INTERVIEW

介護職インタビュー

「ありがとう」「よろしくね」の言葉とともに とびきりの笑顔を引き出す仕事

ReHOPE 仙台青葉

介護職 千葉栄子

電気会社の事務職や、タクシー運転手、量販店での接客業を経験。出産、育児を経て、2016年に介護業界へ。病院や障害者支援施設、訪問ケアステーションで介護職を経験し、介護職員初任者研修の資格を取得。2021年3月にCUCホスピスに入社。現在は、ReHOPE仙台青葉の介護スタッフとして、ご入居者さまのケアを担当している。

父の死をきっかけに介護業界へご入居者さまに寄り添い、不安を取り除きたい

これまでのご経歴を教えてください。

量販店での接客業などを経て、結婚、出産を機に、しばらくは専業主婦として3人の子どもの子育てに専念していました。下の子が幼稚園に入園したタイミングで、仕事に復帰。もともと福祉関係の仕事に興味があり、選んだのが病院の介護職員です。ちょうどその頃、父が亡くなり、「最期に何もできなかった」という後悔があったことも、介護の世界に入るきっかけになりました。

病院や、その後に勤務した障害者支援施設、訪問ケアステーションなどで、これまで多くのお看取りの場面にも立ち会ってきました。ご家族から「最後まで本当にありがとう」と声を掛けていただいたときには、介護の仕事をやっていてよかったなと感じました。今も介護の仕事をしているのは、そうした喜びがあるからかもしれません。

なぜCUCホスピスに転職されたのですか?

入社前に働いていた障害者支援施設では、入居される方の人数が少なかったこともあり、「もっとたくさんの方たちと関わりを持ちたい」と思うようになりました。CUCホスピスには重度の病気の方たちがご入居されています。そうした方たちに寄り添うことで、不安や恐怖を少しでも取り除けるサポートができれば、と考えたのです。

それに、オープニングスタッフでの募集だったので、他のスタッフと一緒にスタートラインに立ち、団結しながら働いていけるところも魅力でしたね。

入社後のお仕事内容を教えてください。

ご入居者さまの身の回りのお世話全般をする仕事です。日々、決められているルートに沿ってお部屋を訪問し、食事や入浴、排泄、着替えなどをお手伝いします。日常生活を送る上での必要なサポートを提供しています。

コミュニケーションの大変さを痛感。丁寧に向き合い、心を開いてもらえるように

CUCホスピスで働く上でやりがいを感じる時は?

1日の始まりにご入居さまにご挨拶をすると、「今日もよろしくね」「頑張ってね」と声を掛けてもらえるんです。帰りがけに「次はいつ来るの?」と言われることもあり、私の訪問を楽しみにしてくださっているのだと嬉しくなります。

また、施設の秋まつりでは、レクリエーション係として「どうやったら楽しんでもらえるか」と案を練り、準備に試行錯誤しながら当日を迎えました。その日、ご入居者さまの普段とは違った笑顔や、声を出して笑っている姿を見ることができ、やりがいを感じると同時に、改めて介護の仕事に誇りが持てました。

楽しい時間を作り出すことができたんですね。

喜んでいただけて本当に嬉しかったです。やりがいを感じた瞬間は、他にもあります。ご入居者さまのご様子が「いつもと違う」と思い、すぐに看護師に報告したところ、急変に気付くことができました。幸い、命に別状はなかったのですが、駆け付けたご家族と対面し、お互いに安心されたようでした。普段からご入居者さまのことを見ていたからこそ、何気ない変化にも気付けたのだと思うと、気が引き締まる思いもありました。

CUCホスピスで働く上で大変だと感じる時は?

難病のALSの方や、人工呼吸器を使用されていて発声が難しいご入居者さまと意思疎通がうまくとれない時は、心苦しく感じます。筆談や文字盤などのツールを使って、お一人おひとりに合わせて対応しているのですが、対話に失敗してしまったことがあります。入居間もない方との、「読唇」という口の動きから言いたいことを読み取るコミュニケーションで、最初はなかなか読み取れず、クレームにつながることもありました。

でも、「分からないので何度も聞きますね」と正直に伝えたことで、次第に会話ができるようになったんです。質問の仕方にも工夫をしました。例えば、二者択一で答えやすいように「青魚は好きですか?きらいですか?」と聞きます。今では、私が訪問するたびに「どうもありがとう」と、とびきりの笑顔で言ってもらえるようになりました。

お会いして間もないご入居者さまに対しては、「その方の世界におじゃまさせていただく」という気持ちで、焦らず向き合っていきたいと思っています。

お互いにフォローし合える職場環境で最大限にチームワークを発揮する

今後、力を入れていきたいことを教えてください。

看護師にご入居者さまの異変を知らせたときにも感じましたが、ここは多職種での連携がとてもよくとれている職場だと思います。私も周りのみんなをサポートしながら、さらにチームワークを発揮できるように力を尽くしていきたいです。これまで多くの職場を経験してきましたが、働きやすさで一番大事なのは、良好な人間関係ではないでしょうか。スタッフ同士が声を掛け合い、お互いにフォローする。それが、仕事上での連携にもつながると思います。

また、私のモットーは、「“できるか・できないか”ではなく、“やるか・やらないか”で実行していく」こと。実行せずに後悔するよりも、たとえ失敗したとしても実行するほうが、次のステップに進むチャンスになるはずです。これからもその姿勢を貫いていきたいです。

どんな人と一緒に働きたいですか?

年齢や経験は問わず、チームワークを大切にする方と一緒に働きたいですね。入社された方に「ここで働いて良かった」と感じてもらえるように、私もサポートしていきたいです。そのためにも大切なのが、相手を否定せずに受け止め、良いところを見つけて引き出すことだと思っています。

今、一緒に働いているスタッフもそうですが、「人が好き」という人が多い気がします。その気持ちがあるからこそ、ご入居者さまを気遣い、感情に寄り添うことができるのです。「人が好き」な方には、きっとこの仕事が向いていると思いますので、ぜひ来ていただきたいですね。