ホスピス型住宅のReHOPE | ホスピス・介護の基礎知識 | ホスピスの基礎知識 | 在宅人工呼吸器の種類と費用は?使用時のポイントもわかりやすく解説
投稿日: 更新日:

この記事の監修者

河合 章子(かわい しょうこ)
株式会社シーユーシー・ホスピス 運営本部 運営支援室 ケア技術向上推進チーム
プロフィール
1997年から東海大学医学部付属病院で22年間勤務。2005年に集中ケア(現:クリティカルケア)認定看護師資格取得。大学病院では集中治療室(ICU)や救命救急センターに勤務。その間、臨床業務と並行し、RST(呼吸ケア回診)チーム立ち上げや認定看護師指導にも携わる。2019年、株式会社シーユーシー・ホスピスに入社後、ReHOPE 鷺沼勤務を経て、現在は緩和ケアや人工呼吸器ケア、言語聴覚士などがエキスパートとして施設支援を行うケア技術向上推進チームのリーダーとして勤務。
在宅人工呼吸器とは、呼吸器疾患や神経筋疾患の方がご自宅で生活を送れるよう、呼吸をサポートする医療機器です。在宅人工呼吸器の導入を考える際に、生活が大きく変わるのではと不安を感じる方もいるかもしれません。
しかし、導入後は医療機関や訪問看護、介護サービスなどの支援によって、ご本人やご家族の負担を減らし、安心して日常生活を過ごすことが可能です。
本記事では、在宅人工呼吸器の種類や費用、使い方、利用できる制度についてわかりやすく解説しています。ぜひ最後までご覧ください。
在宅人工呼吸器とは、自力で十分な呼吸が難しい方や換気補助が必要な方が、自宅でも呼吸できるようにする、人工呼吸器による補助換気を行う医療機器です。
酸素の取り込みと二酸化炭素の排出を助け、患者さまの呼吸を支援する機能をもっています。なお、自宅で人工呼吸器を使用して呼吸管理を行う医療処置のことを「在宅人工呼吸療法(Home Mechanical Ventilation:HMV)」と言います。
近年、人工呼吸器の小型化や性能の向上、在宅医療体制の整備により、長期の人工呼吸管理が必要な患者さまでも、入院せずに自宅で療養することが可能になってきました。普段どおりの生活を過ごしながら、自宅で呼吸器を使った医療措置を受けられるようになったのです。
また、この治療を受けるには以下の条件を満たす必要があります。
「自宅で人工呼吸器を使うのは大変では?」と不安に感じるかもしれません。しかし、医師や看護師など、さまざまな専門家がご本人やご家族を支えてくれますので、ご安心ください。
人工呼吸器は、呼吸器自体や呼吸する筋肉、それをつかさどる神経に問題がある方の呼吸運動を補助する役割があります。具体的に在宅人工呼吸器が必要となる方は、主に以下のとおりです。
具体的な病気のなかでは、主に以下のような方が利用しています。
在宅人工呼吸器の種類には主に以下の3つがあり、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。
これらの在宅人工呼吸器とは別にCPAP やBiPAPと呼ばれる睡眠時無呼吸症候群の治療に使用される機器との違いについても紹介します。
NPPVは鼻と口、または鼻のみを覆うマスクを装着し、人工呼吸器の補助を受ける方法です。意識がはっきりしており自発呼吸・排痰ができる状態の方が使用できます。
| 特徴 | 鼻や口を覆うマスクを装着して人工呼吸器を使用する |
| 対象になる主な病気 | 神経筋疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺結核後遺症、肥満低換気症候群、後側弯症 |
| メリット | ・気管切開をしないため、体の負担が少ない
・食事や会話が可能 |
| デメリット | ・マスクの装着部位に皮膚トラブルが起きやすい
・口呼吸やマスクの隙間によって、呼吸のサポートが不十分になることがある |
TPPVは、気管に孔をあける気管切開をおこない、気管カニューレという管を挿入して人工呼吸器とつなぐ方法です。これにより、安定した呼吸の管理が可能になります。
TPPVの導入は、NPPVを導入している方が自力で排痰できないなど、呼吸障害が進行した場合に検討されます。
| 特徴 | 気管切開をおこない、気管カニューレと人工呼吸器をつないで呼吸を管理 |
| 対象になる主な病気 | 神経筋疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症・間質性肺炎、肺結核後遺症、後側弯症 |
| メリット | ・24時間安定した呼吸管理が可能
・呼吸の状態にあわせた細かい調整が可能 |
| デメリット | ・痰の吸引が必要
・皮膚トラブル ・感染のリスクがある ・発声や飲食に制限が生じる可能性がある ・1〜2カ月おきに気管カニューレの交換が必要 |
MPVとは、患者さまが必要な時に直接マウスピースを咥えることで、人工呼吸器から空気を取り入れられる方法です。MPVは、マスクをつけずに使用できるため、より素早く手軽に呼吸の補助ができるようになります。
画像の挿入
| 特徴 | 患者さま自身がマウスピースを咥えて使用する仕組みで、素早く空気を取り入れられる |
| 対象になる主な病気 | 筋疾患、神経疾患、慢性的な呼吸不全など |
| メリット | ・マスクを使用せずに使える
・より早く人工呼吸器を使える |
| デメリット | ・MPVに対応するには一定の呼吸機能があることが前提となる
・終日使用するには不向き |
CPAPは、主に睡眠時無呼吸症候群の治療用に用いられる持続陽圧呼吸療法です。BiPAPはCPAPでの治療効果が見られない場合に用いられる他、神経難病の患者さまの治療にも用いられます。
| 種類 | CPAP(持続陽圧呼吸療法) | BiPAP(二相性陽圧呼吸療法) |
| 仕組み | 一定の陽圧を気道に送り続ける | 2つの異なる圧力を気道に送る |
| 圧力 | 1段階 | 2段階 |
| メリット | ・使いやすい
・携帯性に優れている ・BiPAPに比べてコストが安い |
・より楽な呼吸を実現
・重度の呼吸障害にも対応できる可能性が高い |
| デメリット | ・一定の圧力による不快感を覚えるケースがある
・重度の呼吸障害には対応できない場合もある |
・複雑な装置のため操作が難しい
・CPAPと比べてコストが高い |
| 向いている人 | 睡眠時無呼吸症候群をはじめとした、呼吸障害を抱える方 など | 複雑な睡眠関連呼吸障害を含む、神経難病などによる重度の呼吸障害を抱える方 など |
なお、これらは人工呼吸器とは目的や機能が異なるため、以下で違いを確認しておきましょう。
CPAPは、一定の陽圧を気道に送り続けることで、呼吸をサポートする療法です。
日常的な呼吸をサポートする人工呼吸器とは異なり、あくまでも睡眠時に気道がふさがらないようにサポートする目的で使用されます。
換気量やその回数、陽圧と陰圧の切り替えなどを細かく設定できる人工呼吸器は重度の呼吸障害を抱える方や、手術時の麻酔中などに用いられますが、CPAPの主な対象は睡眠時無呼吸症候群の治療です。
BiPAPは、二つの異なる陽圧を吸い込むときと吐くときで調整することで、より快適な呼吸をサポートする療法です。
CPAPが一定の陽圧をかけ続けるものである一方、BiPAPは呼吸に合わせて圧を変化させるため、気道が塞がるのを防止するだけでなく呼吸そのものの補助も行います。
BiPAPは、CPAPが使用できない睡眠時無呼吸症候群の方の治療や、神経難病などの理由で呼吸の補助が必要な方の呼吸補助に用いられます。
在宅人工呼吸器にかかる費用は医療保険が適用されるため、ご本人の負担額は1割〜3割程度です。月々にかかる費用は「在宅人工呼吸指導管理料」+「人工呼吸器加算」の合計額となります。
以下に、在宅人工呼吸器にかかる負担額をまとめました。
| 費用 | 人工呼吸器の種類 | 点数 | 1割 | 2割 | 3割 |
| 在宅人工呼吸指導管理料 | - | 2,800点 | 2,800円 | 5,600円 | 8,400円 |
| 人工呼吸器加算
※在宅人工呼吸を行っている患者が、人工呼吸器を使用した場合に加算 |
陽圧式人工呼吸器
※気管切開口を介した陽圧式人工呼吸器を使用した場合 |
7,480点 | 7,480円 | 14,960円 | 22,440円 |
| 人工呼吸器
※鼻マスクや顔マスクを介した人工呼吸器を使用した場合 |
6,480点 | 6,480円 | 12,960円 | 19,440円 | |
| 陰圧式人工呼吸器
※陰圧式人工呼吸器を使用した場合 |
7,480点 | 7,480円 | 14,960円 | 22,440円 |
出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する告示(令和6年厚生労働省告示第57号)別表第一」
たとえば、TPPVを利用している場合、1カ月の負担額は次のとおりです。
| 【自己負担例(月額)】 | |||
| 自己負担割合 | 1割 | 2割 | 3割 |
| 在宅人工呼吸指導管理料+
人工呼吸器加算(TPPVを利用している方) |
10,280円 | 20,560円 | 30,840円 |
医療保険についての詳細は「訪問看護とは?サービス内容や利用方法について解説」の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
なお、上記で説明した在宅人工呼吸器の費用はあくまでも最低限の医療費です。実際には、以下の費用が追加で発生する可能性があります。
これらを含めると、月々の支払いが高額になってしまうかもしれません。この場合は、費用負担を軽減するために、公的な助成制度を積極的に活用しましょう。
たとえば、吸引器やパルスオキシメーターなどは、在宅療養等支援用具として自治体から一部補助が出るケースもあります。ただし、自治体により補助金額は異なるため、お住まいの自治体の窓口にお問い合わせください。
ここからは、在宅人工呼吸器を導入するための費用を減らすための制度を解説します。
在宅人工呼吸器を使用する方は、レンタルや購入が必要な機器や消耗品が多く、経済的な負担が大きくなりがちです。助成が受けられる制度を知り、うまく活用して費用の負担を軽減しましょう。
以下に、費用負担を減らすために利用できる制度をまとめました。
在宅人工呼吸器を使用している場合は、いずれかの制度が対象となる場合があるため、どれが対象となるのかをケアマネジャーなどに確認するのがおすすめです。
「指定難病」とは、国が定める「治療が難しく、長期間の医療が必要な希少な病気」です。難病情報センターによると、令和6年4月時点で341の病気が指定難病に認定されています。この制度により指定難病に認定された方が、医療を継続できるように医療費が助成されます。
とくに、指定難病で在宅人工呼吸器を装着した場合は、所得に関係なく医療費の自己負担の上限額が月額1,000円になります。対象となる場合は、必ず申請をしましょう。申請方法などは、下記の「難病情報センター」に掲載されています。ただし、指定難病の要件を満たすかどうかは、個別に医師や都道府県などによって審査されます。
なお、指定難病について詳しく知りたい方は、別記事「指定難病とはどんな病気?指定難病の定義や利用できる施設について解説」をご確認ください。
出典:難病情報センター
「高額療養費制度」とは、1カ月の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合、超えた金額が後から払い戻される制度です。
マイナンバーカード(健康保険証の利用登録を行っているもの)もしくは限度額認定証(事前に健康保険組合に申請するもの)を医療機関の窓口で提示できる場合は、最初から支払う額を自己負担の限度額に抑えることができます。
なお、70歳以上の方は、限度額認定証がなくても健康保険証と高齢者受給者証を窓口で提示することで、支払が自己負担の限度額に抑えられます。
「高額介護合算療養費制度」とは1年間(毎年8月1日から翌年の7月31日)の医療費と介護費の自己負担額の合計が、一定を超えた場合に支給される制度です。いずれも健康保険組合・国民健康保険・後期高齢者医療制度の保険者が利用できるため、申請を忘れずに行いましょう。
高額療養費制度については「ホスピスの費用はどれくらい?平均相場や入居条件についても徹底解説」の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度」
出典:内閣府「高額介護合算療養費制度」
在宅人工呼吸器使用患者支援事業とは、在宅人工呼吸器を使用する方を支援するため、各自治体が訪問看護の費用を負担する制度のことです。在宅人工呼吸器を使用している方は、訪問看護について週4回以上可能など、必要であれば通常の訪問介護より多く利用できます。
支援事業の対象となる方は、主に以下のとおりです。
各自治体が負担する金額は、自治体によって異なる場合があります。東京都、愛知県、福岡県における例は、以下を参考にしてください。
| 都道府県 | 負担額 |
| 東京都 | 5,050円〜8,450円/回 |
| 愛知県 | 5,050円〜8,450円/回 |
| 福岡県 | 5,050円〜8,450円/回 |
これらの金額は、誰が訪問看護を行うか(准看護師か看護師かなど)や、医療機関によるものか訪問看護ステーションによるものかによって異なります。
出典:東京都保険医療局「在宅人工呼吸器使用難病患者訪問看護事業」
出典:愛知県「在宅人工呼吸器使用患者支援事業」
出典:福岡県「福岡県在宅人工呼吸使用患者支援事業」
なお、自分が対象となるかは自治体のWebサイトで必ず事前に確認しておきましょう。もしくは、自治体の窓口やかかりつけ医、ケアマネジャーなどに確認してみてください。
人工呼吸器を使用する場合、状態によっては障害者総合支援法の対象となり、身体障害者手帳の取得が可能です。身体障害者手帳は等級で分かれており、障害の程度を示しています。
呼吸器機能障害の場合は1級〜4級があり、それぞれ予測肺活量や血中ガス量、医師の所見を基準に認定されます。申請する際に自治体の福祉課に提出する書類は、以下のとおりです。
※住民票や印鑑が必要な場合があります。
申請後、交付までは1〜2カ月かかります。詳しくは、お住まいの地域の福祉担当窓口にお問い合わせください。また、認定されると以下のような支援を受けられます。
なお、自治体によっては独自の支援事業を設けている場合があります。詳細はお住まいの自治体の窓口で確認しましょう。
医師が在宅人工呼吸器の使用を提案しても、すぐに在宅療養が始まるわけではありません。医療機関や医療機器メーカーによるトレーニング期間があり、ご本人やご家族が安心して在宅で過ごせるよう準備を整えます。
以下では、導入までの流れと日常生活の変化を詳しくみていきましょう。
在宅人工呼吸器を導入するまでの流れは、以下のとおりです。
なお、在宅療養が始まったあとも、医師や看護師、医療機器メーカーによるサポートは継続されます。不安や疑問を感じたら、遠慮せずに相談していきましょう。
在宅人工呼吸器を使用すると、患者さま本人とご家族の日常生活に変化があります。
患者さまは、人工呼吸器を使用しているからといって、必ずしも寝たきりになるわけではありません。状態が安定していれば、車椅子への乗車による外出もできるでしょう。
なお、変化の程度は、使用する人工呼吸器の種類によって異なります。
マスクを利用するNPPVは比較的自由度が高く、食事や会話が可能です。一方、気管切開を行うTPPVは、会話や食事に制限が出る場合があります。吸引や切開部のケアも必要なため、介護度が高く感じるかもしれません。
ご家族の方々は、日常的なサポートが必要になります。常に呼吸の状態を気にかけながら生活することになるため、ストレスが溜まってしまうこともあるでしょう。
そこで、負担を抱え込みすぎないように、訪問入浴や訪問介護などのサービスをうまく活用するのがおすすめです。なお、訪問看護と訪問介護について詳しく知りたい方は、別記事「訪問看護と訪問介護の違いは?両方を使うことはできる?サービス内容を詳しく解説」をご覧ください。
日常生活を過ごすうえで、気を付けるべき点をまとめました。
以下でひとつずつ説明していきます。
人工呼吸器の周辺は、安全で使いやすい環境を整えることが大切です。設置の際は、医師から指示を受けた医療機器メーカーがご自宅を訪問し、人工呼吸器を適切な場所に配置します。
人工呼吸器は、安定した平らな場所で、電源に近い場所に置くのが基本です。不安定な場所では落下や誤作動の原因になりますので、注意してください。
また、やむを得ず延長コードを使用する場合は、コードが絡まったり抜けたりしないよう固定し、他の電化製品との併用は最低限にしましょう。人工呼吸器は電源が切れると機能しないため、コンセントが抜けていないか、電力が供給されているか定期的な確認が必要です。
気管切開を行うTPPVの場合は、定期的な吸引が必要になります。看護師や介護士の不在時は、ご家族の対応が必要になる場合もあるでしょう。
また、排痰を促すために加湿の調整や体位の調整などの工夫を行い、呼吸状態を管理することも欠かせません。いずれも導入前のトレーニングで指導がありますが、不安な点があれば訪問看護師に相談しながら少しずつ慣れていきましょう。
人工呼吸器は精密機器のため、日常的な点検と専門家の定期的な点検が欠かせません。日々の点検を習慣づけることで、異常に早く気づき、適切な対処ができるでしょう。医療機関からチェックリストが渡されるので、日々の点検に活用してみてください。
主なチェックポイントは、次のとおりです。
ご本人の容態が急変したり、人工呼吸器に不具合が生じた場合、専門家の到着までご家族が対応しなければいけない可能性があります。あらかじめ看護師と対応手順を確認し、練習しておくことが大切です。
緊急時に慌てないようにするために、以下のポイントを押さえておきましょう。
日頃から備えておくことで、いざという時も落ち着いて行動ができます。定期的に練習をしておくと、より安心です。
停電などの災害時には、人工呼吸器以外にも加温加湿器や吸引器などの電力が必要になります。非常用電源については、人工呼吸器自体のバッテリーだけでは足りなくなる場合もあるため、可能な限り準備しておきましょう。
通常の災害対策に加え、人工呼吸器のために以下の準備も必要になります。
災害時の対応については、医療スタッフと定期的に確認し、必要な備えを点検してもらいましょう。また、人工呼吸器の非常時の扱いについては、医療機器メーカーから指導を受けておくと安心です。万が一に備え、日頃から準備を意識しておきましょう。
なお、訪問診療医や訪問看護師、医療機器メーカーも一緒に管理や点検を行うため、ご本人やご家族だけですべてを抱え込む必要はありません。専門職と連携しながら、少しずつ理解を深めていくことが大切です。
トラブルや不明点があれば、訪問診療医や訪問看護師などに相談しましょう。
人工呼吸器を使用する場合、自宅だけでなく医療体制が整った施設に入居する選択肢もあります。ご本人の状態によっては、食事や排泄、入浴など24時間のケアが必要になるケースもあり、ご家族のサポートが欠かせません。
とくに気管切開を行うTPPVの場合、夜間も呼吸状態の確認や吸引が必要になる可能性があります。人工呼吸器を受け入れている施設では、24時間看護師や介護士が常駐し、適切な医療サポートを受けながら生活できます。
たとえば、当社の運営するホスピス型住宅ReHOPEでは、人工呼吸器を使用している方の受け入れを行っています。ホスピス型住宅の他にも、介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホーム、介護医療院などがあります。
それぞれの施設の詳細は別記事「老人ホームの種類と特徴を比較!費用・介護度別の選び方」を、ホスピスを利用する流れについては、「ホスピスを利用する流れは?利用条件や入院・入居に必要な手続きについて」をご覧ください。
すぐに入居を考えなくても、将来的な選択肢のひとつとして、施設の情報を知っておくと安心でしょう。気になる場合は、看護師やケアマネジャーに相談してみてください。
在宅人工呼吸器は、自力での呼吸が難しい場合に使用する医療機器です。適切に利用することで、住み慣れた環境で必要な医療処置を受けながら、安心して過ごすことができるでしょう。
一方で、医療依存度が高い状態では、ご家族による24時間のケアが必要となるケースもあります。訪問看護などのサービスや高額療養費制度などの制度を活用しながら、ご本人やご家族にとって、最適な環境を考えていくことが大切です。
在宅人工呼吸器とは、以下の状態の方に適用されます。
詳しくは、記事内「在宅人工呼吸器とは」をご覧ください。
在宅人工呼吸器は主に3つの種類があります。
詳しくは、記事内の「在宅人工呼吸器の種類」をご参照ください。
月々にかかる費用は「在宅人工呼吸指導管理料」+「人工呼吸器加算」の合計額となります。また、医療保険が適用されるため、実際のご本人の負担額は1割〜3割程度です。詳しくは、記事内の「在宅人工呼吸器にかかる費用」で解説しています。
ReHOPEは、がん末期や難病を抱える方々のためのホスピス型住宅です。医療・介護の専門スタッフが24時間365日体制で常駐し、「自宅のような環境」でご入居者さまが自分らしい生活を送れるようサポートしています。
2024年11月末時点で、130名の人工呼吸器使用者がReHOPEでの生活を送っています。2023年9月からは「人工呼吸器」をテーマとした専門研修を実施し、移動や食事などの日常動作の支援について、スタッフの専門性を高めています。
ReHOPEの特徴は、常駐スタッフによる日常生活支援から医療的ケアまで、ご入居者さまのニーズに合わせたきめ細やかなサポートを提供することです。また、地域の医療機関や多職種との連携により、心と身体の両面に対する総合的なケアを実現しています。
「ホスピス型住宅の生活は?入居後の暮らしを写真で紹介」のページでは、実際の施設での過ごし方を紹介しています。施設の見学も随時受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
ReHOPEでは、一緒に働く仲間を募集しています。
「もう一度好きなものを食べたい」「家族に会いたい」ご入居者さまの生きる喜びに最期まで寄り添う。
新しいかたちの住まいではたらきませんか?全国の求人は採用サイトからご確認いただけます。
ReHOPEの採用Webサイト