ホスピス型住宅のReHOPE | ReHOPEマガジン | ホスピスの基礎知識 | ホスピスケアとは?対象者やターミナルケアとの違いについて解説
投稿日: 更新日:
この記事の監修者
織田 忠生(おだ ただお)
株式会社シーユーシー・ホスピス 運営部 首都圏第二エリア 看護SV
プロフィール
看護学校卒業後、精神科病棟、循環器病棟で勤務。2019年シーユーシー・ホスピスに入社しホスピスケアに従事。ReHOPE保土ヶ谷で看護管理者となり、その後3拠点で管理者を経験し、現在は看護SVとして施設運営や管理者のサポートをしている。
ホスピスケアは、余命が近づいている終末期に近い患者さまに対して提供される緩和ケアのひとつの形態です。本記事では、緩和ケアやターミナルケアとの違いやホスピスケアの対象となる方、施設の探し方について解説します。
ホスピスケアとは、その人がその人らしい生をまっとうすることができるように援助することを指します。ホスピスはそのホスピスケアを提供する施設です。
(ホスピス緩和ケア協会『ホスピスってなあに』より)
身体的なケアだけでなく、精神的、社会的なサポートも含めた全人的なケアを行います。患者さまとそのご家族を中心に、医師や看護師、ボランティアなどの専門家がチームとなってケアを行います。
具体的には、呼吸困難時に酸素吸入を行ったり、痛みのコントロールや食事、入浴などの生活の介助をしたりして、日々を穏やかに過ごすための支援をしています。
緩和ケアは、病気の進行度に関係なく、疾患に苦しむ患者さま全般に対して、痛みや症状を軽減する目的で行われます。緩和ケアは、がん治療などの治療と並行して行われることもあります。
ターミナルケアやホスピスケアは緩和ケアの一種で、主に末期がんや重症疾患の治癒が望めない終末期の段階で提供されます。
ターミナルケアは直訳すると「終末期医療」という意味です。つまり、残された日々を穏やかに過ごすことを目的としています。延命治療はせず、身体の痛みや苦しみを取り除き、安らかに最期を迎えるサポートを行います。
病気による心身の苦痛を和らげることを目的とする点はホスピスケアと同じですが、ケアの開始時期や内容、対象疾患などに違いがあります。
ターミナルケア | ホスピスケア | |
---|---|---|
目的 | 残された日々を穏やかに過ごす | 全人的なケア(総合医療) |
対象疾患 | さまざまな疾患 | がん、エイズなど |
年齢層 | 高齢者が多い | 年齢問わず |
ケアの開始時期 | 死に至ることを前提に治療方針を決める時期から | 余命が近づいたタイミングから |
ターミナルケアについて詳しく知りたい方は別記事「ターミナルケア(終末期医療)とは?人生の最期を穏やかに過ごすためのケア」をご覧ください。
参考:
公益社団法人 全日本病院協会「_終末期医療に関するガイドライン」
厚生労働省「_人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」
ホスピスケアの対象となるのは、医療の効果が見込めない状況で終末期を迎えた方です。公的に定義された対象条件はなく、がん末期や後天性免疫不全症候群(エイズ)などを中心に、幅広い疾患の方が対象となります。
なお、ホスピス型住宅においてホスピスケアを行っているReHOPEでは、がん末期のほか、「厚生労働大臣が定める疾病等 別表第七」に該当する神経難病の方など、医療依存度の高い方を受け入れています。詳しくは「ご提供可能な看護介護サービス | ReHOPE」をご覧ください。
ホスピスケアは、かかりつけ医との連携が必要になるので、まずはかかりつけ医へホスピスケアを受けたい旨を相談しましょう。
すでに担当のケアマネジャーやソーシャルワーカーがいる場合は、担当の方と相談し、ホスピスケアを受けられる施設を探します。
担当のケアマネジャーやソーシャルワーカーがいない場合は、地域の以下のような場所に直接問い合わせることでホスピスケアを行う施設を探すことができます。
がん相談支援センターは、全国のがん診療連携拠点病院や小児がん拠点病院などに設置されているがんに関する相談支援を行う窓口です。かかりつけの病院にあれば、相談してみましょう。看護師やソーシャルワーカーが相談に乗ってくれます。
地域包括支援センターは全国に設置されている高齢者の健康面や生活全般に関する相談を受け付けている、地域に密着した総合相談窓口です。総合相談窓口なので、医療や介護など幅広く対応が可能です。ケアマネジャーや社会福祉士、保健師などの専門家が相談に乗ってくれます。
ホスピスケアの対象となるのは、医療の効果が見込めない状況で終末期を迎えた方です。公的に定義された対象条件はなく、がん末期や後天性免疫不全症候群(エイズ)などを中心に、幅広い疾患の方が対象となります。身体的なケアだけでなく、精神的、社会的なケアも含めた全人的なケアを行います。詳しくは「ホスピスケアとは」をご確認ください。
ホスピスケアと緩和ケアとの大きな違いはその目的です。ご本人の希望を最期まで可能な限り最大限叶えられるよう、さまざまなケアを行うホスピスケアに対し、緩和ケアは身体的・精神的な苦痛をコントロールし、QOLを向上させることを目的としています。
ReHOPEは、がん末期や難病を抱える方々を対象にしたホスピス型住宅です。
ホスピスケアに限らず、痛みや辛さを和らげる緩和ケアから自分らしい暮らしを支える生活支援、心理的・社会的サポートまで、幅広い難病ケアを提供しています。
医療・介護の専門スタッフが、24時間365日体制で安心できるケアを提供し、入居者が自分らしい生活を送れるようサポートしています。
常駐スタッフによる日常生活の支援から医療的なケアまで、それぞれのニーズに合わせたきめ細やかなサポートを受けられるのもReHOPEの特徴です。さらに、地域の医療機関や多職種との連携により、心と身体の両面に対する総合的なケアを実現しています。
入居をお考えの方には施設の見学も随時受け付けているので、お気軽にお問い合わせください。