訪問介護のサービス内容は?ホスピス型住宅との違いや入居を検討するタイミングについても解説|ホスピス・介護の基礎知識|ホスピス型住宅 ReHOPE(リホープ)
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訪問介護のサービス内容は?ホスピス型住宅との違いや入居を検討するタイミングについても解説

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訪問介護のサービス内容は?ホスピス型住宅との違いや入居を検討するタイミングについても解説

この記事の監修者

羽田 有美(はだ ゆみ)

株式会社シーユーシー・ホスピス 運営企画部 運営企画T

プロフィール

1999年日本福祉大学社会福祉学部社会福祉学科卒業後、障害者支援施設を経て訪問介護事業所等で管理職として従事。2018年8月よりシーユーシー・ホスピスの前身エムスリーナースサポートにて新入職者向けの養成講座の外部講師として主に介護保険制度・障害者総合支援法に関する講義を担当。現在は運営企画部にて施設運営に関する事業課題や運営課題の設定、業務標準化や業務効率化を推進し、施設運営のサポートを行っている。

訪問介護とは、介護が必要な方やそのご家族が自宅で安心して生活を続けられるよう、訪問介護員(ホームヘルパー)などの介護のプロがご自宅に訪問して身体介護や生活援助を行うサービスです。本記事では訪問介護の基本的なサービス内容や利用できる支援について詳しく解説し、もし訪問介護だけではサポートが難しくなった場合に検討すべきポイントもご紹介します。

訪問介護で受けられるサービス

訪問介護とは、要介護者の自宅に訪問介護員(ホームヘルパー)が訪れ、「身体介護」や「生活援助」を行うサービスです。

ここでは訪問介護で受けられる主なサービスについて解説します。

身体介護

身体介護は食事介助・排泄介助・入浴介助に加えて、着替えや身だしなみを整えるための支援や外出介助を指します。それぞれの詳細は以下のとおりです。

サービス 主な内容
食事介助 配膳・食事・口腔ケア
排泄介助 トイレへの誘導・排泄のサポート・おむつ交換・着脱・片付け
入浴介助 入浴準備・全身または部分的な洗浄・洗髪・入浴時の介助・着脱

また、入浴できない場合は清拭(体を拭くこと)

身体整容 歯磨き・洗顔・爪切り・耳かき・整髪・髭剃りなどの支援・介助
更衣介助 衣服の着脱(着替え)の支援・介助
外出介助 通院や買い物などへの付き添い・外出時の支援
移乗介助 ベッドと車いす間の移乗・車いすなどの福祉器具の安全確認・起床介助
体位変換 ベッドの上での姿勢変換・床ずれ防止

※参考:厚労省 各介護サービスについて

生活援助

生活援助には、自宅の掃除や洗濯などがあります。それぞれの詳細は以下のとおりです。

サービス 主な内容
掃除 利用者の居室やリビングの掃除・ごみ収集日ごとのゴミ出し
洗濯 洗濯・乾燥・畳み・整理・収納
料理 献立の提案・調理・材料の買い出し・後片付け
買い物 日用品の買い物代行・同行

※参考:厚労省 各介護サービスについて

通院等乗降介助

通院等乗降介助とは、訪問介護の利用者が通院しなければならない場合に受けることができるサービスです。

介護タクシーの事業所などが提供しているサービスで、主に乗降車や車と病院の間の移動、薬の受取の介助を行っています。ただし、病院内の移動は病院看護師が行う場合もあるため、事前にサービスの範囲を確認することをお勧めします。

訪問介護では受けられないサービス

ここでは訪問介護で受けられないサービスについて解説します。

利用者を直接援助しないもの

訪問介護の対象はあくまで利用者本人であるため、その家族を支援するための家事などはサービスに含まれません。

たとえば、洗濯であっても利用者のものはサービスの対象ですが、その家族のものは対象外となります。

洗濯や掃除などのサービスを家族の支援のために利用したい場合、介護保険外のサービスであれば利用可能な場合があります。

日常生活の範囲を超えたもの

利用者本人のための支援であっても訪問介護の対象にならないサービスとして、日常生活の範囲に含まれないものの支援が挙げられます。

これは、介護福祉士や訪問介護員が行わなかった場合に利用者の日常生活に支障があるかどうかで判断されます。これらに含まれるものとして以下のような例が挙げられます。

  • 居室のワックスがけ
  • 窓ふき
  • 家具や家電の移動や修理
  • ペットの散歩・世話
  • 季節ごとのイベント準備(正月の食事や大掃除など)
  • 庭の手入れ
  • 留守番

など

保険適用外のサービス行為

上述したような訪問介護対象外のサービスを希望する場合は、介護保険外のサービスが対応可能です。

ただし、介護保険が適用されないため、費用は全額自己負担になります。

医療行為

床ずれができてしまった場合の処置や、点滴の実施が必要な状態、人工呼吸器などを利用している場合、これらの管理は医者や看護師のみが可能です。

介護福祉士やホームヘルパーには医療行為を行うことができないため、医療行為が必要な状態の場合は、通院するか訪問診療・訪問看護などの利用が必要となります。ただし、訪問看護の利用には主治医の指示が必要です。

訪問介護の目的と特徴

訪問介護は、要介護者本人や家族のサポートのみでの日常生活を送ることが難しくなった人が受けられるサービスで、日常生活の援助や通院時の移動の支援などをしてもらえます。

日常生活の支援には入浴や排泄、食事のサポートなど直接介護するものから、自宅の掃除や洗濯、調理など日常生活を営む上での援助も含まれます。

訪問介護を利用するメリットとデメリットは以下のとおりです。

メリット

  • 自宅に住み続けながら介護サービスを受けることができる
  • 自宅で介護をしている家族の負担軽減につながる
  • 要介護者が一人暮らしの場合、安否確認にもなる
  • 必要な介護だけを選択して受けられる

デメリット

  • 利用できるサービスとできないサービスがある
  • 複数の介護事業者・スタッフが自宅に出入りする可能性がある
  • 24時間体制の介護サービスや緊急時の対応が難しい場合がある

訪問介護の利用には、環境を大きく変えずに介護サービスを受けることができたり、自宅で介護をする家族の負担を軽くできたりする一方で、活用するサービス内容によっては、緊急時の対応が難しい場合もあります。

訪問介護と訪問看護との違い

訪問看護とは、自宅に看護師が定期訪問し、医師の指示により医療行為やケアを行うサービスです。

訪問介護との大きな違いは、サービスを受けるための条件とサービス内容にあります。

要介護者であれば誰でも受けることのできる訪問介護とは異なり、
訪問看護は利用者の主治医が訪問看護の必要性があると判断した場合にのみ利用可能です。

訪問看護師は医師の指示のもと、医療処置や医療ケアを提供します。

訪問看護で受けることのできる医療行為やケア

  • 血圧・体温・脈拍などのバイタルチェック
  • 服薬管理
  • 点滴や経管栄養の管理
  • 褥瘡(床ずれ)の処置
  • カテーテル・酸素・吸引・人工呼吸器など医療機器の管理
  • がん化学療法の管理
  • 薬物を用いた疼痛管理
  • 緊急時の対応

など

このように、訪問看護ではご本人の体調や状態にあわせた医療的ケアや医療行為を提供しています。サービス提供の状況に応じて排泄のケアや入浴の介助を提供することもありますが、基本的には看護師のみが行うことができる医療を中心としたケアを行うサービスです。

そのため、介護についても支援が必要な場合は訪問看護に加えて訪問介護を併用することも可能です。

症状が悪化した場合に考えるべきこと

がんや難病などの症状が進み、食欲不振や体力の低下、痛みの増加など病状の進行を示すサインを感じた時は、今後の生活についてかかりつけ医や訪問看護師、ケアマネジャーなどに相談をするタイミングとなります。

その際のポイントは以下の通りです。

  • まずはご本人がこの先どこでどう過ごしたいか意向を確認し、希望を尊重する
  • 可能であれば本人も交えてケアマネジャーと相談し、必要な医療・ケアの体制を見直しや自宅以外でご本人の希望に沿う生活が可能な施設がないか情報収集を行う
  • 自宅以外での生活も選択肢となる場合は、希望に沿った施設であるか実際に施設の見学を行い、詳細を確認する

病状が進行し、限界を迎えてから対応せざるを得なくなるよりも、病状の進行を見据え、最期の時間をどのように過ごしたいかを日ごろから家族で話しておくこともよいでしょう。

その後、病状が進んできたときには適切なタイミングで次のステップを考え、情報を確認することで、本人が安心して生活する環境を整えることが可能です。

ホスピス型住宅への移行を考えるべきタイミング

症状の悪化でより専門的な医療を受けたいけれど、自宅に近い環境で過ごしたいという方にとって、ホスピス型住宅の利用は選択肢のひとつです。

ホスピス型住宅では24時間体制の介護や医療的ケアを受けることができます。ホスピス型住宅への移行を考える目安となるタイミングは以下の通りです。

  1. 状態が変化して同居家族のケアだけでは生活することが難しくなってきた
  2. 病状が進行し常時医療行為が必要となり訪問看護だけでは生活が難しくなってきた
  3. 病状の悪化や治療で入院していたが、退院後自宅での生活に不安がある

訪問介護で受けることができるサービスは、要介護度によって上限単位が定められており、利用できるサービスの量には限度があります。
また、介護保険では長時間のサービスを受けることができないため、夜間に介護や医療行為が必要になった場合には、家族が対応することも多くなります。
何らかの理由でご家族と訪問介護・訪問看護のサポートだけでは家族の負担が大きくなったときには、ホスピス型住宅への入居を検討してみてはいかがでしょう。

ホスピス型住宅であれば、24時間看護師や介護職が常駐しており、必要な時に痛みのコントロールをはじめとした医療的ケア、食事や入浴、排せつの支援から身だしなみを整えるお手伝いまで本人が心地よく生活できるサポートを専門職から受けることができ、安心した生活を送ることが可能になります。

まとめ

訪問介護は、要介護者本人や家族だけでの生活が難しくなったときに、自宅に住み続けながら利用できる介護サービスです。

何らかの理由で家族や訪問介護だけでの要介護者のケアやサポートが難しくなった場合は、一度ホスピス型住宅への入居を検討してみましょう。ホスピス型住宅を運用するReHOPEであれば高い専門性に加え、ご入居者さまが自分らしく過ごすためのサポートも積極的に行っています。

よくある質問

訪問介護とはなんですか?

訪問介護とは、要介護者本人やその家族だけでの日常生活が難しくなったときに利用できる介護サービスで、介護福祉士やホームヘルパーが利用者の自宅に訪れて介護サービスを提供します。

詳しくは記事内「訪問介護とは」をご覧ください。

訪問介護で受けられるサービスには何がありますか?

訪問介護サービスには身体介助や生活援助、病院の通院時の乗降介助が含まれます。

詳しくは記事内「訪問介護で受けられるサービス」をご覧ください。

ホスピス型住宅に入居するタイミングはいつですか?

ホスピス型住宅に入居するタイミングとして、自宅での介護や医療的ケアが難しくなったタイミングが挙げられます。

詳しくは記事内「ホスピス型住宅への移行を考えるべきタイミング」をご覧ください。

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