ホスピス型住宅のCUCホスピス採用サイト | ホスピスで働く人のためのお役立ち記事 | 【図解】介護の処遇改善手当はいくら?金額が職場ごとに違う仕組みと確認方法【2026年6月改定対応】
RECRUIT MAGAZINE
投稿日: 更新日:

この記事の監修者

岩田 那由太(いわた なゆた)
株式会社シーユーシー・ホスピス 支援本部 本部長 兼 人事部部長
プロフィール
2006年大学を卒業後、人材サービス会社に就職。求人サービス事業の法人営業、人材開発、広報に携わった後、2020年にソフィアメディ株式会社に転職。2022年同社の採用チームリーダーに従事。2024年シーユーシーへ出向し運営本部で人材定着支援室長。2025年4月シーユーシーホスピスへ出向し人事部長。2026年4月よりシーユーシー・ホスピスで支援本部長兼人事部長に従事。
給与明細の「処遇改善手当」って何?金額はどう決まっているんだろう、と思ったことはありませんか。
この記事では、処遇改善手当のお金の流れ、金額の決まり方、自分の明細での確かめ方を、図解つきで順番に説明します。
記事の後半では、ホスピス型住宅「ReHOPE」で働く訪問介護職が実際に受け取っている処遇改善手当(月78,000円)を、分け方の理由とあわせて公開しています。
正体がよく分からないと言われがちな手当ですが、仕組みはシンプルです。「国がお金を出し、職場がそれを働く人に分けて支払う」仕組みです。
似た言葉が二つあって迷いますが、指しているのは、もとをたどれば同じお金です。
国から見れば加算、給与明細にのるときは手当。同じお金なのに呼び名が変わるのは、国から職場へ、職場からあなたへとリレーされているからです。

このリレーには大事なルールが3つあります。
職場がこの手当を給与アップ以外の使い道に回すことは認められていません。
国が決めているのは、職場に渡すお金の計算方法までです。そのお金を誰にどう分けるかは、それぞれの職場が決めます。だからこそ、同じ介護職でも職場によってもらえる額が変わるのです。
「じゃあ自分の職場はどうなの?」——その疑問への答えは、このあとの「いくらもらえる?」の章で順番に見ていきます。
この加算は、生まれてから今も育ち続けている制度です。2026年6月に見直されたポイントは2つあります。
新しい加算区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)が設けられ、要件を満たした職場はこれまでより高い率で加算を受け取れるようになりました。
上乗せを受けるには、下記いずれかを満たす必要があります。
国の資料では、介護で働く人全体に月1.0万円(3.3%)の賃上げを行き渡らせ、生産性向上や協働化に取り組む職場の介護職員には、さらに月0.7万円(2.4%)を上乗せするとされています。定期昇給の0.2万円と合わせると、介護職員では最大で月1.9万円(6.3%)の賃上げにつながる計算です。
出典:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」p.1
これまで対象ではなかった下記にも加算が新しく設けられました。
あわせて、加算の対象になる人も「介護職員」から「介護に従事する人」へと広がっています。「うちのサービスは対象外だから…」と諦めていた人も、2026年6月を境に状況が変わっている可能性があります。
「結局いくらなの?」という質問に一言で答えられないのは、金額が3つの要素の掛け算で決まるからです。

国が職場に渡すお金は、
「サービス区分ごとに決められた率」×「職場が取った加算区分」
で計算されます。率はサービスごとに大きく違います。同じ介護の仕事でも、サービスの種類によって職場に入るお金の率が3倍以上違います。
加算区分は4つあり、どの加算区分でも共通して必要なのが、次のふたつです。

そのうえで、次のような条件が積み上がっていきます。基本的に要件を満たすほど加算区分が上がります。
同じ額を受け取っても、経験の長い職員に厚く分ける職場もあれば、全員に均等に分ける職場もあります。ここは国が決めておらず、職場ごとの方針に任されています。
たとえばReHOPEでは、訪問介護の主な担い手である介護職にもっとも厚く分ける方針をとっています。具体的な金額は後半の実例でご紹介します。
厚生労働省の「介護従事者処遇状況等調査」によると、加算を取得している職場で働く介護職員(月給・常勤)の平均給与額は、2024年9月時点で月338,200円でした。前の年より13,960円増えています。手当や一時金を含んだ額で、基本給などに限ると253,810円です。
なお同じ調査では、加算を取得している職場は全体の95.5%にのぼり、そのうち最上位の加算Ⅰを取っている職場が45.7%、いちばん下の加算Ⅳは2.6%でした。多くの職場が加算を受け取っているとはいえ、どの加算区分かで元手は変わります。
あくまで平均であり、ここまで見てきた3つの要素で個人差が出ることを踏まえて、目安として受け止めてください。
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果のポイント」
手当の対象となる方についてもう少し詳しく見てみましょう。
雇用形態の決まりはなく、パート・アルバイト・派遣でも対象です。
職種は介護職が基本ですが、2024年の一本化からは、職場の判断で看護師やセラピスト、事務職などほかの職種にも柔軟に分けられるようになりました。「看護師だからもらえない」とは限りません。
ただし、分けられるのは加算を取った事業所で働く職員の範囲です。看護師が配置されている特養などの施設では看護師も対象になり得ますが、訪問介護事業所には看護師の配置がありません。看護師資格を持つ方が訪問介護事業所で介護の仕事に従事する場合は、介護職として対象になります。
手当のもとになるお金は職場が受け取る加算なので、職場が加算を取っていなければ手当も支払われません。取っていない理由は、加算の対象になっていないサービスであるか、要件を満たしていない・手続きをしていないかのどちらかです。
自分の職場が取っているかどうかは、公開情報で調べられます。
厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」で事業所名を検索すると、加算の取得状況を確認できます。
「明細に処遇改善手当という項目がない=もらえていない」ではありません。見え方は職場によって3パターンあります。
給与明細での見え方は、次の3つです。
なお、受け取ったお金のうち、加算Ⅳに相当する額の半分以上は、基本給または毎月決まって支払われる手当として配る決まりになっています。賞与だけでまとめて支払うことは認められていません。
出典:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」p.3
ここまで見ても分からなければ、職場に確認しましょう。

ここまで何度も「職場によって違います」と繰り返してきました。それなら、実際の職場はどう分けているのか。ひとつの実例として、私たちReHOPEの場合を開示します。
ReHOPEは、医療的なケアが必要な方や人生の最終段階にある方が暮らすホスピス型住宅です。介護職は、住宅に併設された訪問介護事業所の職員として入居者さまへの訪問介護を行っています。ここでご紹介するのは、この訪問介護事業所が取得している処遇改善加算と、その分け方です。
ReHOPEの訪問介護事業所は、2026年6月から最上位の加算区分「Ⅰロ」を取得しています。業務の効率化(ケアプランデータ連携システムの活用)などで職員の負担を減らす取り組みが、上乗せの要件を満たしました。
分け方は、職種ごとに「現場で何を担っているか」で決めています。介護職にもっとも厚く分け、夜勤のないサービス提供責任者には、夜勤のある介護職と年収が逆転しないよう多めに分けています。2026年6月からは対象が広がったことを受け、事務職や管理者にも新たに分けるようになりました。
正社員の訪問介護職の処遇改善手当は、改定前の月65,000円から13,000円増え、2026年6月25日支給の給与から月78,000円になりました。資格の種類にかかわらず、訪問介護事業所で介護の仕事に従事する場合は同じ額です。サービス提供責任者は月96,000円です。
パート・アルバイトの方も、時給に50円(日給の場合は1日500円)が上乗せされています。
※正社員(CUCホスピス所属)の例です。実際の支給額は、基準勤務日数に対する出勤率によって変わります。基本給・夜勤手当・賞与は含みません。
前述の通り、処遇改善加算は、国が定める要件を多く満たすほど上位の区分を取得できる仕組みです。
ホスピス型住宅のReHOPEでは、賃金体系や昇給の仕組み、研修や資格取得の支援、介護福祉士の配置、働きやすい職場環境づくり、ICTを使った業務の効率化など、求められる要件を一つひとつ整えてきました。その結果、最上位区分の加算を取得でき、加算額はすべて働くスタッフの賃金改善に充てています。
ReHOPEでは、改定のたびに人事部が「手当額の見直しのお知らせ」を全職員に配っています。そこには職種ごとの金額だけでなく、「なぜこの職種にこの額なのか」という理由まで書かれています。
毎月の手当として配った残りのお金も、賞与のときに一時金として全額を分けています。2025年12月から2026年5月にかけての国の賃上げ補助金も、6か月分を2026年6月の賞与で支給しました。
面接では、この資料と同じ内容で、手当の水準と分け方をご説明しています。
▶ ReHOPEの介護職求人を見る(手当の内訳は面接でくわしくご説明します)
ホスピス型住宅 介護職(訪問介護)求人採用一覧
ホスピス型住宅の介護職(生活支援・看護補助)求人採用情報
この章では、これから職場を選ぶ人と、いまの職場を見直したい人のためのチェック方法をまとめます。
月給に処遇改善手当が含まれているのか、別枠で支払われるのかによって、手取りの見通しは変わります。「処遇改善手当含む」とだけ書かれていたら、応募前に金額の内訳を確認しましょう。
厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」で事業所名を検索すると、加算の取得状況を確認できます。応募する前でも、いまの職場についてでも、自分で調べられる公開情報です。
求人票の給与欄だけでは、手当がどのくらいの水準なのかまでは分かりません。そこを埋められるのが面接です。
「処遇改善加算はどの加算区分を取得していますか」「分け方はどのような方針ですか」の2つを聞けば、その職場の元手の大きさと、自分に配られる見込みの両方がつかめます。加算区分が上位なら元手は大きく、分け方の方針が分かれば、経験年数の浅いうちにどのくらい受け取れそうかも見当がつきます。
どちらも待遇に関する事実の確認なので、聞いて差し支えありません。むしろ、その場で明確に答えられる職場ほど、入職したあとの説明も誠実だと考えられます。
介護で働く人の確保は国の重点課題です。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、65歳以上の人口はこれから増え続け、2043年に3,953万人でピークを迎えます。総人口に占める割合も上がり続け、2038年には3人に1人が65歳以上になる見通しです。介護の担い手が必要とされる状況はこれからも続くため、給料アップの仕組みを打ち切る方向にはないと考えられます。
制度そのものは続いても、加算区分や要件は見直されます。介護報酬の定期的な改定は3年ごとに行われており、次にあたるのは2027年度です。「なくなるかどうか」よりも、「自分の職場が新しい加算区分に対応しているか」に注目するほうが、あなたの手当には直結します。
処遇改善手当と処遇改善加算は同じお金で、国から職場へ、職場からあなたへとリレーされています。金額は「サービス区分×加算区分×職場の分け方」で決まるため、同じ介護職でも職場によって差がつきます。
明細に見当たらないときは3つのパターンを確かめて、この記事の質問例をそのまま職場に使ってください。これから職場を選ぶなら、情報公表システムと面接での質問で「手当が多い職場」は見分けられます。
仕組みが分かれば、手当はもう「よく分からないお金」ではありません。あなたの働きに対する評価として、きちんと確かめていきましょう。
ReHOPEで働くことに少しでも興味を持っていただいた方は、ぜひ求人ページで勤務地や働き方をご覧ください。手当の水準や分け方について、面接で率直にお答えします。
▶ ReHOPEの介護職求人を見る(手当の内訳は面接でくわしくご説明します)
ホスピス型住宅 介護職(訪問介護)求人採用一覧
ホスピス型住宅の介護職(生活支援・看護補助)求人採用情報
支払い方は職場によりますが、受け取ったお金のうち加算Ⅳに相当する額の半分以上は、基本給または毎月決まって支払われる手当として配る決まりになっています。
詳しくは記事内「処遇改善手当はどう支払われる?」をご覧ください。
対象であること自体は雇用形態を問いません。金額は勤務時間に応じた按分と、職場の分け方によって決まります。たとえばReHOPEでは、2026年6月からパート・アルバイトの介護職の時給に50円が上乗せされています。
国の水準では、介護で働く人全体に月1.0万円、生産性向上などに取り組む職場の介護職員にはさらに月0.7万円が上乗せされます。実際の額は、職場が新しい加算区分を取得したかどうかによります。
特養などの施設では、2024年の一本化から看護師にも分けられるようになりました。一方、訪問介護事業所には看護師の配置がないため、看護師としては対象になりません。訪問看護で働く看護師については、2026年6月から訪問看護にも処遇改善加算が設けられています。
加算は全額を働く人の給料アップに使う決まりで、職場には計画書と実績報告の提出が義務づけられています。少なく感じる場合、その原因はピンハネよりも、加算区分・分け方・支払われ方の違いであることがほとんどです。まずは質問例を使って職場に確認してみてください。
手当は職場ごとの加算にもとづくため、転職先の加算区分と分け方で決まり直します。増えることも減ることもあるので、「見分け方」の章のチェックを応募前に試してみてください。
RECRUIT
CUCホスピスでは在宅ホスピスを日本中にゆきわたらせるため、
多様な強みを持つ、たくさんの仲間を募集しています。