舌でほぐれ、心が解ける。ReHOPE津で『おかゆ大福』の試食会を開催しました|ReHOPEだより|ホスピス型住宅 ReHOPE(リホープ)

舌でほぐれ、心が解ける。ReHOPE津で『おかゆ大福』の試食会を開催しました

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2026年10月16日に、ReHOPE 津で地元の老舗和菓子店の「桔梗屋織居」様とともに和菓子作り体験と試食会を開催いたしました。当日の温かな現場の様子と、取り組みに込めたスタッフの想いをご紹介いたします。

【はじめに】きっかけは「嗜好品だからこそ届けたい」という管理栄養士の想い

生きていくための「主食」に焦点を当てた嚥下食は増えているものの、おやつなどの「嗜好品」は安全面への配慮から、なかなか焦点が当てられにくいのが現状です。特に和菓子は、お餅など喉に詰まりやすい素材が多く、ゼリーやパンナコッタといった洋菓子に比べると、施設で提供する機会がどうしても少なくなってしまいます。

「それでも、どうしてもご入居者さまに和菓子を食べていただき、季節や食べる喜びを感じてほしい」

そう語るReHOPEの管理栄養士が「どうにかして安全に提供できる方法はないか」と模索する中で出会ったのが、創業400年を超える老舗「桔梗屋織居」様の取り組みでした。

18代当主の中村様が手がけるのは、ご自身の家族の誤嚥をきっかけに開発した嚥下食『おかゆ大福』。約10年かけて改良を重ね、飲み込みやすさとお餅らしい食感を両立させた特別な和菓子です。

この取り組みを知った管理栄養士が、「ぜひご入居者さまに届けたい」とすぐに連絡を取ったことが、今回のイベント実現へとつながりました。

半分に切ったおかゆ大福。白くやわらかな生地の中に、なめらかなこしあんが包まれている
おかゆ大福。よく見るとおかゆのような柔らかいお米の粒感が分かります。

【体験】笑顔花咲く体験会

和菓子作りと聞くと「難しそう」と感じるかもしれません。しかし今回の体験では、指先の力が弱い方や車椅子の位置からでも無理なく楽しめるよう、さまざまな工夫が凝らされていました。

まずはゴルフボールを使って丸める練習からスタート。

ご家族さまと一緒に、ゴルフボールを使用して準備運動。

和菓子作りに使用する道具も、独自に工夫された専用の補助具を使用いたしました。通常のお箸と違って、トングのように握って使用できる形になっております。

車椅子のご入居者さまが、両隣のスタッフに見守られながら、専用の補助具で緑やオレンジのそぼろを和菓子に付けている
スタッフと一緒に「秋の山」をイメージした和菓子を作っていきます。

ご入居者さまの手元。トングのように握る補助具で、緑やオレンジのそぼろを一つずつ和菓子に付けている
専用の器具を使って、ご自身のペースで。山が紅葉していく様子を繊細に表現していきます。

ご家族さまやスタッフと一緒に、それぞれ個性豊かな和菓子を作っていきます。

「こうやって花芯(かしん)をつけると……ほら、一気に菊に見えるでしょう?」

ご入居者さまやご家族さまが一生懸命形作った菊の練り切りに、中村様が花芯を添えて回ると、「わあ!」と歓声が上がります。桃色の花弁に、黄色い花芯。色彩が一気に華やかになり、和菓子に命が吹き込まれたような瞬間で、それまで真剣な表情だった皆さまの顔もパッと明るくなりました。

桔梗屋織居の中村様が、ご入居者さまの作った桃色の菊の練り切りに、へらで花芯を付けている。ご入居者さまがその手元を見つめている
ご入居者さまが作った花弁に、中村様が花芯をつけていきます。

花芯の付いた菊の練り切りを、ご入居者さまが手元で見つめている
花芯に気づいたご入居者さま

完成した菊の練り切りを前に、満面の笑みを浮かべるご入居者さま
花咲くような笑顔になりました!

透明のパックに並んだ、桃色の菊の練り切り2つと、緑やオレンジのそぼろで紅葉を表した秋の山の和菓子
完成した秋の山と菊の和菓子

【試食】舌でほぐれる、心もほぐれる

手作り体験のあとは、待ちに待った『おかゆ大福』の試食会です。看護師や言語聴覚士、介護職などの専門スタッフがしっかりとサポートを行う中で実施いたしました。

喉に詰まらせないようにもち米ではなくうるち米を使い、喉に引っかからないようにつぶあんではなくこしあんを使用。それでも「大福を食べている」という食感と風味は決して損なわない——。そんな試行錯誤の末に生まれた『おかゆ大福』は、舌や歯茎だけでもつぶせるほど柔らかく滑らかです。参加された方からは「アイスクリームみたいにとろけた」という驚きの声も聞かれました。

スタッフに見守られながら、おかゆ大福を口に運ぶご入居者さま
おかゆ大福をパクリ

「普段は胃ろうで、口からご飯を食べることができません。でも今日は、口から大福を食べることができました。本人も今日は笑顔を見せてくれて……本当に嬉しいです」

試食後、一緒に参加されたご家族さまが、とびきりの笑顔でそう話してくださいました。

ご家族さまやスタッフと手を重ねて和菓子を作り、彩りに季節を感じ、美味しさを共有する。今回の試食会は、単なる栄養補給としての食事の時間ではなく、大切な人と心を通わせる温かい場となりました。暑かった夏が終わり、温もり感じる秋がやってきます。


お母さまに笑顔を向けられるご入居者さま

【おわりに】「その人らしく生きる」を支え続ける

「食べる喜びを諦めたくない」というご入居者さまとご家族さまの願い。「安全に楽しんでほしい」というスタッフや職人様の想い。それらが一つにつながり、ご入居者さまの心と体を解きほぐす特別な時間となりました。

全国でホスピス型住宅を展開しているReHOPEでは、重い疾患や障がいがあっても誰もが自分らしく、前を向いて生きられるように心をこめてご入居者さまの毎日に寄り添っています。

全国の施設でご入居を受け付けておりますので、見学のお申し込みやお問い合わせなど、お気軽にご相談ください。

より詳しい情報を知りたい方は、ReHOPEのWebサイトをぜひご覧ください。

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