ホスピス型住宅のReHOPE | ReHOPEだより | 希望を支える取り組み | 食堂が、結婚式場に。「母にドレス姿を見せたい」を叶えたReHOPE郡山の人前式
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2026年1月吉日、ReHOPE 郡山の施設内にある食堂で、ご入居されているOさま(50代)の娘さまご夫婦の結婚式(人前式)が行われました。 難病を抱えるお母さまへ晴れ姿を見せたい、という娘さまの願いがどのようにして結婚式として実現したのか。当日の様子をご紹介します。
当日の朝、ReHOPE 郡山 1階の食堂には施設中から椅子が集められ、壁の掲示物が外され、いつもの食堂が少しずつ式場へと変わっていきました。Oさまのご親族含めて約12名が揃い、セレモニーが始まりました。
神経難病により運動機能が低下しているOさまは、ベッドに横になった状態で参列されました。それでも、新婦である娘さまの「最後の身支度」を整えるベールダウンは、配偶者さまとご親族に手を添えられる形でOさまが行いました。
お父さまとおばさまに手を添えていただき、娘さまの幸せを願うセレモニー「ベールダウン」が実施されました。
ドレス姿の娘さまが「ママ、きれい?」と声をかけると、涙を流しながら頷くOさま。
無事ベールダウンが終わり、結婚の誓いが交わされ、新郎新婦が抱き合うと会場に自然と拍手が起こりました。

スタッフも参列者の一員として式を見守り、惜しみない拍手を送りました。
式の間、ご主人がOさまの手をずっと握っていたのが印象的でした。
式のなかに、ひとつサプライズがありました。Oさまから娘さまへのお手紙です。
自らペンを握ることが難しいOさまのために、式の前、施設のスタッフが何度もそのもとを訪れ、わずかな口の動きを一文字ずつ言葉を拾い上げながら代筆した手紙が、お父さまの声で読み上げられました。

理学療法士のスタッフがOさまの口の動きを読み取り、代筆した手紙
結婚おめでとう。幸せになってね。結婚式、楽しみにしてたよ。いつもありがとう。
Oさまが、ご自身の言葉で娘さまに贈った祝福でした。

Oさまの娘さま より
最初は、母にドレス姿を見せるだけでいいと思っていました。式をするかどうか半年ほど迷っていたのですが、フォトスタジオのプランナーさんからの提案もあり、ReHOPEのスタッフの皆さんが「できますよ」と動いてくださって。
当日、日常の看護や介護業務が行われている中で、式の雰囲気を壊さないよう、スタッフさんがいつもの制服から黒のワンピースやスーツ姿に着替えてくださったことが印象に残っています。
一番驚いたのは、母からの手紙でした。わざわざ式に向けてReHOPEの理学療法士さんが口の動きを読み取って、母の言葉を形として残してくれたことが本当に嬉しかったです。夫も「今まで出た結婚式の中で一番感動した」と言っていました。
病気や事情があっても、晴れ姿を見てもらうことを諦めなくていい場所がある。同じような状況の方に、そのことを伝えたいと思っています。

ウェディングフォトスタジオさまより
ReiMei+(れいめいプラス)代表取締役 武山 令さま
当初は結婚式ではなく写真だけのご要望でしたが、ご家族の絆や施設の方々の熱意に触れるうち、ただ写真を撮るだけでなく、ご親族も来ていただくので「きちんとした挙式」を行いませんか?とご提案しました。
当日は、壁の掲示物や備品を隠し素敵な装飾を加えて「施設っぽさ」をなくす工夫をしつつ、プログラムはあえてシンプルに。一つひとつの場面で、ご家族が時間を噛みしめる「余韻」を大切にしました。ご家族も施設の方々も、全員が「同じ方向を向いて」祝福する温かい空気があり、結婚式の本来の意味を実感できる本当にかけがえのない時間でした。
ReHOPEさんが掲げる「『前を向いて生きる』を支える。」という理念は、私たちのスローガン「Life is fantastic」とも重なります。これからも応援しています。

ReHOPE 郡山 看護管理者より
ReHOPE 郡山 看護管理者 宇南山 江利子
準備のなかで一番気をつけていたのは、Oさまの体調管理です。Oさまは難病により車いすに20分以上座ると血圧が大きく下がってしまう状態で、式の間はギリギリまでベッドで過ごし、集合写真の瞬間だけ車椅子に移る形にしました。
当日は、気管切開部はドレスに合うスカーフで整え、吸引機などの医療機器も写真に映り込まないよう柱の裏側にそっと置いて、でもすぐ動ける状態にしておきました。ドレスアップしたOさまの姿は本当に綺麗でした。
今はナースコールも難しい状態ですが、意識はしっかりされていて、目線でのやり取りで気持ちを伝えてくださっています。ReHOPEには、ご自分のやりたいことを大切にしながら過ごしていただきたい。今回の式は、それを改めて感じさせてくれた出来事でした。
「病気だからできない」ではなく「どうすればできるか」を考える。
当日、新婦さまを見つめるOさまの涙や、スタッフが紡いだ一文字ずつの手紙は、「看護と介護の可能性」を再確認させてくれる大切な時間となりました。
私たちは、誰かの「生きたい」や「叶えたい」という願いに、これからも一番近くで寄り添い続けるチームでありたいと思っています。

全国でホスピス型住宅を展開しているReHOPEでは、重い疾患や障がいがあっても誰もが自分らしく、前を向いて生きられるように心をこめてご入居者さまの毎日に寄り添っています。
全国の施設でご入居を受け付けておりますので、見学のお申し込みやお問い合わせなど、お気軽にご相談ください。
より詳しい情報を知りたい方は、ReHOPEのWebサイトをぜひご覧ください。