ホスピス型住宅のReHOPE | ReHOPEだより | 希望を支える取り組み | ご入居者さまの希望を生み出す4つの価値:ReHOPEスタッフが語るエピソード
投稿日: 更新日:
「食べる」「挑戦する」「つながる」「四季を感じる」の4つの価値の提供を通して、ご入居者さまの希望を生み出しているReHOPE。それぞれの意義と各施設のエピソードをご紹介します。
食は、自分らしく生きるために欠かせません。ご状態に合わせながら、お好きなものを味わっていただくための工夫をしています。
日本酒が大好きで、銘柄や飲み方にこだわりがあったYさま。ある日、娘さまから「お酒を飲ませてあげたい」という要望がありました。誤嚥のリスクが高い状態でしたが、ご本人やご家族の要望に応えようと試行錯誤を始めました。Yさまは口の中の乾燥や汚染がひどく、痛みがあったため、まずは口腔ケアや保湿をすることに。
口の中の環境が整ったタイミングでご愛用の徳利とお猪口、お気に入りの銘柄の熱燗をご用意しました。お酒をスポンジに浸して口の中に含ませ、「日本酒の味は分かりますか?」と問いかけると、Yさまはしっかりと頷かれました。翌日は念願だった娘さま夫婦と3人で乾杯。翌日にご逝去されましたが、ご家族や私たちの心に残る乾杯となりました。
絵を描きたい、メイクをしたい、買い物をしたい。挑戦や楽しみを通して、ご入居者さまの生きがいを取り戻すお手伝いをします。
Uさまは、パーキンソン病を患いながらも、居室の飾りつけを楽しみにしながら過ごしていました。
しかし、病状の進行により動作が不安定になり、飾りつけの最中に転倒することが増えていきました。ご本人やご家族との話し合いの末、飾りつけを制限することに。一番の楽しみがなくなり、Uさまは元気をなくしてしまいました。
そこで、Uさまを元気づけるために、クリスマス会でダンスコーナーを企画しました。実はもともとダンス講師として活躍されていたUさま。大喜びで準備を始め、何度も練習を重ねました。
本番では、マイケル・ジャクソンの「BeatIt」を踊り、会場からは大きな歓声が。晴々とした表情を浮かべたUさまの姿を見て、ご本人の「挑戦の機会を大切にすること」の意義を実感しました。
ご入居者さまやご家族の「大切な人とつながりたい」という想い。ケアやレクリエーションを通して、その想いを実現しています。
入居時はひとりで排泄ができたものの、身体機能の衰えにともない、排泄が難しくなってしまったIさま。ベッドの横にポータブルトイレを置き、スタッフの介助の上で排泄をしていただくことになりました。
ある日、スタッフが介助をしていると、配偶者さまが「このままだと夫に何もしてあげられない。私も一緒に介護をしたい」と涙ながらにおっしゃいました。私たちはこの想いを尊重し、Iさまの介助をご家族と協力して行うことに。
病状の進行にともないオムツを着用することになったときには、オムツ交換の方法を配偶者さまにお伝えしました。後日「オムツ交換が上手にできるようになりました。みなさんのおかげです、ありがとう」とおっしゃった配偶者さま。その横で、Iさまも穏やかな表情を浮かべていらっしゃいました。
病状が進行しても移りゆく季節を感じていただくために、季節に合わせたお食事の提供やレクリエーションを実施しています。
2024年の夏、病気の影響で自由な外出が難しい方にも夏の風物詩をお届けするため、全国各地の施設で夏祭りが開催されました。
ReHOPE 松戸では、スタッフが木製のおみこしを担いで施設内を練り歩き、居室を訪問。施設内にはかき氷、焼きそば、チョコバナナ、射的、わなげといった屋台が並びました。
夕方には、座ったままでも楽しめる盆踊り大会を実施し、懐かしい歌謡曲とともに夏の風物詩を満喫できるひとときをご提供しました。ご入居者さまからは「昔の夏祭りによく行ったことを思い出して懐かしい気持ちになった」「孫が来てくれて、一緒に楽しい時間を過ごせて嬉しかった」といった感想が寄せられました。
日々の暮らしのなかで、季節を楽しんでいただく大切さを実感した一日でした。
私たちは、ステークホルダーのみなさまに経営方針や事業活動の成果・今後の方向性をお伝えするため、『活動レポート2024』を発行しました。
がん末期や難病のご入居者さまへのケアを進化させる取り組みや、施設のスタッフを支える仕組みを紹介、ご入居者さまとのエピソードなどを掲載しています。
※ より詳細なレポート内容はこちらからご覧ください。