ホスピス型住宅のReHOPE ｜ ホスピス・介護の基礎知識 ｜ 介護施設を知る ｜ 老人ホームの種類と特徴を比較！費用・介護度別の選び方
この記事の監修者
松尾 ゆき（まつお ゆき）
株式会社シーユーシー・ホスピス リスク・コンプライアンス室
プロフィール
2010年神戸大学大学院人間発達環境学研究科修了（修士）。広告会社での介護関連の業務を経て、2013年より介護事業会社での内部監査を担当。2021年シーユーシー・ホスピスに入社し内部監査部門を立ち上げ、内部監査、行政指導対応、社内向けの制度説明を担う。
老人ホームを探しているけれど、種類が多すぎてどの施設を選べばいいか迷うこともあるでしょう。老人ホームとは、高齢者が入居する施設の一般的な呼称です。老人ホームは主に介護が必要な方におすすめの施設と、自立度が高く介護をあまり必要としない方におすすめの施設の2種類に分けられます。
老人ホームを選択するときには、介護度や医療的ケアなどの必要性はもちろん、生活スタイルや費用面を含めて選択しなければなりません。
本記事では、老人ホームの種類と対応している介護度についてご紹介いたします。これから入居を検討している方はぜひ参考にしてください。
老人ホームとは、介護の要不要にかかわらず、高齢者が入居し生活できる施設をいいます。以下に、介護が必要な方におすすめの施設と、自立度が高く介護をあまり必要としない方におすすめの施設をまとめました。
介護が必要な方におすすめの施設には以下のようなものがあります。
また、自立度が高く介護をあまり必要としない方におすすめの施設には以下のような施設が挙げられます。
ここからは、これらの施設の特徴について解説します。
| 老人ホーム名 | 介護度（目安） | 看取り対応の有無 | 運営元 |
| 介護付き有料老人ホーム | 要介護1～ | 施設による | 民間企業/ 社会福祉法人 |
| 住宅型有料老人ホーム | 要支援1～ | 施設による | 民間企業/社会福祉法人 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 自立～ | 施設による | 民間企業 |
| グループホーム | 要支援2～ | 施設による | 民間企業/社会福祉法人 |
| 特別養護老人ホーム | 要介護3～ | あり | 地方自治体/社会福祉法人 |
| 介護老人保健施設 | 要介護1～ | あり | 国/地方自治体/医療法人/健康保険組合等の指定法人 |
| 介護医療院 | 要介護1～ | あり | 国/地方自治体/医療法人/健康保険組合等の指定法人 |
| 健康型有料老人ホーム | ～要支援まで | なし | 民間企業 |
| シニア向け分譲マンション | ～要支援まで
（施設による） |
施設による | 民間企業 |
| ケアハウス | ～要支援まで
（一般型の場合） |
なし | 地方公共団体/社会福祉法人/医療法人/公益法人 |
介護付き老人ホームとは、介護などのサービスがついている高齢者向けの施設です。24時間介護職員が常駐しており、施設内の職員によって介護サービスが提供されます。日中は看護師も常駐しており、必要に応じて看護サービスや医療サービスの利用も可能です。
食事・入浴・排せつをサポートする介護サービスのほかにも、リハビリやレクリエーションなどのサービスもあり、自立に向けた活動などのサポートもあります。
介護付き有料老人ホームの月額費用には居住費・食費・管理費などがあり、介護サービス費は、介護度に応じて自己負担分の1日単位の金額×日数＋加算費用が定額で請求されます。介護サービスをどれだけ使っても定額であるため、月々の予算を立てやすいといったメリットもあります。
住宅型有料老人ホームは生活支援サービスがついている老人ホームです。自立しているときから入居でき、介護が必要になれば外部の介護サービスを利用することで、施設をそのまま利用できます。
認知症の症状がある方でも入居できますが、介護度に関しては要介護度3を超えると対応できる施設に差が出てくるため、介護度が上がってきた場合には転居が必要になる場合もあります。
また、看護師が必ずいるわけではないため、医療的ケアが必要であれば外部の看護サービスを利用します。
月額費用には居住費・管理費・食費・水道光熱費が含まれます。介護付き有料老人ホームとは異なり、介護サービス費は定額ではなく利用した分の費用を支払います。そのため、介護度が低く介護サービスが不要であれば、その分費用を安く抑えられます。
なお、当社が運営するホスピス型住宅（※）のReHOPEも、こちらの住宅型有料老人ホームに該当します。併設している訪問看護・介護事業所から、医療的ケアやがん・難病に関する知識・経験のある職員が訪問し、施設と併設事業所が連携してケアに当たっています。
※がん末期や神経難病など医療的ケアが必要な方が、心身の苦痛を和らげながら穏やかに過ごすための施設です。24時間体制で医療・看護スタッフが常駐し、医療行為（点滴管理、酸素療法、褥瘡ケアなど）を受けられます。
住宅型有料老人ホーム（ホスピス型住宅）の詳細については、別記事「ホスピスとは？施設の特徴や病院との違い・対象者や費用について解説」をご覧ください。
サービス付き高齢者向け住宅は「サ高住」とも呼ばれる、バリアフリーの高齢者向け賃貸住宅です。サービス付き高齢者向け住宅では、安否確認や生活相談などのサービスが提供されているほか、介護サービス事業所を併設したり、介護や家事・食事の提供を行ったりする施設もあります。あくまでも「自宅」であるため自由度が高い生活をしたい方向けの施設です。
自立度が高い方や訪問型の介護サービスを利用する方に向けた一般型と、介護度が高い方や認知症の方に向けた介護型に分けられます。
サービス付き高齢者住宅には、日中は介護職員が配置されていますが、入居者本人の介護度が上がり、より手厚いサービスを利用したくなった場合には、近隣の訪問看護事業所や訪問介護事業所などと契約します。月額費用には、居住費・管理費・水道光熱費・基本サービス費（内容は施設ごとに異なる）が含まれます。ただし、介護サービスを利用した場合にはその費用が別途かかります。
なお、当社が運営するホスピス型住宅のうち、一部の施設はこちらのサービス付き高齢者向け住宅に該当します。
詳しくは別記事「サービス付き高齢者向け住宅とは?ホスピスや有料老人ホームとの違いについて解説」をご覧ください。
グループホームとは、認知症の症状がある方が5～9人程度のグループで共同生活を営む施設です。専門のスタッフが生活を支援するため、自立した生活を維持しながらでも安心して暮らすことができます。
自立した生活を営み、認知症の進行を遅らせることが目的であるため、基本的な家事を含めた日常生活は、職員の支援を受けながら各自ができることを行います。介護度が上がっても介護サービスを利用しながらそのまま施設を利用できます。ただし、グループホームでは共同生活が不可能になるほど自立度が下がった場合や、常時医療的ケアが必要になった場合には転居しなければならないこともあります。
グループホームの月額費用には居住費・食費・管理費、介護サービス費が含まれます。
特別養護老人ホーム（特養）は、要介護3以上の高齢者が対象となる公的介護施設で、低コストで長期利用が可能です。24時間体制で介護職員が常駐し、食事や入浴、排せつの介助など、日常生活の支援を受けられます。
公的施設のため費用は月額6万～15万円程度と比較的安く、月額費用には居住費・食費・管理費、介護サービス費が含まれます。さらに、看取り対応を行う施設も多く、最期まで安心して過ごせる環境が整っています。ただし、人気が高いため入居待ちが長く、都市部では数年待ちとなるケースも少なくありません。なお、入居の順番は、先着順ではなく介護の必要度によって決まります。
また、医療的ケアの提供には限りがあり、高度な治療が必要な場合は別の選択肢を検討する必要があります。特養を希望する場合は、早めの申し込みや他の施設との比較が重要です。
詳しくは別記事「特別養護老人ホームとは？サービス内容や入居条件、申し込みの流れを解説」をご覧ください。
介護老人保健施設は通称「老健」とも呼ばれ、入院していた高齢者の方が在宅復帰を目的として数カ月滞在するための施設です。あくまでも在宅復帰を目的としているため、リハビリを積極的に行いたい方に向いている施設です。
理学療法士や作業療法士が施設に常駐しており、より効果的にリハビリを進められます。在宅復帰が可能と判断されれば退去し、自宅または別の施設に転居します。
介護老人保健施設の費用には、居住費・食費・介護サービス費が含まれ、個室を利用する場合には別途費用がかかります。
介護医療院は、2018年に新設された施設で、要介護者のうち医療ニーズが高い方向けの施設です。経管栄養や痰の吸引など、日常的な医療的ケアはもちろん、看取りに関しても十分な対応ができるような体制になっています。
介護職員はもちろん、看護師や医師、薬剤師の常駐が義務付けられており、医療ニーズが高い方でも安心して生活できます。
介護医療院の月額費用には居住費・介護サービス費・食費が含まれており、そのほかに介護加算の対象になる介護費用には別途費用がかかります。
健康型有料老人ホームは、自立～要支援の方までを対象とした施設です。日常生活を自分で行うことに重点を置いているため、介護が必要になれば転居しなければなりません。
調理や掃除などの生活支援も提供されているため、一人暮らしに不安がある方や家事をせずにゆっくり安心して過ごすことができます。
健康型有料老人ホームの月額費用には、居住費・管理費・食費・その他の費用が含まれています。
シニア向け分譲マンションは、高齢者が安心して生活できるようにバリアフリー化された住宅です。プールやカラオケなどの娯楽設備や食事の提供、フロントによるサービス提供がされている施設もあります。
シニア向け分譲マンションは、サービス付き高齢者向け住宅とは異なり分譲住宅であるため、一部屋を購入することで入居が可能になります。
介護が必要になれば外部サービスを利用できる場合もありますが、介護度や認知症の症状が悪化した場合は、外部サービスの利用だけでは安心して生活できなくなる可能性もあるため注意しましょう。
シニア向け分譲マンションの月額費用には管理費や修繕維持費、サービス利用料などがかかります。マンションを購入する際にローンを組んだ場合、月々の返済費用も別途かかります。
ケアハウスとは、自立度が高い方向けの施設です。ケアハウスには一般型と介護型の2種類あり、一般型であれば介護度が上がってきた際に転居しなければなくなる可能性があります。
食事や洗濯などの生活支援が受けられるため、一人暮らしで家事を一人でこなすのが難しい方などがサービスを利用しながら生活できます。
ケアハウスの月額費用には、居住費・生活費（食費や共用部分の光熱費など）・サービス提供費（主に事務費、スタッフの被服費など）・介護サービス費などが主な内訳です。また、ケアハウスは公的施設であるため、費用を低く抑えられるだけでなく、低所得者向けの助成制度も利用できます。
老人ホームは介護の要否や費用、医療的ケアの有無などによって多種多様な施設があります。現在介護が不要でも、将来介護が必要になることなどを含めて入居する施設を検討しなくてはなりません。
また、がんや神経難病が進行したなどの理由で医療的ケアのニーズが高い方は「ホスピス型住宅」と呼ばれる施設への入居も検討してみましょう。ホスピス型住宅は、がん末期や神経難病など、医療的ケアが必要な方のための住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅のことを指します。
ReHOPEでは医療的ケアだけでなく介護サービスも提供しているため、病気の進行により介護や医療的ケアが24時間体制で必要になった方でも安心して生活することができます。
老人ホームは入居する方の現在の状態はもちろん、必要に応じて転居するのかなどについても含めてよく検討しましょう。
介護が必要な方におすすめの老人ホームには、以下のような種類があります。
詳しくは記事内「各施設の種類と特徴」をご覧ください。
自立している高齢者におすすめの老人ホームには、以下のような種類があります。
詳しくは記事内「各施設の種類と特徴」をご覧ください。
ReHOPEは、がん末期や難病の方々を対象にしたホスピス型住宅です。医療・介護の専門スタッフが、24時間365日体制で安心できるケアを提供し、ご入居者さまが自分らしい生活を送れるようサポートしています。
施設内はご入居者さまのご自宅。プライバシーが守られた空間で、日常生活の支援から医療的なケアまで、きめ細やかなサポートを受けられるのがReHOPEの特徴です。
「焼き魚を食べたい」「桜を見たい」といった日々の願いから、あきらめていた挑戦まで、一人ひとりの「やりたい」によりそいます。そして、知恵を振り絞り、安全を守りながら、ご本人やご家族とともに実現していきます。
入居をお考えの方には施設の見学も随時受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
