ホスピス型住宅のReHOPE | ReHOPEだより | 希望を支える取り組み | 【イベントレポート】”推し”を目の前で応援したい!ついに叶えた横浜FCスタジアム観戦記
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ReHOPE 東戸塚では、「Be サポーターズ!(*)」という活動を通して、Jリーグ横浜FCとの交流を続けています。これまでもJリーグ開幕戦をみんなで観戦するイベントや選手がReHOPE 東戸塚に来訪するファンミーティングなど、さまざまな形でつながりを深めてきました。
そのような中、2025年4月に念願だった「スタジアムでの試合観戦」が実現! コロナ禍などで制限があり実に4年ぶりの外出となった、ご入居者さま(Uさま)のスタジアム観戦の様子をお届けします。
今回スタジアム観戦に参加したご入居者さまを囲んで
(※)Be サポーターズ!とは?
普段は周囲に「支えられる」場面の多い高齢の方が、地元のJリーグクラブのサポーターとなり、誰かを「支える」ことで、心も体も元気になろうというプロジェクトです。サントリーウエルネスが、全国の介護施設に向けて2020年12月より推進しています。
Be サポーターズ!の活動で横浜FCとの交流が深まる中で、クラブチームのご厚意によって、観戦にご招待をいただきました。パーキンソン病を患っているUさまの外出を安全に遂行するため、ReHOPE 東戸塚のスタッフたちは念入りに準備を進めてきました。スタジアム内の移動導線確認はもちろん、Uさまの”推し”である村田透馬選手の「推しうちわ」作りなども、Uさまと一緒に楽しく準備しました。
当日はいいお天気になりますように!てるてる坊主も作りました
横浜FCクラブチームの担当者とも細かく事前打ち合わせを行いました。さらに、普段ReHOPE 東戸塚に往診に来てくださるUさまの主治医も今回の趣旨に賛同し、医療安全面から同行してくださることに。Uさまを中心に、ご家族、施設スタッフ、医療チームが一丸となって、この特別な一日を支えることとなりました。
4月末、試合当日はまるで横浜FCカラーのように真っ青な空が広がりました。試合が行われるニッパツ三ツ沢球技場(スタジアム)には、まずスタッフが先に到着し、観戦席までの導線や各種イベント会場の最終確認を行いました。その後、Uさまと息子さまが到着。入場すると、Uさまが愛してやまない村田透馬選手ののぼりを発見!さっそく最初の記念撮影です。
Uさまもスタッフも青空のような横浜FCカラーに身を包み、準備万端!
スタッフが事前に車いすでの導線を確認済みのため、スムーズに移動ができました。
スタジアムのイベントブースでは、横浜FCのマスコット「フリ丸くん」をあしらったネイルを無料体験できるサービスが開催されていました。普段からネイルがお好きなUさまは、迷わず列に並びます。
ネイルの待ち時間も、フェイスシールを貼ったり冷たいコーラを飲むなど、開放感を満喫
左の薬指にフリ丸くんネイルをしてもらいました!記念にネイルを見せてパチリ
スタジアムの中に入り、クラブチームが用意してくださった車椅子専用席に到着。一列目、目の前がグラウンドという特等席です。
スタッフとUさまが一緒に作成した村田選手の「推しうちわ」を手にスタンバイ
そんな中、ビッグサプライズが!キックオフ直前、なんと村田選手ご本人がUさまのところへサインボールを手渡しに来てくださったのです。心のこもったプレゼントに、Uさまはもちろん、同行者全員が感動に包まれました。
村田選手からのサインボール贈呈。夢のような瞬間にUさまの表情も輝きます
そしてフリ丸くんとお友達も、こんなに近くまで来てくれました。一同、大興奮!
興奮冷めやらぬ中、いよいよキックオフ。元ダンス講師・声優経験もあるUさまは、スタジアムに響く応援歌に合わせて踊ったり歌ったりと、観戦を心から楽しまれていました。試合前から非常に活発だったので、看護師が心配する場面もありましたが、終始元気いっぱいの応援を続けられました。
「透馬! 頑張れ!」サインボールをギュッと握り、手作りうちわを掲げて熱い声援を送ります
施設を離れて4年ぶりの外出、スタジアムという開放的な空間での観戦は格別だったようです。主治医にも確認しながら、ドーナツやかき氷といった普段とは違うグルメも楽しまれました。
「外で食べるとおいしいね!」応援で熱くなった体に、ヒンヤリ美味しいかき氷
試合結果は残念ながら0-3で敗戦となってしまいましたが、試合後の選手挨拶の際、Uさまが「透馬!」と大きな声で呼びかけると、村田選手が振り帰り手を振ってくれる場面も。Uさまもスタッフも、またプレゼントをもらったような嬉しい瞬間でした。
Uさまが「透馬〜!」と手を振ると、手を振り返してくれた村田選手。この日一番の思い出になりました。
ご入居者さま、ご家族、そしてReHOPEの関係者にとっても念願だったスタジアム観戦。当日について、Uさま、準備に尽力したスタッフ、そしてReHOPE 東戸塚の施設長にお話を聞きました。
T.Uさま
ReHOPE 東戸塚 ご入居者さま
スタジアムに響く応援歌に合わせて、自由に身体を動かせた時間がとても楽しかったです。青空の下、ダンスをしながら大好きな横浜FCを応援できて、本当に幸せなひとときでした。
中でも一番の思い出は、やっぱり村田透馬選手から直接サインボールをいただいたこと。まさか本当に手渡してもらえるなんて思ってもみませんでした。感動で胸がいっぱいになりました。
4年ぶりの外出ということもあり、外の空気や光を浴びながら息子と一緒に過ごせたのは、何よりの気分転換になりました。当日以降体調も良くなってきて、動かなかった左手が少しずつ動くようになってきたんです。スタジアムで思いきり応援できたことが、いい刺激になったのかもしれません。
次は、もっと応援歌を覚えて、サポーターの皆さんと一緒に歌ってみたいです。またスタジアムで横浜FCを応援するのが、今からの楽しみです。
今回、ReHOPEのスタッフの皆さんには本当に親切にしていただき、素敵な思い出がまたひとつ増えました。スケジュールの調整も含めて、息子との時間まで丁寧に配慮してくださり、心から感謝しています。
N.Nさん
ReHOPE 東戸塚 看護師
横浜FCにお声がけを頂いてから、ずっと実現したかった企画です。選手が施設訪問してくださった時も人一倍喜んでいたUさまにお声がけしました。体に負担のかかりにくい、4月の穏やかな気候を選んで日程調整をしました。4月に入ってからは介護タクシーの手配、クリニックとの調整、施設内での連携など、事前準備を重ねました。
連携先のみんなの戸塚クリニックの大内先生にも昨年からお話しており、前向きに協力してくださったため、本当に進めやすかったです。当日のスケジュールも事前に作成し、医療・介護的な面でも万全の体制で臨みました。
当日は、最後に「とーま! とーま!」とUさまが叫んでいらっしゃる様子が特に印象的で、感動しました。サインボールを手渡しされた時の表情も忘れられません。
Uさまが喜んでくださったことはもちろん、施設全体の活気にも繋がりました。こういった取り組みをみんなで盛り上げることで、ReHOPEの理念を形にできていると感じます。
S.Yさん
ReHOPE 東戸塚 看護師
Uさま自身イベント事がお好きで、施設内での行事も積極的に楽しまれていました。外出自体も4年ぶりということもありますし、それに加えてスタジアムの雰囲気そのものが社交的なUさまに合っていると思いました。
実際に終始興奮した様子で楽しまれているのがこちらから見ても伝わってきましたし、その姿そのものが前を向いて生きることを体現しているように私には見えました。
帰ってきてから数日経った今も楽しかったと嬉しそうに話してくださる様子を見て、今後もUさまに限らずご入居者さまに「楽しかった」と思ってもらえる時間を作っていきたいです。そうした取り組みが私自身のやりがいにもつながっています。
田中 貴大さん
ReHOPE 東戸塚 施設長
ReHOPE 東戸塚では、サッカーや横浜FCをより身近に感じながら応援していただくため、ご入居者さま一人ひとりに「推し選手」を決めてもらい、施設全体で盛り上げてきました。スタジアム観戦は、そんな「Be サポーターズ!」活動の一環として長く温めてきた企画です。
Uさまは観戦が決まってから「サッカーのルールブックが見たい」「推し選手の応援グッズを作りたい」と、非常に楽しみにしてくださいました。応援グッズについては「うちわを作りたい」というご希望があり、下準備はスタッフで行いましたが、文字や飾りなどの貼り付け作業はすべてUさま自身で行っていました。そんな姿を見て、私たちも一緒に当日に向けて胸を膨らませました。。
このような活動は、CUCホスピスの理念「『前を向いて生きる』を支える。」そのものです。スタッフたちは、ご入居者さまの願いを叶えるために試行錯誤することで、「人生を豊かにするお手伝いができた」と実感したはずです。
「Be サポーターズ!」はご入居者さまに、「いくつになっても自分らしく輝ける」と感じていただける活動だと思います。今後は他のReHOPE拠点にも、この取り組みを広げていきたいですね。
全国でホスピス型住宅を展開しているReHOPEでは、重い疾患や障がいがあっても誰もが自分らしく、前を向いて生きられるように心をこめてご入居者さまの毎日に寄り添っています。
全国の施設でご入居を受け付けておりますので、見学のお申し込みやお問い合わせなど、お気軽にご相談ください。
より詳しい情報を知りたい方は、ReHOPEのWebサイトをぜひご覧ください。