ホスピスは生活保護受給中でも利用可能?費用や手続きのポイントも解説| ホスピス型住宅 ReHOPE(リホープ)
ホスピスの基礎知識

ホスピスは生活保護受給中でも利用可能?費用や手続きのポイントも解説

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この記事の監修者

杉浦紳吾(すぎうら しんご)

株式会社シーユーシー・ホスピス 運営本部 地域推進部 部長

プロフィール

2010年名古屋学院大学 人間健康学部 リハビリテーション学科卒業後、病院で7年間,
理学療法士として勤務。回復期病棟では脳血管疾患や整形疾患の理学療法業務を担当。その他、学会発表や論文を執筆。
2017年シーユーシー・ホスピスに入社後、訪問看護のリハビリ業務を1年経験し、施設長、エリアSVを経て開設支援チームとして新規拠点の立ち上げ支援を実施

生活保護を受給しているかどうかにかかわらず、入居条件を満たしている方が希望すれば、ホスピスの利用は可能です。ただし、利用には医療扶助や自治体の支援が関わるため、事前の手続きや条件の確認が重要です。

この記事では、生活保護受給者がホスピスを利用する際の注意点や費用などについて解説していきます。また、生活保護の申請とホスピスケアの併用に関する手続きも詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

なお、この記事では「ホスピス型住宅(介護施設型ホスピス)」と「緩和ケア病棟(病院型ホスピス)をホスピスと定義づけて紹介します。

ホスピスは生活保護受給者でも利用可能

生活保護を受給していても一定の条件を満たしていればホスピスを利用することは可能です。

緩和ケア病棟の場合

生活保護の「医療扶助」は、病気や怪我の治療にかかる費用を支給する制度です。緩和ケア病棟も医療行為の一環であるため、医療扶助の対象です。ただし、以下の条件を満たす必要があります。

  • 医師が緩和ケアの必要性を認める。
  • 病院や施設が医療扶助の取り扱いに対応している。

ホスピス型住宅の場合

介護施設型のホスピス型住宅は住宅型の住まいを提供しており、必要に応じて医療/介護のサービスが受けられます。生活保護を受けていても利用は可能です。
生活保護受給者の場合、介護保険の利用者負担分は「介護扶助」から支払われます。
また、医療行為を行う際に医療保険が適用される場合も、生活保護受給者は医療扶助によって費用がカバーされます。

生活保護を受けている人がホスピス利用にかかる費用

生活保護を受給している方は、国の生活保護制度に基づき以下の扶助によりホスピス利用にかかる費用が賄われますがこれを超える部分については、自己負担が必要です。

  • 住宅扶助:家賃
  • 生活扶助:衣食、その他暮らしに必要な費用
  • 医療扶助・介護扶助:医療や介護

緩和ケア病棟の場合

  • 差額ベッド代(緩和ケア病棟で個室や少人数部屋を希望する際の追加費用)
  • 特別なメニューや個別対応の費用(医師の指示がない場合)
  • 生活扶助の支給額を超える日用品などの費用

ホスピス型住宅の場合

  • 介護保険でカバーされない居住費や食費(ホスピス型住宅を利用する場合)
  • 介護保険適用外のサービス(例:美容サービス、マッサージ、外出時の付き添い)など
  • 病状管理や日常ケアに関連しない特別なリクエスト(例:娯楽施設の利用、アクティビティ)

生活保護を利用しない場合

生活保護を利用しない場合、目安の月額費用は以下の通りです。

(目安の月額費用)

以下は、高額療養費等の負担軽減制度を考慮しない金額です

  • 緩和ケア病棟:月額約27.5万円(※1)
  • ホスピス型住宅:月額約19.7万円(※2)

※1 緩和ケア病棟1にがん末期の方が入院したケース
※2 ホスピス型住宅にがん末期(要介護2)の方が入居したケース。また当社が運営するホスピス型住宅ReHOPEの一部施設の費用を参考にした目安の一例です

各費用の詳細と内訳は、以下の記事で解説しておりますのでこちらもあわせてご確認ください。

ホスピスとは。病院とホスピス型住宅の違い、ケア内容、費用を徹底解説

訪問看護とは?サービスの内容や利用方法について解説

生活保護受給者がホスピスを利用する際の注意点

生活保護受給者の方がホスピスを利用する際には、以下の点に注意しなければなりません。

  • 施設には人数定員がある
  • 生活保護受給者を受け入れていない施設もある
  • 受給額によっては十分なサービスが受けられない可能性がある

施設には人数定員がある

ホスピスを利用する場合、施設によって入院・入居できる人数に限りがあります。定員が20名ほどの施設もあれば100名ほどの施設もあるため、事前に定員数と空き状況は必ず確認するようにしましょう。

申し込みをしている人数が多い場合、希望する日に入居できない場合がありますので、申し込み状況についても事前に確認しておくことが重要です。

生活保護受給者の受け入れは行っていない施設もある

緩和ケア病棟では、生活保護を理由に入院を断られることはありませんが、
ホスピス型住宅によっては生活保護受給者の受け入れを行っていないケースがあります。

生活保護受給者の入居については、施設のホームページに記載されていることが多いので、事前に確認しておくのがおすすめです。また、実際に施設への見学に訪れた際には、生活保護を受けている旨をきちんと伝えるようにしましょう。

なお、当社が運営するホスピス型住宅 ReHOPEでは、生活保護受給者の方も受け入れております。

受給額によっては十分なサービスが受けられない可能性がある

上述したように、生活保護受給者は受給額の中からホスピスの入院・入居にかかる費用を支払います。そのため、受給額が少なければ最低限のサービスしか利用できず、満足いくような生活ができないかもしれません。

たとえば、個室の部屋が利用できなかったり、洗濯代行や寝具リースなどのサービスが利用できなかったりすることが考えられます。これらには追加費用が発生するため、生活保護の受給額を超えてしまう場合は利用できません。

生活保護の申請とホスピスケアの併用に関する手続き

生活保護を受給する場合は、まず申請の手続きを行う必要があります。生活保護の申請の流れは、以下のとおりです。

<生活保護の申請方法>

  1. 生活保護担当窓口に事前相談する
  2. 必要書類を用意して福祉事務所に申請する
  3. 申請が受理されたら生活保護を受給できる

なお、生活保護の受給額は基準に基づく最低生活費から収入を差し引いた額となります。受給中は収入状況を毎月申告する必要があるため、忘れないように気をつけてください。

生活保護を受給できたら、受給額内で利用できるホスピスを探しましょう。入院・入居の契約を行う際には、必ず生活保護を受けている旨をスタッフの方に伝えるようにしてください。

出典:厚生労働省「生活保護制度」

がん治療を受けている生活保護受給者はホスピスを使える?

生活保護を受けているホスピスを利用したいという方には、がん治療を行っている方もいるでしょう。がん治療を行っている生活保護受給者でも、ホスピスは利用できます。施設によって条件がある場合もありますが、基本的にがん治療を行っている生活保護受給者ということで、入院・入居が断られることはありません。

なお、がん治療中の患者が生活保護を受けるには以下のような条件があります。

<がん治療中の患者が生活保護を受ける条件>

高額療養費制度をはじめとする経済面の負担を軽減する国の制度を利用しても、生活費が生活保護法で規定する最低生活費に満たない場合

参考:厚生労働省「仕事とがん治療の両立 お役立ちノート

最低生活費は、生活保護希望者の世帯人数や居住地域によって異なります。詳しくは厚生労働省が公開している「最低生活費の算出方法」をご覧ください。

生活保護は、がん治療が完治するまで受けることができるので、生活に困っているという方は、管轄の福祉事務所に相談するようにしましょう。

まとめ

ホスピスは、生活保護を受けている方でも利用できる施設です。生活保護の受給額内であれば寝食の生活サポートが受けられるため、ホスピスに入りたいと希望している方も多いでしょう。

生活保護を受けているからといって断られることは基本的にありませんが、施設によってサービスの内容が最低限になったり、そもそも受け入れてもらえなかったりする可能性もあるため、事前に見学や相談を行うなどしてきちんと確認しましょう。

よくある質問

ホスピスは生活保護を受けている人でも利用できる?

ホスピスは、生活保護を受けている人でも利用可能です。ただし、受けられるサービスは生活保護の受給額内に限られるため、ご注意ください。なお、生活保護受給者は、医療扶助や介護扶助により医療費や介護費の負担がありません。詳しくは記事内「ホスピスは生活保護受給者でも利用可能」をご覧ください。

生活保護受給者がホスピスに支払う費用はいくらですか?

生活保護受給者は、生活を送るうえで最低限必要となる費用が生活保護制度によって補助されます。そのため、生活費などを除いた基本的なホスピス利用(医療費や介護費)の自己負担はありません。ただし、差額ベッド代や介護保険外となる居住費や食費などについては自己負担が必要です。詳しくは記事内「生活保護を受けている人がホスピスを利用するのにかかる費用」をご覧ください。

ホスピス型住宅ReHOPEでは生活保護申請中の入居が可能です

当社が運営するホスピス型住宅ReHOPEでは、生活保護を申請中の方もご利用いただくことが可能です。ReHOPEは、看護師や介護職が常駐しているため、質の高いサービスが受けられることはもちろん、病院型のホスピス(緩和ケア病棟)と比べて自由度の高い生活環境が特徴的です。

常駐スタッフが日常生活のサポートから医療ケアまで、一人ひとりに寄り添ったケアを行うことはもちろん、地域の医療機関や多職種と連携して行う心身のケアなど、総合的なサービスを提供しています。

ご入居をお考えの方には見学案内も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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