ホスピス型住宅のReHOPE | ReHOPEだより | 希望を支える取り組み | 「もう一度、外出したい」その想いを実現!ReHOPE 墨田の葛飾柴又バスツアー
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2025年3月21日、ReHOPE 墨田ではご入居者さまをお連れするバスツアーを開催しました。
「もう一度、外へ出かけてみたいなあ」というご入居者さまの声を複数聞いていた施設長が、ついに一念発起して実現した企画です。
大型福祉バスを1台貸し切り、6名のご入居者さまと14名のスタッフ(医師、看護師、介護職、本部スタッフなど)を乗せて、いざ出発!
行き先は「男はつらいよ」の寅さんで有名な葛飾柴又です。
当日は大きなトラブルもなく、ご入居者さまは思い思いに観光を楽しんでおられました。
今回は、ReHOPEでも初の試みとなるバスツアーについて、当日の様子をお伝えします。
早春の風が心地よい朝。晴天にも恵まれ、期待が高まります。ご入居者さまおひとりにつき、看護師・介護スタッフがそれぞれ1名ずつ同行します。また、万が一に備えて連携先の医療機関(日本橋かきがら町クリニック)の医師も同行。吸引器など必要な医療器具も用意し、万全の体制で出発します。
ReHOPE 墨田から葛飾柴又までは、バスで片道30分ほど。車椅子ごと乗車できる福祉バスにリフトで乗り込みます。
バスの中では施設スタッフがガイドを務めます。この日、80歳のお誕生日を迎えたご入居者さまの「傘寿」お祝いも!
柴又駅に到着したら、まずは全員で記念撮影。今日が楽しい1日となりますように。
現地では約1時間半の自由行動。もちろんご入居者さまそれぞれにスタッフが付き添います。
まずは、400年の歴史を持つお寺「柴又帝釈天」にご挨拶という方も。寅さんはここで産湯に浸かったのだとか。
帝釈天では高さ約10m、幹回り約1.8mの大木で、天然記念物「瑞龍のマツ」が参拝客を迎えます
柴又駅と柴又帝釈天の間には、「柴又帝釈天門前参道商店街」があります。200mほどの参道に江戸時代から営業を続ける店舗が軒を連ね、川魚料理や草団子、せんべいといった名物料理を提供しています。下町風情あふれる景観に、思わず笑顔がこぼれます。
スタッフがお土産選びをお手伝い
お母さまへのお土産を選ぶご入居者さまも。「いつもはお土産をもらってばかりだから、今回は贈ることができて嬉しい」と仰っていました。
「母さんはどのお漬物が好みかなあ?」
寅さんの銅像とパチリ。このおしゃれな装いのご入居者さまは、現地でブティックに直行し、お洋服を選んでいらっしゃいました。
商店街には、寅さんを見送るさくらの銅像も立っています
せっかくの外出、お昼からビールを楽しむご入居者さまも。ReHOPEでは医師の許可が下りていれば飲酒も可能ですが、きっかけがないとなかなか飲む機会がないとのこと。現地では食べ物だけでなく飲み物も、スタッフが直接あるいはチャットなどを使い、医師に問題がないか確認をしました。
施設の看護師・介護スタッフ以外にも、医師・本社スタッフなどが同行しました
葛飾柴又に来たからには、やっぱりお団子や甘味を楽しみたい。しかし、飲食にはリスクも伴います。ご入居者さまそれぞれの居場所が離れているため、スタッフと医師が連携を取りながら、ご入居者さまを見守ります。
こちらは葛飾柴又名物の草団子も入ったお団子セット。「団子を食べるなんて、何年ぶりだろう」の声も。
「高木屋老舗」さんは、寅さんシリーズに欠かせない存在。店内には「男はつらいよ」の展示も
1時間半ほどの散策を終え、お昼前には無事に施設へ到着。久しぶりの外出がとても楽しかった、このツアーをきっかけに外出への意欲が湧いてきたという方や、嬉しさのあまり涙する方、ご家族に電話で報告をする方もいらっしゃいました。ご入居者さまそれぞれに、思い出に残る体験ができたようです。
「ただいま!楽しかったよ」
ご家族にもご入居者さまにも大変好評だったバスツアー。当日参加したご入居者さまやスタッフ、企画者の施設長にイベントについて振り返ってもらいました。
N.Nさま
ReHOPE 墨田 ご入居者さま
柴又は昔映画で見たことはありましたが、行ったことがなく、想像していたよりずっと近代的で面白かったです。お寺も広くて驚きました。当日は先生や看護師さん、写真係の方も同行してくださり、安心して過ごせました。
現地ではビールも飲みたくなって先生に相談したところ、「いいですよ」と言っていただけて嬉しかったです。コーラやサイダーもありましたが、冷えたビールがとても美味しかったです。
私は普段あまり外出しないのですが、4年間の入居で今回が3回目の外出。外の空気を吸えるだけでも本当に嬉しかったです。食堂でよく見かける方々も楽しそうにしていて、それを見て私まで嬉しくなりました。
今でもバスツアーの話をよくしていて、今日も訪問介護の方に写真を見せました。今度はスカイツリーにも行きたいし、桜や買い物も楽しみたいと思っています。
R.Yさん
ReHOPE 墨田 介護職
80歳のお誕生日を迎えられたご入居者さまが、還暦祝いで着用されたという赤い洋服で参加されていたのがとても印象的でした。「こんなに祝ってもらえて嬉しい」と繰り返しお話しくださり、私たちも心温まる時間を共有することができました。
ツアー当日は天候にも恵まれ、移動距離や滞在時間、現地の広さも程よく、ご入居者さまの楽しそうなご様子を間近で見ることができたことが何よりの喜びでした。
終了後には「今度は買い物に行きたい」とご家族と相談されており、新たな希望が生まれていることを嬉しく思います。
川﨑 康裕さん
ReHOPE 墨田 施設長
今回の葛飾柴又バスツアーは、私が数年来温めてきたアイデアを実現した取り組みでした。ReHOPEに入居されている方々は健康面のリスクから外出が難しい方が多く、ご家族も外出をためらわれることが多い一方で、施設内では常にご入居者さまから「外出したい」というお声を聞いていました。「外へ行きたいという希望を叶えたい」という想いは、私自身が施設長を目指した原点でもあります。
実現にあたっては、施設から遠すぎず、混雑や足場の悪さによる負担が少ない場所として、柴又周辺を2回ほど下見し、綿密に準備を進めました。その甲斐もあって、当日は皆さんに楽しく過ごしていただけました。外の甘味処で味わうお団子やあんみつ、屋台で買って食べる揚げたてのコロッケなどは、施設での食事とはひと味違うものだったと思います。皆さんの笑顔を見て、嬉しさと安堵が湧いてきました。
このバスツアーが実現できたことは、私自身にとっても大きな自信となりました。ReHOPEの理念である「『前を向いて生きる』を支える。」ために、まだまだできることがある。これからもスタッフ一丸となって、ご入居者さま一人ひとりの「やりたいこと」を実現する取り組みを考えていきたいと思います。
全国でホスピス型住宅を展開しているReHOPEでは、重い疾患や障がいがあっても誰もが自分らしく、前を向いて生きられるように心をこめてご入居者さまの毎日に寄り添っています。
全国の施設でご入居を受け付けておりますので、見学のお申し込みやお問い合わせなど、お気軽にご相談ください。
より詳しい情報を知りたい方は、ReHOPEのWebサイトをぜひご覧ください。