INTERVIEW
介護職インタビュー
「私には無理」サ責から施設長へ。現場愛で駆け上がった介護エキスパートの軌跡
ReHOPE 運営本部 運営支援本部 介護マネジメント支援チーム
介護エキスパート 平松 恵
高校卒業後、サービス業界の会社に勤務。出産を機に退職し、子育てに専念する。子育てが落ち着いたタイミングで仕事に復帰。介護福祉士実務者研修の資格を取得し、以前から興味のあった介護業界へ。デイサービス、特別養護老人ホームで介護職を経験し、2020年12月にCUCホスピスに入社。ReHOPE 柏南増尾にてサービス提供責任者、介護管理者、施設長を歴任後、2025年7月よりReHOPE 松戸で施設長を務める。現在は「介護エキスパート」として、全国の施設の運営サポートや現場スタッフの育成を担っている。
※2026年8月時点のインタビューです。
2020年12月、CUCホスピスに入社した平松さん。介護職から始まり、サービス提供責任者(以下、サ責)、介護管理者、そして施設長とめまぐるしいスピードでキャリアを重ねてきました。現在は「介護エキスパート」として、全国の施設をサポートする役割を担っています。
「役職が上がるたびに『自分なんかが』と悩んでいました」と笑う平松さん。なぜ彼女は次々と大きな役割を引き受け、成長を続けることができたのか。キャリアの変遷と、その根底にある「現場への想い」を伺いました。
「誰かがやらないと現場が困るから」。
現場目線で駆け抜けた施設長までの道のり
Q:サ責から介護管理者へ。プレッシャーはありましたか?
実は、介護管理者になった時はあまり大きな変化を感じていなかったんです。当時、前任の管理者が複数エリアを見ていて忙しく、私が現場で管理業務のようなことも巻き取ってやっていました。その方が異動になる際、「やっていることは変わらないから本気でやってみては」と背中を押されて、自然な流れで引き継いだ形です。
ポジションが後から追いついてきた感覚で、最初はどこまでがサ責の業務で、どこからが管理者業務なのか、境界線もわからないまま必死に走っていました。
でも、今振り返ると、「現場から上がってきた」経験は大きかったと思います。現場スタッフの気持ちがわかるからこそ、意見を吸い上げやすい。介護の現場を知らないまま管理者になっていたらスタッフの想いとズレが生じていたかもしれません。両方の立場を知っていて良かったと感じています。
Q:その後、「施設長」の打診があった時の心境は?
正直、最初は「やりません!」とお断りしました(笑)。自己肯定感が低いので、「自分が施設長になるなんてあり得ない」「私にはハードルが高すぎる」と、1ミリも実感が湧かなくて。介護のことだけでなく、看護も含めて施設全体を見なければならないプレッシャーも大きかったです。
でも、当時の施設は前任者が辞めてしまい、「施設長がいないと困る」という状況でした。サ責になる時も管理者になる時もそうだったんですが、「誰かがやらないと現場が困る」と思うと放っておけなくて。「じゃあ、やります」と、なかば消去法のような形でお引き受けしました。
Q:実際に施設長になってみて、いかがでしたか?
劇的に何かが変わったかというと、そうでもなかったんです。皆と同じように制服を着て、忙しければ今まで通り排泄介助や入浴介助にも入っていましたから。新しく入ったスタッフは施設長といっしょに介助に入るのは気まずかったかもしれません(笑)。
気をつけていたのは、「圧」を出さないことです。元々第一印象で「怖い」と思われがちなので(笑)、スタッフから「ちょっといいですか?」と声をかけられたら、すぐに手を止めて話を聞くようにしていました。たとえ忙しくても「今ヒマだよ、どうしたの?」って。そうやって現場との距離を縮め、その場で問題を解決していくコミュニケーションは大切にしていました。

「黙っていると怖い」といわれるという平松さん。スタッフから声がかかると手を止めて目をみて話を聞くようにしています。
役職者が自信を持てる環境を。
介護エキスパートとしての新たな挑戦
Q:現在は全国の施設運営を介護の側面から支援する「介護エキスパート」として活躍されています。異動の経緯を教えてください。
現場を見ている中で、役職者の方が疲弊して退職してしまうケースを目の当たりにすることがあり、「この状況に対して、自分に何かできることはないか」とずっと思っていました。現場のスタッフにとって、管理者が辞めてしまうのは大きなストレスです。役職者が自信を持って働ける環境を作りたいと思い、エキスパートのお話をいただいた時に「やれることがあるならやってみたい」と決意しました。
現在は、新規オープン施設の支援や、西東京などの複数施設を担当し、週に1回足を運んだり、オンラインでサポートしたりしています。プランの見直しに入ったり、パソコンの操作でつまずいているスタッフがいれば画面共有で教えたりと、現場の「困った」を一つひとつ解消しています。
Q:エキスパートという立場の難しさと、やりがいは何ですか?
難しいのは、どうしても「本社から来た人」として見られてしまうことですね。壁を感じて寂しい時もありますが(笑)、困った時にすぐ返信したり、「その後どうですか?」とこちらからマメに声をかけたりして、信頼関係を築くよう心がけています。
やりがいは、全国のスタッフが孤立せず、困らないための「仕組みや整備」を少しずつ作っていけることです。施設の雰囲気って、急には変わりません。後ろ向きになってしまった気持ちを前を向かせるには、年単位の時間がかかります。だからこそ、私が地道にサポートを続けることで、現場の皆さんが少しでも前向きに働けるようになることが本当に嬉しいんです。私はやっぱり現場が、そして介護が好きなんですよね。

Q:最後に、採用候補者の方へメッセージをお願いします。
CUCホスピスの理念である「『前を向いて生きる』を支える。」というのは、特別なイベントの時だけのことではありません。日々の排泄介助やケアといった、毎日の小さな関わりの積み重ねこそが、ご入居者さまとの信頼関係を作り、理念の体現に繋がっていると思います。
もちろん、ご入居者さまの希望をすべて叶えることは難しいかもしれません。でも、すぐに「できない」と諦めるのではなく、「どうすれば少しでもその方の希望に寄せられるか」を、チームで話し合えるような前向きな方に来ていただきたいです。色々な意見が出ればアイデアも広がりますし、一緒にそんな素敵なチームを作っていけたら嬉しいですね。
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