ホスピス型住宅のCUCホスピス採用サイト | ホスピスで働く人のためのお役立ち記事 | | ホスピスの看護師とは?緩和ケア病棟とホスピス型住宅の違い(仕事内容、給料、やりがい)
RECRUIT MAGAZINE
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この記事の監修者
江尻 知美(えじり ともみ)
株式会社シーユーシー・ホスピス 運営本部 看護スーパーバイザー
プロフィール
1993年旭川医師会看護専門学校卒業後、急性期の同一般病院に26年間勤務。2020年シーユーシー・ホスピス札幌厚別に入職。2021年7月札幌厚別看護管理者。2023年6月運営部看護介護支援室 看護SV。BLSプロバイダー取得。2024年4月、運営本部 北海道エリア看護スーパーバイザーとして、北海道エリアのReHOPE全体のマネジメントに従事し、現在に至る。
ホスピスで働く看護師は、終末期の患者さまの痛みや苦痛を和らげ、生活の質を最大限に保つことを目指しながら、身体と心のケアを行います。本記事では、ホスピスで働く看護師の具体的な仕事内容を解説します。また、ホスピスで働くやりがいや給料についても詳しく紹介します。
なお本記事では「ホスピス」を緩和ケア病棟(病院)やホスピス型住宅(介護施設)など、ホスピスケアを提供する施設の総称としています。
ホスピスで働く看護師の主な仕事をご紹介します。
バイタルチェックや問診など、患者さまの日々の健康状態の確認をします。血圧や脈拍、人工呼吸器の管理のほか、栄養状態や排泄状態、睡眠、話し方といった心身の健康状態などを観察します。
痛みや症状の緩和を目的とした看護ケアを提供します。医師の指示に従い、医療用麻薬での疼痛コントロールといった医療的ケアを行います。痛みの管理や呼吸困難に対する酸素療法など、患者さまの症状に応じた処置を行います。
食事・入浴・排泄など、生活面の支援を行います。栄養管理や口腔ケア、排泄の自立支援、ストーマ管理など、日常生活におけるサポートを行います。
精神的なサポートも、看護師が行う重要な業務です。病状や死への恐怖などの不安に寄り添い、日常的な会話や面会の調整を通じて心のケアを行います。必要に応じてカウンセラーと連携することもあります。
ご家族が患者さまの状態や治療について理解できるよう、説明を行い、ケアの方法や症状が悪化した際の心の準備をサポートします。
ホスピスで働く看護師は、多職種内のコーディネーターとして、中心的な役割を担います。医師やソーシャルワーカー、介護職など、医療・介護チームと密接に連携し、患者さまにとって最適なケアを提供するための計画を立て、実施します。
同じ「ホスピス」でも、緩和ケア病棟(病院)とホスピス型住宅(介護施設)では、看護師の仕事の特徴は少し異なります。
緩和ケア病棟 | ホスピス型住宅 | |
---|---|---|
医療処置の頻度 | 多い医師や他の医療職と密接に連携しながら、注射や点滴、痛み管理などの専門的な医療ケアを提供します。 | 病院と比較して少ない緩和ケアを提供するものの、医療処置の頻度は病院型ほど高くなく、医師の訪問診療です。(夜間を含む緊急訪問には対応) |
主なケアの目的とアプローチ | 症状管理特に末期の疾患に対する苦痛緩和を優先するため、症状管理に特化したケアが行われます。 | 生活の質向上より家庭的な環境の中で穏やかな時間を過ごせるよう、生活の質(QOL)向上に重きを置いたケアを提供します。 |
どちらの環境でも、看護師が果たす役割は重要であり、ご本人と家族の安心を支える役割を担います。それぞれの特性に合わせて異なるスキルやアプローチが求められる点が、仕事内容の違いといえるでしょう。
看護師がホスピスで働くうえで押さえておきたいポイントをご紹介します。
ホスピスの看護師求人では「臨床経験3年以上」といった条件が設定されていることが多く、特にがんや慢性疾患を抱える患者さまのケア経験が活かせます。
また、緩和ケアやホスピスケアに関する専門知識を深めることが大切です。終末期医療の研修や勉強会に積極的に参加するのもよいでしょう。
緩和ケア認定看護師やがん看護専門看護師、終末期ケア専門士などの資格を取得することもおすすめです。 当社が運営するホスピス型住宅 ReHOPEでは、緩和ケア未経験の方も専門知識や技術を高めていけるように、エキスパートによる人工呼吸器の管理やケアなどをテーマに「専門講座」を実施しています。
また、緩和ケア認定看護師・特定行為看護師の資格取得もサポートしています。
教育研修制度 | ホスピス型住宅のCUCホスピス求人採用サイト
ホスピスで働く看護師の給与は、一般的な看護職と大きく変わることはありませんが、手当や資格の影響により、一般的な看護職よりもやや高い傾向があります。
緩和ケア認定看護師や終末期ケアに関連する資格を持つ看護師に対しては、資格手当や専門職手当が支給されるケースがあります。また、夜勤やオンコール対応が必要な場合も多く、これらの勤務には夜勤手当や待機手当がつくことが一般的です。
政府の調査によれば、看護師の平均月収は約31万9,000円、年収では468万8,000円とされています。
出典:e-Stat「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
※地域や施設によって、平均月収には差があります。
ホスピスでの看護は非常にやりがいがありますが、同時に精神的に辛い側面も存在します。たとえば、常に患者さまの死と向き合う必要があることです。特に、深く関わった患者さまの死を目の当たりにした際には、大きな喪失感を抱くことも少なくありません。
さらに、死への不安や恐怖、怒りなどの感情を受け止める役割もあります。精神的なストレスを感じる場面もあることを把握しておくことが大切です。
ホスピスで看護師として勤務することの最大の魅力は、患者さまやご家族に深く寄り添い、人生の最終段階を支えられる点にあります。
ここでは、当社が運営するホスピス型住宅 ReHOPEで働くスタッフの声をご紹介します。
私が以前勤務していた病院は、患者さまの入院期間が長くても数カ月と短く、ひとりの患者さまと長期間接する機会がなかなかありませんでした。
その点、ホスピス型住宅では病院と比較して入居期間が長い方が比較的多いと感じます。人によって異なりますが、なかには1年〜2年と長期で滞在される方もいらっしゃいます。長期間の関わりを通して、信頼関係を築いていけるのは嬉しいことです。看護師 前田梨沙
ホスピスで働くこと自体は、昔からの夢でした。看護師としての医療行為も好きなのですが、患者さまの苦しさを内面からケアすることに関心があったんです。多くの人は、亡くなる前に弱くなりますよね。そんな時に、髪を洗ったりしながら話を聞いて、辛い気持ちに寄り添えたらな、と。
数あるホスピスの中でもCUCホスピスに決めたきっかけは、「あなたの理想の看護をやっていいのよ」という当時の代表の言葉でした。もっと患者さまに寄り添える、型にはまらない看護がしたい。いっそ独立しようかと思っていたところ、ここなら今までやりたかった看護ができると思って入社を決めました。
病気の治療ではなく、「ご入居者さまの残された時間をどう生かしていくか」という視点でケアにあたれる点に非常にやりがいを感じます。
それを実現するために、施設のスタッフと「こうしたらいいんじゃない?」「これをしてみたら、ご入居者さまが喜んでくれたよね」などと、意見を出し合っている瞬間もとても楽しいですね。ご入居者さまの命に向き合う中で、私自身も人生の終着駅にたどり着くその日まで「自分には何ができるのか」を考えるようになりました。
ホスピスで看護師として働くことは、患者さまとそのご家族に深く寄り添いながら、心身のケアを提供できるやりがいのある職業です。人生の終末期に向き合いながら、価値ある経験を積むことができるホスピスの現場で、共に働いてみませんか?
ReHOPEでは、一緒に働く看護師の仲間を募集しています。
RECRUIT
CUCホスピスでは在宅ホスピスを日本中にゆきわたらせるため、
多様な強みを持つ、たくさんの仲間を募集しています。