ホスピス型住宅のReHOPE | ホスピス・介護の基礎知識 | 介護施設を知る | 療養型病院とは?入院にかかる費用や一般病床との違いについて解説
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この記事の監修者

藪 康人(やぶ・やすひと)
株式会社シーユーシー・ホスピス 代表取締役
プロフィール
2006年慶應義塾大学看護医療学部卒業後、大学病院で約5年間勤務。働くなかで、医療現場の知見を仕組み化するスキルを身につけたいと考え、大学院でMBAを取得。2018年CUCへ中途入社。病院事業部で事業譲渡や病院の立ち上げ、事務長・看護部長としてのマネジメント、医療マネジメント職の人材育成に取り組む。2025年シーユーシー・ホスピス 代表取締役 就任
療養型病院の入院対象となるかは医療区分やADL区分によって判断され、平均的に4カ月ほどの期間入院しています。長期の入院となれば費用がどのくらいかかるのか、どのような医療を受けることができるのか気になる方も多いでしょう。
本記事では療養型病院の入院対象やかかる費用、入院までの流れについて解説します。
療養型病院とは長期的な療養が必要な患者が入院する、主な病床が療養病床である病院の通称です。
病床は医療法で特定の病気の人が入院する結核病床、感染症病床、精神病床の3つと、それ以外の病気の人が入院する一般病床と療養病床の2つに分けられます。
その中で療養病床は「長期にわたって療養が必要な方を入院させるための病床」と位置づけられています。
そのため、一般的に病気やケガで入院する場合は約15日、重病や精神疾患などの場合では1カ月ほどが退院までの目安期間となりますが、療養型病院の場合は平均的に退院まで4カ月ほどと、長い期間の入院になります。
療養型病院では、長期的な医療ケアやリハビリテーションなどのサービスを提供しており、これが一般的な病院との違いとなっています。長期入院における生活の質を考え、談話室・食堂・浴室などの設備が充実しています。
療養型病院と併せて検討される選択肢に、ホスピス型住宅があります。ホスピス型住宅とは、がんや難病の進行によって治療が困難になった方に、身体の痛みや精神的な不安をやわらげるホスピスケア(緩和ケア)を提供する施設です。
療養型病院とホスピス型住宅の違いについては、以下表を参考にしてください。
| 療養型病院 | ホスピス型住宅 | |
| 特徴 | 24時間体制の医療が提供され、長期間の入院ができる療養病床を主とした病院 | 住宅(生活の場)としての機能を重視
がん末期や難病に必要な医療的ケアを受けながら、「自分らしい生活」に重点を置いた住宅型施設 |
| 滞在期間 | ![]() 病院の中では長く、平均4カ月ほどの滞在が可能 |
![]() 入居期間の定めがない |
| 医療設備 | ![]() 医療設備が充実している |
![]() 病院のような医療設備はなし。人工呼吸器など普段使用している医療機器を持ち込むことは可能 |
| 医師の常駐 | ![]() 常駐している。患者48名に対して1名の医師を配置 |
![]() 訪問診療で月2回の往診が目安。緊急時は24時間往診対応可能 |
| 居室 | ![]() 談話室や食堂などがあり、一般病棟よりは生活の場に近い。複数人で過ごす相部屋が多い。差額ベッド代を支払えば個室も可能 |
![]() 個室が基本。家具や私物の持ち込みOK |
| 家族や友人との面会 | ![]() 病院の方針によってさまざま |
![]() 原則、面会制限は設けず予約による夜間の面会も可能 |
| 外出や外泊の自由度 | ![]() 外出や外泊の制限は厳しめ |
![]() 家族の付き添いや医師との相談のもと、外出や外泊がしやすい |
療養型病院とホスピス型住宅では、違いとしてその医療体制があげられます。療養型病院では24時間体制で必要なときにいつでも医療ケアが受けられますが、ホスピス型住宅での医師の診療は、訪問診療を利用した月に2回程度が目安となっています。
なお、ホスピス型住宅でも緊急時の場合などでは、必要に応じて24時間の往診が利用可能です。療養型病院は医療を重視している一方、ホスピス型住宅は生活の場としての側面が強く、「自分らしい生活」を重視していることも違いのひとつです。
またホスピス型住宅では、基本的に積極的な治療は行わず(希望される場合には、医療機関との連携による治療やリハビリを受けることも可能)、終末期の残された時間をよりよく過ごすための苦痛緩和や日常的な介護などのサポートを行いますが、療養型病院は回復が見込まれる場合の治療やリハビリを提供する点も特徴です。そのため、療養型病院はホスピス型住宅とは異なり、終末期に特化しているわけではありません。なお、療養型病院でも看取りに至るケースもあります。
ホスピスについて詳しくは別記事「ホスピスとは?施設の特徴や病院との違い・対象者や費用について解説」をご覧ください。
療養型病院への入院を検討する際、一緒に検討されることが多いのが介護医療院です。療養型病院と同様に入院期間は長期となりますが、対象となる方や目的に違いがあります。
療養型病院と介護医療院、一般病床はそれぞれの違いについては以下の通りです。対象や目的、入院の期間などによって違いがあります。
| 療養型病院 | 介護医療院 | 一般病床 | |
| 対象 | 慢性疾患で長期的な療養が必要な方 | 医療面と生活面の両方で支援が必要な要介護者 | 病気やケガなどの初期段階(急性期)の患者 |
| 目的 | 病状安定後の継続的な管理・リハビリ | 生活の場として要介護者に必要な医療や介護を提供すること | 検査、手術などの治療の完結 |
| 入院期間 | 長期(平均4カ月程度) | 長期(平均1年4カ月程度) | 短期(数日~3カ月程度) |
| 適用保険 | 医療保険 | 介護保険 | 医療保険 |
療養型病院には、誰でも入院できるのでしょうか。療養型病院の入院対象者は、主に病院での療養が継続的に必要な方のうち、医療必要度の高い患者です。
医療必要度の高さは医療区分やADL区分(日常生活自立度)によって判断され、療養型病院は医療区分が2〜3に当てはまる方が多くいます。
一方で、医療区分1に当てはまる方の場合は、老人保健施設などに入居するのが一般的です。なお、医療区分は抱えている病気や必要な処置によって分けられる仕組みで、医師・医療チームが判断します。
具体的な医療区分については、後述する「医療区分とADL区分」をご確認ください。
療養型病院について調べると、慢性期病院や慢性期療養型病院という表記を目にする機会もあるでしょう。慢性期療養型病院とは、病状の安定した慢性期の患者が引き続き治療やリハビリの目的で長期的に入院させる機能を担う病院です。
療養型病院は前述の通り医療法によって分類されていますが、慢性期病院は高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4つのうち、どの機能を果たすかを病棟単位で都道府県に報告する病床機能報告制度によって分けられ、慢性期を選択した病院が慢性期療養型病院に該当します。
慢性期とは、急性期を抜けたあとも引き続き自宅や一般の介護施設などでは対応できない医療行為が日常的に継続して必要な期間です。主な医療行為の例としては点滴・たん吸引・酸素吸入などの治療があげられます。
慢性期と急性期の主な違いを以下にまとめました。
| 急性期 | 慢性期 | |
| 時期 | 発症直後〜約1ヶ月程度 | 約4カ月程度 |
| 対象となる方 | 手術直後や重症の患者 | 高齢者や慢性疾患、難病の患者 |
| 患者の状態 | 不安定で急変のリスクあり | 安定的で命の危険はないが、障害や疾患が続く |
| ケアの目的 | 病状の安定化 | 日常生活の支え |
| 主な提供サービス | 手術や高度な検査など | 投薬管理やたん吸引、リハビリ、介護など |
| 入院期間の目安 | 短期(数日〜14日程度) | 長期(数ヶ月〜年単位・終身) |
急性期病院は、症状の急変等にも対応できるよう24時間の監視体制があり、症状が落ち着くまで治療を行います。病状が落ち着くと次のステップである回復期病院や慢性期病院への移動が求められます。
一方、慢性期は安定的に日常生活を送れるよう医療やリハビリなどのサポートを行う場所です。難病や後遺症などを抱えた方が穏やかに過ごすための医療と介護を提供します。
療養型病院にかかる入院費用は、ほかの病棟や一般的な病院と比較して異なるのでしょうか。療養型病院に入院する際にかかる費用は、主に以下の4つです。
このほか、該当する医療区分によっても発生する費用は異なるため注意が必要です。なお、療養型病院への入院には医療保険が適用できます。
以下でそれぞれの詳細を見ていきましょう。
医療区分とは、医療の必要性を評価するために、疾患や状態、医療処置などを厚生労働省が3段階に分類したものです。区分の数字が大きい方が、より医療の必要度が高くなることを示しています。
なお、令和6年の診療報酬改訂により、これまでは医療区分が疾患、処置で共通だったところ、「疾患・状態」と「処置」で分かれることになりました。
| 疾患・状態に係る医療区分 | 処置などに係る医療区分 | ||
| 医療区分3 |
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| 医療区分2 |
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| 医療区分1 | 医療区分2・3に該当しない方 | ||
ADL区分とは、日常生活を送る上で最低限必要な動作を、患者自身でどの程度まで行えるかを判断する指標のことです。ADL区分には3段階の評価基準があり、数値が高いほど重度が高いことを示しています。
ADL区分において評価を行う動作の種類4つと評価点数は、以下のとおりです。
病院によって異なりますが、ADL区分の評価は看護師やリハビリスタッフ、介護士などが判断します。
出典:厚生労働省|令和6年診療報酬改訂の概要
参考:竹丘病院|医療区分について
療養型病院の入院医療費は、医療区分やADL区分によって異なる仕組みです。令和6年に診療報酬の改訂が行われたことにより、1日あたりの入院料は30通りへと変化しました。自身の入院料については、医師や看護師などが医療区分・ADL区分を評価した後に決まります。
なお、入院医療費には医療保険が適用されるため、実際の自己負担額は1割〜3割です。医療保険の自己負担割合は自身の年齢や所得状況によって変わりますので、事前に確認しておきましょう。
療養型病院に入院している際の食費は、個人の病状や所得によって金額が定められています。入院中にかかる1食あたりの費用は収入や抱えている病気によって異なりますが、一般的には1食につき510円です。
そのため、1カ月入院したと想定して1日3食30日利用した場合の費用は、約4万5,900円となります。
居住費とは、65歳以上の方が療養型病院に入院する際にかかる費用です。以下表のように、難病患者以外の方は1日あたり370円の費用がかかります。
| 区分 | 1日あたりの居住費 |
| 一般 | 370円 |
| 難病患者 | 0円 |
| 住民税非課税の方 | 370円 |
| 年金収入80万円以下の方 | 370円 |
なお、居住費は65歳以上の方にかかる費用であり、65歳未満の方が療養型病院に入院する際にはかかりません。1カ月療養型病院に入院したとして、毎月かかる居住費は目安として約1万1,000円です。
療養型病院では、病院によってさまざまなサービスを提供しています。中には保険対象外で自己負担が必要なサービスもあり、たとえば以下のとおりです。
金額は病院によって異なるため、保険適用外のサービスを利用したいと考えている方は、事前にスタッフなどに確認しましょう。
長期の入院や治療で入院費用が高額になることもあるでしょう。そんな時に使える制度として、高額療養費制度というものがあります。
高額療養費制度とは、1ヶ月の医療費の自己負担額が上限額を超えた場合に、その超過分が後の払い戻しを受けることができる制度です。
また、事前に医療費が高額となることがわかっている場合は事前に限度額認定証の取得をおすすめします。限度額認定証を取得することで、はじめから医療費を上限額までの支払いにすることが可能です。
マイナ保険証をお持ちの方はマイナ保険証を利用することで高額療養費制度も限度額認定証も手続き不要で適用されます。
出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット」
入院される方のうち、国が指定する「指定難病」の受給者証を持っている方は、「難病医療費助成制度」を利用できる場合があります。
難病医療費助成制度は、難病の治療で発生する医療費や介護費の自己負担額を軽減する制度です。上述した高額療養費制度とあわせて利用することも可能で、長期入院における経済的負担を大幅に軽減できるケースがあります。
制度の利用には、対象条件などを満たしている必要があるため、自身が住んでいる自治体の保健所や、病院のソーシャルワーカーへ相談するようにしましょう。
出典:難病情報センター「指定難病患者への医療費助成制度のご案内」
療養型病院への入院までの流れは大まかに分けて以下のとおりです。
ここでは、療養型病院に入院するための手順について解説します。
まずはじめに専門の方へ相談して療養型病院への入院準備を進めていきましょう。現在入院中の方が転院先として療養型病院を検討している場合は、現在入院中の病院にいるソーシャルワーカーの方へ相談しましょう。
現在は入院しておらず自宅にいる場合は、居住地の市町村にある介護保険課や地域包括センターで相談することができます。
療養型病院の候補を選定し、審査に必要な書類などの準備を始めます。診療情報提供書や検査データなどの書類は、転院元の病院やかかりつけの病院から発行してもらえます。
必要書類の準備が完成次第、療養型病院へ書類を送付します。病院側で書類を基に受け入れ可能かを審査します。
療養型病院が受け入れ可能であれば、実際に施設へ足を運び、病院の雰囲気や方針などを確認します。今後の入院生活で不安な点や事前に確認しておきたいことがあれば、この面談の際に聞いてみましょう。
現在入院中の方は今の病院の退院日の兼ね合いもあるので、両方の病院と調整の上、入院日を決定します。入院までに準備が必要なものがある場合は、入院日までに用意しておくようにしましょう。
療養先の種類はいくつかあり、それぞれに特徴があります。病状や必要なケア、目的などによって療養先の施設をどこにするかを選びましょう。
療養型病院は医療依存度が高い方に適しています。病院としての機能が最も高く、病院にいるという安心感を求める方におすすめです。しかし、生活の場はあくまでも病室なので、生活の自由度は低いでしょう。
介護医療院は要介護度が高く、生活の支援をメインとして考えている方に適しています。介護保険内で医療と生活支援の両方を受けられるため、費用を抑えつつ看取りまで対応できます。しかし、介護医療院は4人部屋などの多床室が一般的です。カーテン等で仕切られるものの、生活音やケアの様子が伝わりやすいためプライバシーが守られにくい場合があります。
ホスピス型住宅は手厚いケアや住環境を重視する方に適しています。末期がんや難病の方は医療保険が適用されるため、手厚いケアを受けることができます。また、個室で24時間の面会が可能な場所が多く、自宅のような環境で自分らしく過ごすことができます。しかし、主にがん末期や難病の人を対象としているため、症状や主病名によっては入居条件を満たさない可能性があります。
療養型病院は、慢性的な病気により長期の医療・看護を必要とする患者のために設けられた、療養病床を主な病床とする病院の通称です。主に医療区分2〜3と診断された患者が入院対象となる傾向があり、平均的に4カ月ほどの期間入院しています。
また、療養型病院のほか、ホスピス型住宅や緩和ケア病棟という選択肢もあるでしょう。症状や病気の進行度、求める生活や医療ケアによって納得できる施設を選んでください。
療養型病院とは、療養病床を主な病床として設置している病院の通称です。病状自体は安定しているものの長期的な医療ケアを必要としている患者にとって、おすすめの選択肢だといえます。
詳しくは記事内「療養型病院(療養病床)とは」をご覧ください。
療養型病院とホスピス型住宅は、病院と施設という点で設備や環境、利用ルールなどが違います。療養型病院は24時間体制の医療が提供され長期間入院できることが特徴で、ホスピス型住宅は「自分らしい生活」を送るための生活の場としての機能が強い点が主な違いです。
詳しくは記事内「療養型病院とホスピス型住宅の違い」をご覧ください。
療養型病院への入院にかかる費用は主に入院医療費、食費、居住費、その他自己負担費用の4つに分けられます。
入院医療費は医療区分やADL区分によって異なりますが、一般的に食費は一カ月約4万5,900円、居住費は一カ月約1万1,000円ほどかかります。
詳しくは記事内「療養型病院への入院にかかる費用」をご覧ください。
療養型病院を検討している方で、「ホスピス型住宅も一度見学してみたい」と考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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