ホスピス型住宅のReHOPE | ReHOPEだより | 希望を支える取り組み | 18歳の門出をホスピスで。施設と学校が紡いだ「手作りの卒業式」
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今年1月末ReHOPE 姫路にご入居された、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と共に歩む18歳のSさま。高校3年生であるSさまは、この春、晴れて卒業の日を迎えられました。
車いすの手配や医療的ケアの兼ね合いもあり、当初は学校での卒業式への参加は難しいとされていました。しかし、「なんとか卒業の節目をお祝いしたい」というご家族や学校の先生方、そして当施設スタッフの強い思いが重なり、施設内で「手作りの卒業式」を開催することとなりました。
今回は、施設と学校が一体となって作り上げた卒業式の様子をレポートします。
「施設で卒業式をやりませんか?」きっかけは、ReHOPE 姫路 サービス提供責任者からの提案でした。
施設入居後も「学校に行きたい」とずっと願ってきたSさま。通学の方法を模索しながらも、病状から叶わず、学校の先生方に週2〜3回施設にきてもらって授業を受けていました。
学校との繋がりをずっと大切にされてきたSさまに、卒業証書だけでも直接渡してあげられないか。そんな気持ちからの提案だったといいます。

卒業式当日、校長先生をはじめとする7名もの先生方が正装で駆けつけてくださいました。
同じ施設のご入居者さまも6名が参列。大きな拍手でSさまを迎えます。拍手とともに入場されるSさま。コサージュと折り紙で作られた蝶ネクタイを胸に、とっても嬉しそうな表情に。
手作りのペーパーフラワーや折り紙で飾られた会場には、正式な式次第が掲示され、入場から退場まできちんとした卒業式として執り行いました。


校長先生からの祝辞とともに卒業証書が手渡されると、会場は大きな拍手で包まれ、Sさまをはじめ会場に集まった皆が笑顔になりました。


式の中盤には、会場のモニターに高校の同級生からのビデオレターが上映されました。学校での思い出、「寂しいよ」という言葉、「大好き」という言葉、「ありがとう」という言葉。次々と同級生がSさまへのメッセージを伝えます。

最後は校庭での全員集合。その映像からSさまがクラスの皆に愛されていたことが伝わってきました。

画面越しに久しぶりに対面するクラスのみんなからのメッセージをじっと聞き入るSさま。

その後はSさまがスタッフと一緒に準備していた、大切な方々へのプレゼントの時間です。「先生へ」「お父さんへ」「おばあちゃんへ」それぞれの名前が書かれたスクラップブックを、Sさまが一人ひとりに手渡しました。


「ありがとうございました 先生」「ありがとう おとうさん」「ありがとう おばあちゃん」それぞれへの感謝の言葉が添えられたスクラップブックが贈られました。
式の終盤、会場に流れたのは「仰げば尊し」。ご入居者さまも歌詞カードを手に一緒に歌い、まるで保護者のように、Sさまの晴れ姿をあたたかな眼差しで見守ってくださる姿がありました。



ハーモニカで演奏してくださった方もいて、施設全体がひとつになってSさまの門出を祝いました。
ご家族や先生、スタッフ、他のご入居者さま、皆に見送られながらの卒業生退場。最後までSさまは笑顔でした。

式が終わったあと、中島施設長の提案で外に出て集合写真を撮ることに。「卒業式のあとはグラウンドで親や先生と写真をいっぱい撮る——そういう記憶があって、だったら外で撮りましょうと」
快晴の空の下、Sさまを囲んで笑顔で並びました。


中島 和也
ReHOPE 姫路 施設長
チーム全員で寄り添い、叶えたハレの日今回の卒業は、学校の先生方がとても前向きに動いてくださり、実現できました。当日は機材のトラブルで開始が30分ほど遅れる場面もありましたが、学校と施設が一体で動けたからこそ、無事に式を作り上げられたと思っています
式典のあと記念撮影を外でしたのですが、人工呼吸器と酸素濃縮器をつけたまま外出をするので、看護管理者が連携先のクリニックに相談をしたり、酸素ボンベを急ぎ手配したりもしました。スタッフのチームワークに、あらためて感謝しています。
Sさまは18歳でALSと診断され、不安から夜中にナースコールを鳴らされることがよくあります。でも、それはSさまが18歳という若さで病気と向き合っているからこそ。スタッフ全員がその背景を理解した上で寄り添っています。私が病室に入ると、Sさまがニヤッと笑ってくれることがあって。言葉はなくても、ちゃんと通じているものがあるんだなと感じます。
式の前日の夜、「明日卒業式やね、緊張するなあ」と声をかけたら、やっぱりニヤッと笑ってくれました。その顔が、今も頭に残っています。これからも、Sさまがここで笑っていられるように、スタッフ一同で関わり続けていきたいと思っています。
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