ホスピス型住宅のReHOPE | ReHOPEマガジン | ホスピスの基礎知識 | ホスピスを利用する流れは?利用条件や入院・入居に必要な手続きについて
投稿日: 更新日:
この記事の監修者
髙田 清恵(たかだ きよえ)
株式会社シーユーシー・ホスピス 運営本部 看護スーパーバイザー
プロフィール
看護師免許取得後、外科病院、脳神経外科病院で勤務し、その後訪問看護ステーションで在宅看護を経験。2021年シーユーシー・ホスピスに入社。ReHOPE堺北では看護管理者として施設の立ち上げに関わり管理業務やマネジメント、入居相談などに従事。2023年より関西エリアの看護スーパーバイザーに任用となり関西エリアのReHOPE全体のチームマネジメントを行っている。
ホスピスを利用したいと考えたとき、どのような手順で進めれば良いのでしょうか?本記事では、ホスピスを利用するための具体的な流れや利用条件、入院のタイミングについて詳しく解説します。
また、ホスピス病棟の見つけ方や、ReHOPEでの入居までのプロセスも紹介していますので、参考にしてください。
ホスピスを利用する際には、いくつかの手順があります。
ホスピスは一般的に「緩和ケア病棟」と「ホスピス型住宅(ホスピスケアに対応する入居型の介護施設)」の2種類に分かれますが、基本的な入院・入居の流れは共通しています。
まず主治医やケアマネジャー、入院先のソーシャルワーカーと相談し、現在の病状に適したケアを選択するところからはじまります。次に、適切な施設を見つけるために見学や説明会を通じて施設の特徴を確認し、面談を経て、施設側の受け入れ体制が整った段階で入院・入居の手続きが進められます。
緩和ケア病棟への入院は、病院の医療体制の一部であるため、通常は主治医の紹介や医療機関を通じて進められます。
まず、かかりつけの主治医と治療方針やケアについて話し合い、緩和ケアが必要かどうかを決定します。がんの場合は告知が済んでいる事が望ましく、病状や予後を踏まえ、緩和ケア病棟への移行が最適かどうかが判断されます。
主治医から紹介状をもらい、緩和ケア病棟がある病院へ申し込みます。入院希望者が多い場合、待機期間が発生することがあります。
病棟側の担当者や医師、看護師との面談が行われ、患者さまの状態に適したケアが可能かどうかが評価されます。
受け入れが決定されると、入院日を調整して入院手続きを行います。
ホスピス型住宅は医療的ケアを提供する施設ですが、病院とは異なる運営形態であるため、入居手続きに若干の違いがあります。
まず、主治医やケアマネジャー、入院先のソーシャルワーカーと相談し、ホスピス型住宅が適しているかを判断します。特に介護保険の適用状況や、どのような支援が必要かを確認します。介護保険が未申請の場合は新規申請が必要となります。
入居を希望する施設を見学し、施設の方針やケア内容、費用について説明を受けます。ここで、施設側と家族・患者が双方の理解を深めます。
入居を希望する場合、申し込みを行います。多くの場合、面談が行われ、入居者の状態が施設での受け入れ可能かどうかの確認がされます。
入居が決まると、具体的な入居日を調整し、入居に向けた手続きが行われます。必要な医療やケアの詳細が話し合われます。
ホスピスを利用するための条件には、主に以下の点が挙げられます。
ただし、具体的な条件は、病院内の緩和ケア病棟とホスピス型の介護施設で異なる場合があります。
ホスピスを利用するための条件についての詳細は別記事「ホスピスの入院・入居条件とは?対象となる疾患や特徴を解説」をあわせてご確認ください。
緩和ケア病棟では、病状などを考慮し自宅での療養が可能であると医師が判断した場合は、利用が認められないことがあります。
また、緩和ケア病棟では、長期的な入院が必要なケースでも入院を見送られる可能性があります。これは、緩和ケア病棟の平均滞在期間が約30日とされていることが理由です。
ホスピス型住宅の場合は、在宅での療養が可能な場合でも入居可能な場合もございます。
入居を検討している各施設にご相談ください。
ホスピスの主な対象はがん末期やエイズなど、終末期に苦痛を伴う患者さまです。まだ治療の選択肢がある段階では、緩和ケアよりも治療が優先されるため、ホスピスは原則利用できません。また、病状が急変して緊急の治療が必要な場合も、ホスピスの利用は難しくなります。
しかし、ホスピス型住宅の場合は、積極的治療中でも治療目的によっては入居できる場合もあります。
施設によっては、特定の条件があり、それに該当しない場合は受け入れが難しいことがあります。
たとえば、感染症のリスクが高い場合、他の入居者への感染を防ぐため、受け入れが制限されることがあります。また、施設のベッド数には限りがあるため、希望者が多い場合にはすぐに入院・入居できない場合があります。
ホスピスの利用を検討する際には、事前に見つけ方や入院する時期、そして滞在期間について理解しておくことが重要です。
ホスピスを見つける方法はいくつかあります。まずは、かかりつけ医やケアマネジャー、ソーシャルワーカーなどに相談してみてください。入院を勧められることもあれば、適切な施設を紹介してもらえる可能性もあります。
また、次のような相談窓口を利用することで、自身にあったホスピスを見つけることができるかもしれません。
相談窓口 | 内容 |
---|---|
がん相談支援センター | 全国の「がん診療連携拠点病院」や「小児がん拠点病院」「地域がん診療病院」に設置されている |
地域包括支援センター | 高齢者の介護や医療、生活に関する相談ができる地域の窓口 |
医師会の在宅医療介護連携支援室 | 在宅医療や介護に関する相談を受け付けているが、設置状況は地域によって異なる |
特に地域包括支援センターは、ホスピス探しだけでなく、介護や医療、生活に関する幅広い相談にも対応しています。
また、最近ではホスピスケアを提供する特別養護老人ホームや有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅も増加しているため、緩和ケア病棟以外にも選択肢を広げて検討しましょう。
ホスピスに入院するタイミングの目安は、本人が「苦痛を和らげたい」「自分らしく最期を迎えたい」と強く望んだときです。基準は施設によって異なりますが、たとえばがん治療中に「自分のペースで最期を過ごしたい」「家族と穏やかな時間を持ちたい」と感じた際は、ホスピスを検討する良い機会でしょう。
ホスピス型住宅の場合、自宅介護でご家族が疲弊している際もご相談によりご入居可能な場合もあります。自宅介護が限界になる前にケアマネジャーや上記の相談窓口にご相談ください。
ホスピスの滞在期間は、施設の種類によって異なります。
緩和ケア病棟(病院) | ホスピス型住宅(介護施設) |
---|---|
約30日 | 滞在期間の定めなし |
(平均的な滞在期間) | (終身利用が可能) |
病院のベッド数や医療資源に限りがあるため、入院期間が制限されることが一般的です。30日以上の入院を希望する場合は、医師の判断と施設の状況に応じて検討されます。 | 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などのホスピス型住宅では、「住まい」としての位置づけが強く、入居期間に制限を設けないところが多いです。 |
どちらのタイプの施設においても、本人の意思と医師の許可があれば、退院して在宅ケアに移行できます。
また、症状が落ち着いた後に在宅で療養を続け、症状が悪化した際には再入院することも可能です。
ホスピスを利用する際の手順や条件は事前にしっかりと理解しておくことが大切です。ReHOPEでは、入居者一人ひとりに合ったケアを提供し、穏やかな日々を過ごせる環境を整えています。ホスピスを検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。
ReHOPEは、がん末期や難病を抱える方々を対象にしたホスピス型住宅です。医療・介護の専門スタッフが、24時間365日体制で安心できるケアを提供し、ご入居者さまが自分らしい生活を送れるようサポートしています。
施設内はご入居者さまのご自宅。プライバシーが守られた空間で、日常生活の支援から医療的なケアまで、きめ細やかなサポートを受けられるのがReHOPEの特徴です。
「焼き魚を食べたい」「桜を見たい」といった日々の願いから、あきらめていた挑戦まで、一人ひとりの「やりたい」によりそいます。そして、知恵を振り絞り、安全を守りながら、ご本人やご家族とともに実現していきます。
入居をお考えの方には施設の見学も随時受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。