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介護疲れの限界のサインとは?セルフチェックと今すぐできる対策法・サポートを紹介

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介護疲れの限界のサインとは?セルフチェックと今すぐできる対策法・サポートを紹介

この記事の監修者

羽田 有美(はだ ゆみ)

株式会社シーユーシー・ホスピス 運営企画部 運営企画T

プロフィール

1999年日本福祉大学社会福祉学部社会福祉学科卒業後、障害者支援施設を経て訪問介護事業所等で管理職として従事。2018年8月よりシーユーシー・ホスピスの前身エムスリーナースサポートにて新入職者向けの養成講座の外部講師として主に介護保険制度・障害者総合支援法に関する講義を担当。現在は運営企画部にて施設運営に関する事業課題や運営課題の設定、業務標準化や業務効率化を推進し、施設運営のサポートを行っている。


介護疲れとは、介護を続ける中で心身へ負担が重なり、慢性的な疲労感やイライラ、身体の不調などが現れる状態を指します。

介護は想像以上に身体的、精神的な負担が大きく「疲れている」と感じながらも、責任感から無理を続けてしまう方は少なくありません。

しかし、介護疲れを放置すると、気力低下や体調不良だけでなく、うつ状態や介護の継続が難しくなるなど深刻な問題につながる可能性があります。そのため、早い段階で自分の状態に気付き、適切に対処することが重要です。

本記事では、介護疲れの特徴やセルフチェック、具体的な対処法について解説しています。ぜひ最後までお読みください。

介護疲れはほとんどの介護者が経験する

介護疲れとは、介護者の疲労やストレスが少しずつ蓄積し、心身に不調が生じる状態を指します。誰にでも起こり得る、多くの介護者が経験する身近な問題です。

実際、2022年に発表された厚生労働省「国民生活基礎調査」では、介護をしている人の約7割が何かしらの悩みを抱えていると報告されています。多くの介護者が、不安や負担を感じながら日々の介護に向き合っている現状がうかがえます。

介護疲れにつながる主な要因には、以下のような理由が挙げられます。

介護疲れの主な要因

身体的な負担
  • 食事・排泄・入浴など、昼夜を問わない介助作業
  • 移動や体位変換の介助による慢性的な腰痛や肩こり
  • 夜間の見守りやトイレ介助による恒常的な睡眠不足
精神的な負担
  • 「いつまで続くのか」という先行きの見えない不安
  • 自分の時間が取れず、リフレッシュできないストレス
  • 悩みを相談できる相手がおらず、社会から孤立しているような孤独感
社会的・経済的な負担
  • 仕事と介護の両立が難しく、キャリアや収入へ影響が出ること
  • 介護費用や自身の老後資金に対する経済的な不安

終わりの見えない負担が重なり、介護者自身の心や体のバランスを崩してしまうのは、決して珍しいことではありません。気力の低下や感情のコントロールが難しい場合も、それは介護疲れのサインです。自分を責める必要はありません。

責任感が強い方ほど自分のことを後回しにして頑張ってしまう傾向があります。自身が倒れてしまう前に、まずは現在の状況を客観的に知ることが大切です。次のセルフチェックリストを使って現在の状況を振り返ってみましょう。

介護疲れの限界を見逃さないためのセルフチェックリスト

自治体や協会が作成している「介護者向けストレスチェック項目」を参考に、介護疲れのセルフチェックリストをまとめました。

現在のご自身の状態を振り返るきっかけにしてください。

介護ストレスのセルフチェックリスト

  • 介護は主に自分一人で行っている
  • 介護生活に終わりが見えず不安になる
  • 身近に相談できる人がいない
  • 自由な時間がない・遠出ができない
  • 介護により家事や仕事に支障が出ている
  • 被介護者とコミュニケーションがうまくとれない
  • 被介護者にイライラし、優しくできない
  • 睡眠不足
  • 好きなものや社会の出来事に興味がわかない
  • 疲れやすく食欲がない、体重が減った

いくつか当てはまる項目がある場合、介護疲れやストレスが心身に影響し始めているサインかもしれません。なるべく早めにケアマネジャーや自治体の相談窓口に相談しましょう。

外部の支援を早い段階で取り入れることで、介護疲れによる心身への悪影響を防ぎやすくなります。一人で抱え込まず、この機会に必要なサポートを検討してみてください。

出典:釧路市「介護をがんばりすぎない心の健康チェック」
出典:一般社団法人老人保健施設協会「ストレスチェックシート」

介護疲れの対処方法

介護は、実際に経験しないとわからない大変さや辛さがあります。そのため、日々の苦労や悩みを周囲に理解してもらえず、一人で抱え込んでしまう介護者も少なくありません。

介護疲れが深刻になる前に、生活環境や介護の進め方を見直すことが大切です。日常の中で取り入れやすい対処法を知っておくと、心身の負担を軽減しやすくなるでしょう。

介護を続けるうえで意識したい対処法を3点紹介します。

  • 自分にあったストレス発散方法を見つける
  • 介護から離れる時間を作る
  • 第三者に相談する

自分にあったストレス発散方法を見つける

まずは、忙しい中でもなるべく休息時間をつくることを心がけましょう。自分にあったストレス発散方法を日常生活に取り入れると、心身の疲労を和らげやすくなります。

たとえば、以下のようなストレス発散方法があります。

介護疲れにおすすめのストレス発散方法

  • 読書や音楽、映画鑑賞など、気持ちを落ち着かせる時間をつくる
  • アロマやヨガ、軽い体操など、心身をリラックスさせる習慣を取り入れる
  • 好きな趣味に触れる時間をつくる
  • ノートに自分の気持ちを吐き出す
  • 外出して友人と気分転換をする

大切なのは、短時間でも意識的に気分を切り替える時間を持つことです。可能であれば1つに限定せず、複数のストレス発散方法を持っておくと、その時の状況や気分に合わせて選べるのでおすすめです。

介護から離れる時間をつくる

介護から離れる時間をつくることも介護疲れに効果的な方法です。介護に向き合う時間が長くなるほど、心身の緊張状態が続き、気持ちに余裕がなくなります。被介護者の状態に気を配ることは大切ですが、介護者自身の状態に目を向けることも忘れないようにしましょう。

たとえば、訪問介護の利用やショートステイを取り入れることで、介護者が休める時間がつくれます。また、介護中にイライラしてしまった時は、無理に我慢せずに一旦距離を置くことも大切です。

別の部屋に移動する、近所を短時間散歩するなど、少し環境を変えるだけでも気持ちを落ち着かせやすくなります。

介護から離れる時間をつくるのは、決して責任放棄ではありません。介護を無理なく続けていくために必要な対策のひとつです。

第三者に相談する

介護の悩みや負担を一人で抱え続けていると、孤独感が強まり、心身ともに疲弊しやすくなります。まずは、友人や家族など身近な人に相談してみましょう。話すだけで気持ちが整理され、心が軽くなることがあります。

身近に相談できる相手がいない場合や、より専門的なアドバイスが欲しい時には、ケアマネジャーや地域包括支援センターの相談窓口を活用してください。保健師や社会福祉士などの専門職に悩みや不安を伝えることで、利用できる制度や今後の介護方針について、具体的な対策を提案してくれます。

また、職場や介護に直接関わっていない家族にも介護の状況を伝えることも大切です。事前に伝えておくことで、勤務調整や仕事量など理解を得やすくなる場合があります。

「介護に疲れていない」「まだ相談するほどではない」と感じていても、気づかないうちに負担を抱えていることもあります。早めに現状を共有し、一人で抱え込まない環境を整えていきましょう。

介護の負担を少しでも減らすには

介護の疲れを溜めないためには、ストレス発散や距離の取り方も大切ですが、介護そのものの負担の軽減も欠かせません。

介護疲れの背景には、主に経済的・身体的・精神的な負担があります。支援制度や介護サービスを適切に活用することで、介護者が感じる負担を抑えることができるでしょう。

経済的負担を減らす

介護では、介護サービスの利用料や通院費、介護用品の購入など、さまざまな費用が発生します。また、介護のための勤務時間の短縮や離職によって、収入が減少するケースもあります。

介護が長期化するほど出費は増えやすく、経済的な負担を感じる介護者も少なくありません。こうした状況を支えるため、国や自治体では介護者の経済的な負担を軽減する制度を設けています。

介護者が利用できる以下の代表的な制度について解説します。

  • 介護休業制度を利用する
  • 自治体の給付金を受ける

介護休業制度を利用する

介護休業制度は、家族の介護のため一定期間仕事を休むことができる制度です。

主なポイントは以下のとおりです。

介護休業制度を利用する際の気を付けるポイント

  • 対象家族1人につき通算93日まで、最大3回にわけて取得可能
  • 2週間以上の常時介護が必要な状態が対象
  • 休業開始予定日の2週間前までに事業主へ申請が必要

また、雇用保険の被保険者で一定の条件を満たす場合は、介護休業給付金が支給されます。給付額は「休業開始時の賃金日額 × 支給日数 × 67%」で計算されます。

なお、この制度は自分が介護を行うためではなく、仕事と介護を両立できる体制を整えるための準備を目的としています。自治体やケアマネジャーへの相談や介護サービスの手配などに活用しましょう。

制度の詳細や申請については、勤務先やハローワークに確認してください。

出典:厚生労働省「介護休業制度特設サイト」

自治体の給付金を受ける

自治体によっては独自に介護支援を行っている地域もあります。ここでは代表的な支援制度を紹介します。

家族介護慰労金

要介護状態の家族を長期間在宅で介護している場合、要介護者に慰労金が支給される制度です。

1年以上、デイサービスなどの介護保険サービスを利用せずに介護を続けている非課税世帯や、被介護者が要介護4または5の状態など、各自治体により支給条件が異なります。支給額は年間10万円前後です。

高額介護サービス費

デイサービスや訪問介護などの介護サービスを利用した際、1ヶ月の負担額が上限額を超えた場合に超過分が払い戻される制度です。

上限額は所得に応じて異なります。また、福祉用具の購入費や住宅改修費など、自治体によっては対象外としている費用もあるため、詳細はお住まいの自治体に確認しましょう。

高額医療・高額介護合算療養費制度

医療保険と介護保険の1年間の自己負担額が高額になった場合、申請により一部が払い戻される制度です。自己負担額の上限は所得によって異なり、国民健康保険や被用者保険、後期高齢者医療制度を利用する方が対象になります。

自治体によっては上記の制度以外にも、オムツの負担軽減制度や住宅改修費の給付など、独自の支援を行っている場合があります。利用できる制度を見逃さないためにも、早めに情報収集を行い、お住まいの自治体窓口に確認しましょう。

出典:世田谷区「家族介護慰労金の支給」
出典:国税庁「高額介護(居宅支援)サービス費」
出典:厚生労働省「高額医療・高額介護合算療養費制度」

精神的・身体的負担を減らす

介護では、介護者の精神的・身体的な負担も大きくなりがちです。慢性的な疲労感、睡眠不足、介助による肩こりや腰痛に加え、ストレスや不安感が続くことで心身の不調をきたす可能性もあります。

介護を一人や家族だけで抱え込まず、行政や民間の介護サービスなど、外部の支援を取り入れることが大切です。介護者の負担を軽くするために、以下の方法を検討してみましょう。

介護者の負担を軽くする方法

  • 福祉用具をレンタルする
  • デイサービスやショートステイを利用する
  • 訪問介護を利用する
  • 介護施設に入居する

福祉用具をレンタルする

福祉用具とは、日常生活に支障がある方の動作や生活を補助するための用具や器具です。

たとえば、被介護者の動線に手すりを設置すると転倒予防や自立支援につながるだけでなく、移動時の支えが最小限になり、介護者の負担も軽減できます。

レンタルの対象となる福祉用具は以下のとおりです。

レンタルできる福祉用具の例

  • 車椅子
  • 歩行器・歩行補助杖
  • 介護ベッド
  • 手すり
  • スロープ
  • 床ずれ防止用具
  • 体位変換器
  • 移動用リフト
  • 認知症徘徊感知機器  など

対象となる福祉用具は、介護保険が適用され、原則1割負担でレンタルできます。福祉用具の販売・レンタル事業所には福祉用具専門相談員が在籍しており、必要な用具についてアドバイスを求めることも可能です。

なお、利用できる福祉用具の種類は、要介護度によって異なります。導入を検討する際は、担当のケアマネジャーや医師と相談しながら決めましょう。

出典:厚生労働省「介護保険における福祉用具」

デイサービスやショートステイを利用する

在宅介護は、昼夜問わず介護をしなければいけません。介護者の負担を分散する手段として、デイサービスとショートステイがあります。

デイサービス

日帰りで利用できる介護サービスです。入浴や食事、健康管理のほかに、レクリエーションや機能訓練を取り入れている施設もあります。自宅までの送迎があるので利用しやすく、日中の介護を任せることで、介護者は休息や家事、仕事の時間を確保しやすくなります。

ショートステイ

施設に短期間宿泊できるサービスです。連続して30日間利用でき、日常生活の支援や夜間の介護も職員が対応します。介護者がまとまった休息を取りたい時や、仕事や用事の都合がある場合にも活用できます。

どちらも介護保険が適用され、原則1割負担で利用できます。ただし、要介護度によって1日あたりの料金が異なるうえ、食費や日用品など自己負担が発生する場合もあるため、事前に確認しましょう。

無理なく介護を続けていくためにも、状況に応じてデイサービスやショートステイの利用を検討してみてください。

訪問介護を利用する

訪問介護は、介護スタッフが自宅に直接訪問し、日常生活の援助を行うサービスです。食事や入浴、排泄などの身体介護や、掃除や洗濯などの生活援助を受けることができます。

必要に応じて取り入れることで、介護者の心身の負担軽減につながります。

ただし、庭の手入れやペットの散歩など、被介護者の生活に直接関係しない支援や専門的な医療ケアは対象外になるため注意してください。

また、介護保険により原則1割の自己負担額で利用できますが、要介護度によって利用限度額が異なります。利用回数や時間については、ケアマネジャーと相談しながら調整しましょう。

訪問介護については別記事「訪問介護とは?サービス内容や利用方法・手続きのしかたまでまとめて解説」でも詳しく解説しているのでご覧ください。

介護施設に入居する

在宅介護が長期化し、介護者が心身の負担を感じるようになったら、介護施設を利用する方法もあります。

施設への入居を検討する際、「もっと頑張るべきでないか」「見放してしまうのではないか」と迷いや罪悪感を抱く方も少なくありません。しかし、パーキンソン病やがん末期など介護量が多い状態が続けば、介護疲れを感じるのは自然なことです。

支援を受けることで、介護に追われる状況が軽減され、結果としてお互いの時間を穏やかに過ごせるケースもあります。

介護の形に正解はありません。介護疲れを抱えたまま無理を続けるのではなく、これからの時間をどう過ごしていきたいか考えることが大切です。施設への入居も、そのための選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

施設には、特別養護老人ホームやグループホーム、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホームなど、さまざまな種類があります。ご本人の状態や費用面など踏まえて検討するとよいでしょう。

老人ホームの種類や特徴について別記事「老人ホームの種類と特徴を比較!費用・介護度別の選び方」で解説しています。ぜひご覧ください。

まとめ

介護疲れは、特別な人だけに起こるものではありません。介護に真剣に向き合い、日々責任をもって取り組んできた多くの方が経験する、ごく自然な状態です。

介護を続ける中で、心身の負担は少しずつ積み重なっていきます。自覚がないまま限界を迎えてしまうこともあるため、早い段階からの対策が重要です。自分自身の状態を振り返り、状況に応じて積極的に外部の支援を取り入れましょう。

介護を支える側の生活や健康も、決して後回しにしてよいものではありません。一人で抱え込まず、利用できる制度やサービスを上手に活用しながら、無理のない形で介護と向き合っていきましょう。

よくある質問

介護疲れの特徴はどのようなものですか?

介護疲れの主な特徴に慢性的な疲労や睡眠不足、気力の低下などがあります。心身の不調により介護者自身が体調を崩し、うつ症状のリスクも高まります。詳しくは記事内介護疲れの限界を見逃さないためのセルフチェックリストをご覧ください。

介護疲れの対処法はなんですか?

休息やストレス発散の時間をつくることや一時的に介護から離れる時間を持つこと、第三者に相談することなどが挙げられます。具体的な対処法については記事内介護疲れの対処方法をご覧ください。

介護を解消するためにどのようなサポートが受けられますか?

国や自治体による介護休業制度や給付金、介護保険サービスなど、さまざまな支援が受けられます。介護サービスでは訪問介護や福祉用具のレンタルがあり、介護者と被介護者を支えるための仕組みが整っています。詳しくは介護の負担を少しでも減らすにはをご覧ください。

ReHOPEでは全国の施設で入居・見学を受け付けています

ReHOPEは、自宅に近い環境でその人らしい生活が続けられるように支援するホスピス型住宅です。医療・介護の専門スタッフが、24時間365日体制で安心できるケアを提供し、パーキンソン病やがん末期の方など、介護や医療依存度の高い方にも対応できる体制が整えられています。

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