ホスピス型住宅のReHOPE | ReHOPEだより | 希望を支える取り組み | 「あの料理をもう一度食べたい」に応えて。ReHOPE仙台青葉の芋煮会レポート
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ホスピス型住宅ReHOPEでは、ご入居者さまお一人おひとりの「〜したい」という想いに寄り添い、全国の施設で様々なレクリエーションが開催されています。
今回は、あるご入居者さまの一言をきっかけに開催された、ReHOPE 仙台青葉の「芋煮会」のイベントの様子をご紹介します。
季節と故郷の味覚を通じて、ご入居者さまとスタッフが一体となった、笑顔あふれる一日となりました。
夏の終わりが近づいたある日、スタッフとの会話の中で、ご入居者さま(Iさま)が「山形の芋煮が食べたい」と話されました。
Iさまは、ここのところ体調の変化などからか体が動かしづらくなり、気分の落ち込みが見られていたため、スタッフは「何か少しでも元気を取り戻すきっかけになれば」と、その願いを叶えたいと考えました。
そして、「せっかくなら、ご入居者さまみんなに楽しんでもらおう」と、施設全体を巻き込んで芋煮を作ってふるまう「芋煮会」として、約1ヶ月後の本番に向けて準備が始まりました。
「どうせなら、本場の味を体験していただきたい」
味の決め手は、やはり醤油。Iさまから「山形には有名な醤油があるらしい」というヒントを得て、山形出身のスタッフに聞くなど調査を開始しました。そして、「これぞ地元の味!」と呼ぶにふさわしい、だしの深みのある甘い風味が特徴の特別な醤油を探し当てました。
もちろん、一番大切なのは安全面です。ご入居者さまが安心して召し上がれるよう、牛肉の大きさからこんにゃくの形状まで、介護職、看護師、厨房スタッフがそれぞれの専門的な視点から何度も意見交換を重ねました。「このくらいの大きさなら安全に召し上がれる」「こんにゃくはこの形状にしよう」。試行錯誤を繰り返し、安心安全な芋煮を提供するための準備を整えました。

イベント当日。厨房でぐつぐつと煮込まれた芋煮が大きなお鍋ごと食堂に運ばれると、アツアツの湯気と醤油のいい香りが一気に広がり、食堂はいつも以上の活気に包まれました。
まずは芋煮会のきっかけをくださったIさまへ。
目の前のお鍋からよそわれた、できたての芋煮を一口召し上がると、
「おいしい!」
と、満面の笑みを見せてくださいました。スタッフも思わず駆け寄り、「よかった!」と声をかけながら一緒に記念撮影。

スタッフと一緒に、ハイチーズ
食堂に運び込まれた大きなお鍋の前で、スタッフが一杯ずつふるまう芋煮は、
他の方々からも「おいしいね」と大好評でした。

会場は芋煮の香りに大盛り上がり

また、当日特に印象的だったのは、普段は食事量にムラがある男性のご入居者さまの姿です。その方は提供された一杯目をぺろりと平らげると、おもむろにスタッフに向かってこう言ったのです。
「おかわり」
自らおかわりされる姿にスタッフ一同大喜び。普段は食事介助が必要な場面もありますが、その方はご自身のスプーンをしっかりと握り、ゆっくりとおいしそうに二杯目を召し上がると、満足げな表情で一言。
「最高!」

居室で記念写真を撮影
Iさまの小さな願いがスタッフを動かし、そして施設全体を大きな笑顔で満たした一日となりました。

F.Tさん
企画担当スタッフ レクリエーション係・介護職
私たちレクリエーション係は、普段から訪問の合間に「次はどんなことがしたいですか?」とお聞きし、皆さんの「~したい」という声を形にすることを大切にしています。
Iさまの「食べたい」という一言を伺った時も、「ぜひ実現しよう!」と本場の醤油探しから厨房スタッフと何度も相談した安全な具材の切り方まで、実現に向けて準備を進めました。
ご入居者さまはもちろん、スタッフからも「おいしい!」という声が聞けて施設全体で楽しむことができ、レクリエーション係一同本当にやってよかったと感じています。
全国でホスピス型住宅を展開しているReHOPEでは、重い疾患や障がいがあっても誰もが自分らしく、前を向いて生きられるように心をこめてご入居者さまの毎日に寄り添っています。
全国の施設でご入居を受け付けておりますので、見学のお申し込みやお問い合わせなど、お気軽にご相談ください。
より詳しい情報を知りたい方はReHOPEのWebサイトをぜひご覧ください。