ホスピス型住宅のReHOPE | ホスピス・介護の基礎知識 | 病気を知る | 多発性硬化症とは?症状・利用できる医療・介護サービスをわかりやすく解説
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この記事の監修者
吉橋 浩(よしはし ひろ)
株式会社シーユーシー・ホスピス|第2運営部 首都圏第一 ケアディレクター
プロフィール
株式会社シーユーシー・ホスピス ReHOPE 西上尾 看護管理者
独立行政法人 国立病院機構 東埼玉病院で10年間勤務。埼玉県の難病拠点病院として、筋ジストロフィーをはじめ、ALSやパーキンソン病などの筋・神経系難病の患者に関わり、看護業務や院内の実習指導・教育、マネジメントにも従事。その後、株式会社シーユーシー・ホスピスに入社、現在ReHOPE西上尾の看護管理者として勤務。
一般社団法人難病看護学会認定 難病看護師や居宅介護支援専門員などの資格を取得。
多発性硬化症は中枢神経系(脳と脊髄)の神経の病気で、厚生労働省により定められた指定難病です。世界中で約280万人の患者が存在するとされており、日本でも有病率が高まっている病気です。
診断された当事者の方はもちろん、ご家族の方もどんな症状が現れるのか、進行していく過程や必要なケア、利用できる介護サービスなど気になる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、多発性硬化症とはどのような病気なのか、原因や症状、治療法をわかりやすく解説していきます。
また必要なリハビリテーションや受けられる介護サービスに加えて、公的支援制度も解説するため、支援サービスや制度の利用を検討している方はぜひ参考にしてください。
※なお本記事では「ホスピス」を緩和ケア病棟(病院)やホスピス型住宅(介護施設)など、ホスピスケアを提供する施設の総称としています。
参考:厚生労働省「視神経脊髄炎 – 013 多発性硬化症」
参考:日本神経学会「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン 2023」
多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)とは、中枢神経系(脳と脊髄)の神経が障害される自己免疫疾患の1つです。
人間の体に元々備わっている免疫システムが誤作動し、中枢神経を覆っているミエリン(髄鞘)と呼ばれる部分を攻撃することで症状が現れると考えられています。ただし、明確な原因は不明なままの病気です。
病巣は脳、脊髄、視神経のあちらこちらにできる。
脳や脊髄の神経を覆っているミエリン(髄鞘)の複数箇所を、本来は免疫システムの役割を担うはずのリンパ球などが攻撃し、繰り返し炎症が起きます。
ミエリン(髄鞘)が攻撃を受けて本来の作用が障害されるのを脱髄(だつずい)と呼びますが、脱髄が生じる部位に応じて認知機能の障害や視力の障害など、さまざまな症状が現れます。
この脱髄による症状の再発と寛解を繰り返しながら進行していくのが多発性硬化症です。
また、炎症がおさまった後にその部位が硬くなる点から「多発性硬化症」という病名が付けられました。
参考:厚生労働省「013 多発性硬化症/視神経脊髄炎」
参考:難病情報センター「多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)」
多発性硬化症の症状は個人差が大きく、ダメージを受ける神経の部位や進行の程度によってさまざまな症状が現れます。
ここでは主に見られる症状を下記に分けて解説していきます。
多発性硬化症の主な症状
なお、ここで解説する症状は、あくまでも一例です。他にも吐き気やめまい、便秘などさまざまな症状が現れる場合があります。
視力低下や複視(対象物が重なって見える)などの障害は、多発性硬化症の初期によく現れる症状です。
また他にも視野狭窄という視野が狭まる症状や、目の痛みが現れる場合もあります。
これらの症状は眼球の後ろから脳へ伸びている視神経に、脱髄が生じた場合に現れると考えられています。
参考:厚生労働省「13 多発性硬化症/視神経脊髄炎」
参考:難病情報センター「多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)」
参考:日本神経学会「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン 2023」
運動や感覚をつかさどるとされる脊髄に脱髄が生じると、手足のしびれや脱力感が現れる場合があります。手足のしびれや脱力感も、主に初期に現れる場合が多い症状です。
また、多発性硬化症に特有の症状として、体温が上昇すると神経症状が悪化し、低下すると神経症状が落ち着くウートフ(Uhthoff)徴候と呼ばれるものがあります。
このウートフ徴候により、運動や入浴などで急激に体温が上昇すると、これまで感じていた手足のしびれなどの症状が悪化するケースもあります。しびれや脱力感が見られる時に大きな体温変化が見られる行動は、なるべく避けた方が良いでしょう。
ただし、症状の進行の程度によっては、適度な運動であれば体力維持のために推奨される場合もあります。主治医の指示に従いつつ、急激な体温の変化を避けるように心がけると良いでしょう。
参考:日本神経学会「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン 2023」
多発性硬化症の症状が進行すると、脊髄の炎症によって主に下半身の筋肉の硬直が現れ、歩行が困難になるケースもあります。
筋肉の硬直が生じる前に、初期の症状として軽度の歩きにくさを感じる方もいます。
この歩きにくさが徐々に症状の進行に伴って、歩行が困難な程の硬直や麻痺になっていく場合があり、生活において周囲の支援が必要になる方もいるでしょう。
参考:MSDマニュアル「多発性硬化症(MS) – 07. 神経疾患」
レルミット(Lhermitte)徴候と呼ばれる神経徴候も、多発性硬化症に特有の神経症状の1つです。首を曲げた時に発生する場合が多く、首から背中にかけて、痺れるような放散する電撃痛が現れます。
多発性硬化症は他の神経系の病気との鑑別が難しい病気でもあるため、レルミット徴候のような特有の症状によって多発性硬化症と診断されるケースもあるでしょう。
他にも、触れるといつもと違う感覚がする「錯感覚」と呼ばれる感覚障害が生じる方もおり、どちらも脊髄で炎症が起きている時に出現すると考えられています。
参考:MSDマニュアル「多発性硬化症(MS) – 07. 神経疾患」
脳の神経で脱髄が生じている場合、認知機能に障害が現れる方もいます。
認知機能の障害とは、軽度の認知症のように物事を忘れやすくなったり、判断力や集中力が落ちたりする症状です。
認知機能の障害は、症状の進行とともに重症化していく傾向にあるため、治療においては進行の予防が重要視されます。
また、無関心や気分の高揚、うつのような症状など、感情面における症状がみられる方もいます。ただ、感情の変化は必ずしも脳の神経の脱髄によるものとは限りません。
多発性硬化症の症状の寛解・再発を繰り返す過程により感情が左右され、精神的に落ち込みやすくなるなど、さまざまな感情の変化が生じやすくなる方もいらっしゃるでしょう。
なお、感情の変化の中では、主にうつ症状が脳の神経の脱髄が要因で生じる症状と考えられやすいです。
参考:MSDマニュアル「多発性硬化症(MS) – 07. 神経疾患」
参考:日本神経学会「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン 2023」
参考:兵庫県難病相談センター「多発性硬化症(MS)/視神経脊髄炎(NMO)」
症状が進行すると、排尿障害など膀胱の機能に障害をきたします。
初期の場合、ややトイレのタイミングが遅れたり、尿が出にくくなったりする程度ですが、進行するとともにトイレが間に合わなくなったり、尿閉といって自然に尿が出なくなったりして管を入れて排尿する必要が出てきます。
排尿障害の出現によって、介護サービスや公的支援制度の利用を検討する方もいるでしょう。
参考:MSDマニュアル「多発性硬化症(MS) – 07. 神経疾患」
参考:日本神経学会「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン 2023」
多発性硬化症の治療は、ステロイド薬や免疫調整剤を使用して症状の緩和を目指す薬物療法が基本です。
また症状の緩和以外にも、症状の再発を予防したり悪化を抑えたりする効果が期待できる疾患修飾薬(disease-modifying drug : DMD)と呼ばれる薬が使用されるケースもあります。
2024年1月時点で日本では8種類のDMD薬が承認されており、多発性硬化症の治療の選択肢は広がってきました。
他にも筋力を維持し、日常動作を改善するための理学療法や作業療法が有効と考えられています。主なリハビリテーションにおける目的は、日常生活を送るための身体機能の維持です。
特に歩行機能が重要視されるため、前述の筋肉の硬直やしびれ、脱力感などの症状が進行する前に、リハビリテーションに取り組むのが推奨されます。
そして多発性硬化症の症状の再発や寛解を繰り返すという点から、精神的なストレスを強く感じる方も多いでしょう。症状が改善したら次に異なる症状が現れ、ご本人だけではなく、周囲のご家族も疲労を感じてしまうかもしれません。
ストレスを発散できる環境を整えたり、症状の進行の程度に合わせて快適に生活が遅れるような生活環境を整備したりするのも、長期的な治療に取り組む上で重要となってくるでしょう。
参考:日本神経学会「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン 2023
参考:MSDマニュアル「多発性硬化症(MS) – 07. 神経疾患
多発性硬化症の方の中には、症状の出現の程度に合わせて介護サービスの利用を検討している方もいるでしょう。
多発性硬化症の方が症状の程度によって受けられる介護サービスや利用できる場所は、主に下記の3つです。
多発性硬化症の方が受けられる介護サービスや利用できる場所
それぞれ解説していきます。
多発性硬化症の方は自宅で療養生活を送りながら以下の訪問サービスを受けることができます。
多発性硬化症の方が受けられる訪問サービス
訪問看護では、主治医と連携しながら、健康管理や点滴などの医療処置、服薬管理などを行います。健康面だけでなく、精神面のケアも訪問看護の役割のひとつです。
訪問介護は介護保険制度によって定められた、日常生活の支援や身体介助を提供する介護給付の介護居宅サービスのひとつです。訪問介護員がご自宅まで訪問し、食事介助や入浴介助、排泄介助など身の回りの生活支援を行います。
なお、特定疾病と呼ばれる厚生労働省によって定められた疾患に該当する場合は、40歳から介護保険制度が利用可能な場合があります。ただし多発性硬化症は特定疾病に当てはまらないため、多発性硬化症の方は65歳以上の方のみ利用できます。
多発性硬化症の症状が進行し、歩行が困難になっている方や排泄に支援が必要な方などが訪問介護を利用することによって、住み慣れたご自宅で生活を継続できるようになるでしょう。
訪問リハビリテーションは理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門家が訪問し、身体の機能回復・維持のためにリハビリを行います。
訪問看護と訪問介護、訪問リハビリについては以下の記事で詳しく解説しています。
訪問看護と訪問介護の違いは?両方を使うことはできる?サービス内容を詳しく解説
訪問看護のリハビリはどんな内容?家族ができるサポートとは?
参考:厚生労働省「訪問介護」
多発性硬化症の方は、以下のようなサービスを受けることができます。
多発性硬化症の方が受けられる居宅サービス
通所・短期入所型サービスでは、日帰りで入浴や食事の提供、レクリエーションやリハビリを受けることができます。また、ご本人が日常生活の自立を継続するための訓練を受けられる施設もあります。
医療的ケアが必要な方でも短期入所できるレスパイト入院というサービスもあります。在宅介護を続けるご家族の負担軽減にも有効です。
自宅での生活が難しくなった場合には、入居施設を検討してもよいでしょう。安全な療養環境が整っており、安心して生活できます。
ここでは以下の2つの主な入居施設を紹介します。
多発性硬化症の方が入居できる施設サービス
進行した症状を抱える多発性硬化症の方に対するさまざまなケアと生活支援を実施する施設として、ホスピス型住宅が挙げられます。
ホスピス型住宅は、身体的・精神的・社会的に支援が必要な指定難病の方を多く受け入れています。看護師が24時間在籍しており、体調や精神面で不安を抱える多発性硬化症の方も、安心してご入居いただけます。
またホスピス型住宅は原則個室のため、慣れ親しんだ家具を持ち込み自宅に近い生活環境で過ごせます。
詳しくは下記の記事もご覧ください。
ホスピスとは。病院とホスピス型住宅の違い、ケア内容、費用を徹底解説
多発性硬化症センター(MSセンター)は、多発性硬化症と視神経脊髄炎の方を合わせて500〜600名の定期通院の患者さまを診療する施設です。
さらに診療だけではなく脳神経内科や精神科などさまざまな分野の医師と、神経学や免疫学の研究者が協力し、多発性硬化症と視神経脊髄炎の治療や研究に取り組んでいます。
治療や研究以外に、当センターを利用される患者さま向けの講演会も開催しており、疾患や治療への理解の普及にも取り組んでいます。
また当センターは、定期通院以外に多発性硬化症の入院治療にも積極的に取り組んでおり、専門医も多く在籍している病院です。
そのため、重症化する症状によって日常生活が困難と感じている方からも、セカンドオピニオン先として選択されるケースが多いです。実際に当センターでは、新規の外来通院の方とセカンドオピニオンの方あわせて、年間でおよそ100名の方が来院されます。
治療の成果が良くない、最新の治療について関心があるという方は、多発性硬化症センターの受診を検討してみるのも良いでしょう。
参考:国立精神・神経医療研究センター「多発性硬化症センター」
多発性硬化症は、長い年月をかけてさまざまな症状が出現し寛解、再発を繰り返していきます。そのため治療にかかる費用は大きな負担となるでしょう。
また費用だけではなく、日常生活を送る上で活用できる公的支援制度を知りたいという方もいるかもしれません。
主に多発性硬化症の方が利用できる可能性がある公的支援制度は、下記の6つあります。
多発性硬化症の方が利用できる可能性がある公的支援制度
どのような場合に利用できるのか、それぞれ解説していきます。
要介護認定は、前述した介護保険制度の介護サービスなどさまざまなサービスを利用するために受ける必要がある審査です。
要介護の区分は下記に分かれており、審査を経てそれぞれの区分に認定されます。ただし必ず認定されるわけではなく、どの認定も得られないケースもあります。
下に行くにつれ、介護の必要性が高いと判断された認定区分です。
コンピュータによる一次判定と、介護認定審査会における二次審査を経て決定されます。
要介護認定を受けると、下記のようなサービスが受けられます。
認定区分 | 主な利用できるサービス |
要支援 | ・予防給付
介護予防訪問リハビリテーション 介護予防訪問看護 介護予防福祉用具貸与 介護予防訪問入浴介護 など |
要介護 | ・介護給付
訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護 訪問リハビリテーション 福祉用具貸与 通所介護 通所リハビリテーション 介護老人福祉施設 介護老人保健施設 医療院 特定施設入居者生活介護 など |
多発性硬化症の方も65歳以上であれば要介護認定を受けられます。
ただし利用できるサービスは自治体によって異なるため、気になる方はお住まいの自治体へお問い合わせください。
参考:厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」
参考:厚生労働省「要介護認定の認定審査期間について」
参考:内閣府「要介護認定について」
参考:東京都「第3章 予防給付ケアマネジメントの概要」
障害者手帳と呼ばれるものは、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の3種類です。多発性硬化症の場合、視覚障害や運動障害による身体障害者手帳の取得が可能な場合があります。
障害者手帳を取得すると、等級により医療費の助成対象となり病院受診への経済的負担が軽減される他、所得控除や公共交通機関の割引、携帯電話料金の割引を受けられるようになります。
さらに障害者雇用枠での就労も可能となるため、社会的支援も受けられる制度といえるでしょう。
参考:厚生労働省「身体障害者手帳の概要(PDF)」
参考:厚生労働省「障害者総合支援法の対象となる難病が追加されます 令和6年4月から適用」
多発性硬化症は症状の程度によって、医療費助成を受けられるケースがあります。難病医療費助成制度は医療費負担の軽減を図る制度で、多発性硬化症は指定難病にあたるため、この助成制度の利用が可能な場合があります。
ただし月や年間でかかる医療費の総額や、症状の程度によっては制度が利用できないケースもあるため、一度条件についてお住まいの都道府県または指定都市へ確認すると良いでしょう。
また難病医療費助成制度を利用するには、お住まいの都道府県または指定都市へ申請を行い認定を得る必要があります。
助成制度の対象として認定されると「医療受給者証」が交付され、治療にかかる医療費の自己負担額(窓口で実際に支払う金額)が3割から2割に減額されるため経済的な負担が軽減できます。
多発性硬化症の治療による経済的負担に悩んでいる方は、申請を検討してみてはいかがでしょうか。
参考:難病情報センター「指定難病患者への医療費助成制度のご案内」
多発性硬化症は特定疾患治療研究事業の対象疾患に含まれており、医療費助成の対象となる可能性があります。
特定疾患治療研究事業は、対象の難病に対して病気の研究や新規の治療法の開発研究を推進するために行われている国の事業です。
申請し審査が通ると医療費が公費負担となるため、治療における経済的負担が大きく緩和されるでしょう。
参考:難病情報センター「2015年から始まった新たな難病対策」
参考:厚生労働省「特定疾患治療研究事業実施要綱」
生活保護制度は、経済的に生活が困難な方への支援制度です。多発性硬化症の方も、生活が困難な経済状況の場合、審査を経て支援が必要と判断されると、生活保護制度の対象となります。
生活保護を受けると生活保護費の受給が可能な上、治療のための病院受診における自己負担額が0円になります。
ただし生活保護制度の利用を申請する際に、他に利用できる支援制度があれば他の制度の利用が推奨される場合があるため、まずは他に利用できる制度はないか該当の自治体へ相談してみると良いでしょう。
例えば多発性硬化症で経済的に生活が困難な方への支援制度としては、仕事をしていた方であれば傷病手当金の対象となる場合もあります。また症状が重症化している方の場合、障害年金の受給対象となる場合もあります。
参考:厚生労働省健康局「第15回難病対策委員会 資料1-2 平成23年11月1日」
参考:日本神経学会「第9章.その他「医療経済学的側面」
自立支援医療制度は、医療費の自己負担額を減額する制度です。
多発性硬化症は障害者総合支援法の対象の疾患に含まれており、障害者総合支援法に定められた自立支援医療制度を利用できる可能性があります。
自立支援医療制度の対象者は、精神通院医療、更生医療、育成医療の3種類いずれかを利用している方です。この中の更生医療は、身体障害者手帳を交付された方で治療の効果が期待できる18歳以上の方を指しています。多発性硬化症の方は更生医療の枠で、自立支援医療制度を受けられる可能性があるでしょう。
ただし、そもそも自立支援医療制度の利用には、身体障害者手帳の交付を受ける必要があります。
身体障害者手帳が交付されると所得控除や割引が受けられる他、障害年金の受給にも役立つため(手帳と別途申請が必要)症状の程度によって、まずは手帳の申請から検討すると良いでしょう。
参考:厚生労働省健康局「第15回難病対策委員会 資料1-2 平成23年11月1日」
参考:厚生労働省「障害者総合支援法の対象となる難病等の範囲について」
参考:厚生労働省「自立支援医療制度の概要」
当社が運営するReHOPEは、がん末期や難病を抱える方々を対象にしたホスピス型住宅です。医療・介護の専門スタッフが、24時間365日体制で安心できるケアを提供し、ご入居者さまが自分らしい生活を送れるようサポートしています。
ReHOPEでは、全国でホスピス型住宅を運営しており、 の方の入居も可能です。常駐スタッフが日常生活のサポートから医療サービス医療ケアまで、一人ひとりに寄り添ったケアを行います。また、地域の医療機関や多職種と連携し、心身のケアを総合的に提供しているのもReHOPEの特徴です。
ReHOPEでは、一緒に働く看護師の仲間を募集しています。
「もう一度好きなものを食べたい」「家族に会いたい」
ご入居者さまの生きる喜びに最期まで寄り添う。
新しいかたちの住まいではたらきませんか?
全国の求人は採用サイトからご確認いただけます。
多発性硬化症は、20代〜40代で発症しやすいと考えられている病気です。平均発症年齢は32歳とされています。
また、男女比は1:2と女性の方が多い病気とされています。
参考:日本神経学会「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン 2023
多発性硬化症は症状や進行スピードの個人差が大きい病気です。
その症状の出現の程度によって、余命といえるものも大きく異なるため断定できる年数はありません。
年単位での年月をかけて進行していくケースが多く、診断後の余命は35年以上といわれるケースもあるため大きな不安を抱える必要はないでしょう。
参考:CHRISTOPHER DANA REEVE FOUNDATION「多発性硬化症 / Multiple Sclerosis
多発性硬化症の治療において重要なのは、症状の進行を防ぐことです。
そのため、症状の出現に応じて適切な治療を受けて進行を防ぐように取り組む必要があります。
症状を自覚したら早めに病院を受診して医師に相談するようにしましょう。
また症状の再発の原因は明確ではありませんが、再発の要因は感染や疲労などさまざまだと考えられています。
そのため、体に負荷をかけないようにこまめに休息をとる、栄養バランスの整った食事をとるなど、心身ともに労わって過ごすようにしましょう。