •   福祉医療費助成制度

それぞれ詳しく説明します。

高額療養費制度

月ごとの医療費の自己負担額が高額になった場合に、一定額を超えた分が加入している健康保険から払い戻される制度です。自己負担限度額は年齢や所得に応じて設定されており、70歳未満と70歳以上で区分が異なります。

事前に健康保険組合に申請した限度額適用認定証、もしくは健康保険証の登録を行っているマイナンバーカードを医療機関の窓口に提示することで、月ごとの支払いを自己負担限度額まで抑えることができます。

70歳以上の方は、限度額認定証がなくても健康保険証と高齢者受給者証を窓口で提示することで、支払が自己負担限度額に抑えられます。

忘れた・紛失したなどで、診療時に限度額適用認定証を提示できない場合は、まず医療機関の窓口で請求された自己負担分を全額支払います。その後、加入している健康保険(協会けんぽや国民健康保険など)に「高額療養費支給申請書」を提出します。これにより、自己負担限度額を超えた分が払い戻されます。

なお、入院中の食費や保険適用外の費用(個室料、診断書料、おむつ代など)は本制度の対象外となります。制度の利用方法や詳細については、加入している健康保険の窓口に確認することをお勧めします。

身体障害者手帳

HIVによる免疫機能障害に対して、身体障害者手帳を取得できます。手帳の等級は、CD4値(血液中の陽性リンパ球の数)と症状によって1級から4級まで設定されており、以下のような基準で判定されます。

  • 1級:CD4値が200/μL未満で発熱や下痢が月に7日以上ある場合
  • 2級:CD4値が200/μL未満の場合
  • 3級:CD4値が200/μL以上400/μL未満の場合
  • 4級:CD4値が400/μL以上の場合

申請から交付までは通常1〜2か月程度かかるため、抗HIV療法の開始を見据えて早めの申請が推奨されます。

手帳を取得することで、医療費の助成や税制上の優遇措置、公共交通機関の運賃割引、障害者雇用枠での就労支援など、さまざまな支援を受けることができます。

出典:厚生労働省|身体障害者手帳

自立支援医療(更生医療)

自立支援医療は、身体障害者手帳を持つ方々を対象とした医療費助成制度です。HIV感染症の場合、抗HIV療法と日和見感染症の治療が対象となります。

医療費の自己負担は原則として1割で、所得に応じて月額の上限額が設定されています。生活保護受給者の場合でも、この制度が優先して適用されるため、必要な手続きを行う必要があります。

利用にあたっては、事前に申請を行い、自治体から指定を受けた医療機関、調剤薬局、訪問看護ステーションでのみ適用されます。また、受給者証には1年の有効期限があり、定期的な更新手続きが必要です。

出典:厚生労働省|自立支援医療

福祉医療費助成制度

各自治体が独自に実施している医療費助成制度で、保険診療の自己負担分、入院時の食事療養費、薬剤費、訪問看護利用料などが対象となります。自治体によって対象となる身体障害者手帳の等級や所得制限、自己負担額などの条件が異なります。

なお、医療費助成制度には優先順位が設定されており、自立支援医療(更生医療)は本制度より優先されます。ただし、自治体によっては両制度の併用が可能で、その場合は併用することで自己負担をさらに軽減できる可能性があります。お住まいの自治体のホームページなどで、具体的な条件や手続き方法を確認することをお勧めします。

まとめ

後天性免疫不全症候群(エイズ)とは、HIVの感染によって引き起こされる免疫不全の病気です。現代の医療技術では完全な治癒は難しいものの、早期発見と適切な治療により、多くの方が日常生活を維持することができます。ただし、定期的な通院や服薬管理が必要です。

また、身体障害者手帳の取得や各種医療費助成制度など、さまざまな公的支援を受けることが可能です。病状が進行した場合には、緩和ケア病棟やホスピス型住宅での専門的なケアも選択肢となります。

よくある質問

後天性免疫不全症候群(エイズ)とは?

エイズは、HIVの感染によって引き起こされる免疫不全の病気です。現代の医療技術では完全な治癒は難しいものの、早期発見と適切な治療により、多くの方が健康的な日常生活を送ることができます。

詳しくは本記事内「後天性免疫不全症候群(エイズ)とは」をご覧ください。

後天性免疫不全症候群(エイズ)の原因は?

感染経路は主に性的接触、血液感染、母子感染(垂直感染)の3つで、日常的な接触では感染しません。
詳しくは本記事内「感染の原因」をご覧ください。

後天性免疫不全症候群(エイズ)の主な症状は?

HIVに感染すると、初期には発熱やリンパ節の腫れなどの症状が現れることがありますが、その後無症候期に入ります。治療せずに放置すると免疫機能が低下し、様々な日和見感染症を発症します。
詳しくは本記事内「後天性免疫不全症候群(エイズ)の症状」をご覧ください。

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