ホスピス型住宅のReHOPE | ReHOPEだより | ReHOPEの理念 | 「食べることは生きる力」京都料亭とのコラボで生まれた介護食おせち開発秘話
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※本記事は、2025年2月に公開されたムービーの内容をもとにお作りしています。
ReHOPEでは「食べる」「挑戦する」「つながる」「四季を感じる」の4つをキーワードに、日々の暮らしの中で希望が再び生まれる機会を大切にしています。
がんや難病を患っていても、お正月はおめでたい気持ちで過ごしたい。季節を感じられる、美味しいおせちを食べることがご入居者さまの「前を向いて生きる」楽しみになれば。
そんな想いから、京都の料亭とコラボし、ReHOPEのご入居者さまに向けておせちを提供するプロジェクトが始まりました。
2024年7月。ReHOPE 京都南にて、スタッフが介護食の会席料理を試食。ご入居者さまが食べられるか・楽しんでいただけるかを、スタッフみんなで検討しました。
試食をしたスタッフからは、
「ちゃんと中に味が沁みている」
「舌でちゃんと潰せるし、口に繊維が残らない。風味はすごくいい」
など、さまざまな感想が出ていました。
今回ご協力いただいたのは、京都の老舗料亭「せんしょう」さん。
伝統的な京料理を提供し続ける一方で、近年は介護が必要な方向けに“やわらかい京料理”にも力を入れています。
せんしょうのおかみさんには、介護食に力を入れる理由がありました。
「嚥下の難しい方々向けに料理を作られているのは、どういった理由ですか?」
「(せんしょうのお客さまは)法要が多いんですね。亡くなられた方の配偶者さまが本当は来なくてはいけないのに、嚥下のご事情でお家でお留守番という方が多いことにまず気がつきました」
「なんとかその方を呼んでこられないか、一緒に食べられないかという想いはあったのですが、やり方がわからなくて。たまたま摂食嚥下障害と嚥下調整食の啓蒙活動を行っている『京滋摂食・嚥下を考える会』の方をとある企業からご紹介いただいて、そこから勉強したのがきっかけです」
そして、普段せんしょうさんが提供している介護食の調理場を見学させていただけることに。徹底した安全管理の追求には、安心して介護食を食べてもらいたいという、せんしょうさんの想いが詰まっていました。
誤嚥が起きないよう、食材は事前に下処理し、フィレ状態で運びます。そして、急冷凍ができる冷凍庫で保管します。
介護食でも食感や味を楽しめるように、ひとつひとつの食材や調理方法へのこだわりも。
「しいたけって、普通はミキサーにかけられないんですよ。硬くって。私たちのはすごく香りがいいんですよ。しいたけの皮もプリンみたいに溶けるんです」
こうした、せんしょうさんの介護食をつくる技術をもとに、ReHOPEではどんなおせちを提供すべきか、何度も話し合いを重ね、ReHOPEの特製おせちの試作品が完成。
ご入居者さまがおせちを食べ切れるよう、一品ずつの量を調整したり、とろみを調整できる出汁ジュレを添えたり。嚥下機能レベルに合わせた介護食でありながらおせちの味わいが楽しめるようにこだわりました。
お正月に向け、準備は進んでいきました。
「食べることは生きる力。生きる励みになることを期待して、私たちはその想いを込めて作っているつもりです」
2025年1月1日、ReHOPE 京都南、ReHOPE 京都太秦、ReHOPE 吹田、ReHOPE 仙台青葉の4施設にて、ご入居者さまにおせちを提供。おせちと共にお正月を楽しんでいただけるよう、提供スペースや配膳方法にもこだわりました。
「すごい!」
「美味しい」「美味しい?良かった!」
ご入居者さまの約9割が、アンケートでおせちの味に「満足」と回答。他の季節のイベントでも、会席料理を食べたいという声があがりました。
ご入居者さまのためにというスタッフの強い想いが実現させた、特別なお正月となりました。
今回の取り組みは、こちらから動画で観ることもできます。ぜひご覧ください。
これからもReHOPEは、ご入居者さまの「前を向いて生きる」を支えるため、スタッフ一同で知恵を振り絞り、安全を守りながら、美味しく食べる・四季を感じる取り組みを実現していきます。
全国でホスピス型住宅を展開しているReHOPEでは、重い疾患や障害があっても誰もが自分らしく、前を向いて生きられるように心をこめてご入居者さまの毎日に寄り添っています。
全国の施設でご入居を受け付けておりますので、見学のお申し込みやお問い合わせなど、お気軽にご相談ください。
より詳しい情報を知りたい方は、ReHOPEのWebサイトをぜひご覧ください。