ホスピス型住宅のReHOPE | ReHOPEマガジン | ホスピスの基礎知識 | ホスピスと緩和ケア病棟の違いとは?それぞれの特徴を解説
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この記事の監修者
皆川 紗香(みながわ さやか)
株式会社シーユーシー・ホスピス 運営本部 東北・西日本看護SV
プロフィール
2001年厚木看護准看護学科入学し、病院での勤務を行いながら准看護師免許取得。その後2005年厚木看護専門学校第二学科卒業後、総合病院、脳神経外科で13年間勤務。2018年CUCホスピス入社後、スタッフから看護管理者を経て現在に至る。
ホスピスとは、がん末期や難病などで終末期医療を必要とする方のための施設です。ホスピスには主にホスピス型住宅と緩和ケア病棟の2つがあり、受けられる医療、施設形態や入る期間、生活の自由度などに違いがあります。
この記事では、ホスピス型住宅と緩和ケア病棟の違いを主に詳しく解説します。ぜひ最後までお読みください。
ホスピス型住宅と緩和ケア病棟の治療内容に大きな違いはありませんが、医療体制や入れる期間、できることなどが施設によって変わります。主な違いを下の表にまとめました。
ホスピス型住宅(介護施設) | 緩和ケア病棟(病院) | |
---|---|---|
1.目的 | 生活の場としての終末期ケア | 専門的な終末期医療の提供 |
2.ケア内容 | ・身体的ケア・精神的ケア・社会的ケア ※受けられるケア、治療内容に大きな違いはない |
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3.医療体制 | 医師:定期的な訪問診療、緊急時の往診 看護師:常駐する場合が多い(人数、医療危険は施設により異なる) |
医師:常駐 看護師:常駐(入院患者7〜10人に対して看護師1名) 薬剤師や心理士、ソーシャルワーカーの連携 |
4.主な対象 |
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5.入院、入居期間 | 特に定めはない | 通常14日〜30日程度 |
6.居室 |
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7.面会や生活の自由度 |
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※ホスピス型住宅は運営する会社によって内容が変わります。こちらでお伝えしているホスピス型住宅は ReHOPEの基準となっています。
参考記事:「ホスピスとは。病院とホスピス型住宅の違い、ケア内容、費用を徹底解説」
ホスピス型住宅と緩和ケア病棟の大きな違いは、医師の常駐の有無です。
緩和ケア病棟には医師が常駐しており、24時間体制での対応が可能です。
一方、ホスピス型住宅は原則医師の常駐はありません。入居者の属性によって変わりますが、通常は月2回の医師による訪問診療が行われます。緊急時は24時間いつでも往診が受けられる体制が整っています。
なお、ホスピス型住宅のReHOPEでは、看護師が24時間常駐しており、入居者の方が安心して過ごせるような体制が整えられています。
介護施設型のホスピス型住宅では入居期間に制限はありません。ご本人やご家族の希望に応じて滞在が可能です。
緩和ケア病棟の入院期間は、施設の方針や患者の状態、医療制度の影響などにより異なりますが、多くの場合、短期入院が基本とされています。
おおよそ30日程度とされています。また国立がん研究センター東病院などでは、限られた病床を有効活用し、多くの患者に対応するために、入院期間を平均14日程度に設定されています。
参照:日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団
ホスピス型住宅は原則個室です。持ち込みも自由ですので、慣れ親しんだ家具を持ち込むことができ、自宅に近い環境で過ごすことが可能です。
緩和ケア病棟では個室もありますが、複数人で利用する相部屋のケースも多くあります。私物の持ち込みについても、医療機器の妨げや、衛生面の理由から制限される場合があります。
ホスピス型住宅では病院に比べて面会の制限は緩やかです。夜間帯の面会やペットとの面会も可能なこともあります。
当社が運営を行うホスピス型住宅 ReHOPEでも、面会は原則自由。外出や外泊もしやすく、医師の許可のもとで喫煙や飲酒も可能です。自宅と同じように過ごせる環境が整っています。
緩和ケア病棟の場合、面会時間や外出、外泊に制限があります。飲酒は許可される場合もありますが、喫煙に関しては多くの病院が制限しており、生活の自由度はホスピス型住宅と比べると低い傾向にあります。
介護施設であるホスピス型住宅と、病院の緩和ケア病棟では費用が異なります。
(目安の月額費用)
以下は、高額療養費等の負担軽減制度を考慮しない金額です
※1 緩和ケア病棟1にがん末期の方が入院したケース
※2 ホスピス型住宅にがん末期(要介護2)の方が入居したケース。また当社が運営するホスピス型住宅ReHOPEの一部施設の費用を参考にした目安の一例です
それぞれの施設でかかる費用項目は以下の通りです。
ホスピス型住宅 | 緩和ケア病棟 |
|
など |
ホスピス型住宅では、利用したサービスによって介護保険や医療保険が適用されます。保険適用外のサービスについては自己負担が発生します。
緩和ケア病棟は病院施設のため、医療保険が適用されます。自己負担額が高額になった場合、1ヶ月の医療費が払い戻される高額療養費制度の利用も可能です。ただし、個室などの差額ベッド代は完全自己負担となるため注意しましょう。
さらに詳しい費用や保険内容に関しては下記記事で解説しています。
ホスピスとは。病院とホスピス型住宅の違い、ケア内容、費用を徹底解説
ホスピス型住宅と緩和ケア病棟のどちらを選ぶかは、ご本人やご家族の希望や優先したい内容によって異なるでしょう。ここでは、ホスピス型住宅と緩和ケア病棟それぞれに向いている方の特徴をまとめました。
当社が運営するReHOPEは、このホスピス型住宅にあてはまります。ご家族だけでは支えきれない日常を私たちが支えています。「ホスピス型住宅の生活は?入居後の暮らしを写真でご紹介」の記事で実際のホスピス型住宅生活を詳しく紹介していますのでご覧ください。
どちらも終末期のケアを提供する場ですが、特に痛みのコントロールを積極的に希望する場合は、医師が常駐する緩和ケア病棟が向いているでしょう。
ホスピス型住宅と緩和ケア病棟の利用で迷った場合は、かかりつけ医の相談窓口やがん相談支援センターなどで相談可能です。ぜひ活用してください。
ホスピス型住宅と緩和ケア病棟はどちらもがん末期や難病など、残された時間がわずかな方を支える施設です。治療内容に大きな違いはありませんが、設備や費用、生活の自由度などに違いがあります。ご本人やご家族の希望にあった施設を選ぶと良いでしょう。
ReHOPEは、がん末期や難病などの方のためのホスピス型住宅です。医師や看護師、介護職など専門的知識を持つスタッフがチームでサポートを行い、ご本人やご家族が安心して過ごせるように配慮されています。
「ホスピスの入院・入居条件とは?対象となる疾患や特徴を解説」でも詳しく説明していますので、ぜひご参照ください。
ホスピス型住宅では自分らしく過ごせる環境を、緩和ケア病棟では医療ケアの充実度を重視しています。
ケア内容に大きな違いはありませんが、入れる期間やサポート内容などに違いがあります。
詳しくは記事内「ホスピス型住宅と緩和ケア病棟の違いとは何か?」をご確認ください。
介護施設であるホスピス型住宅と、病院である緩和ケア病棟では費用が変わります。
それぞれの施設によってかかる費用も異なりますので、詳しくは記事内「利用できる保険・費用の違い」をご覧ください。
ReHOPEは、がん末期や難病を抱える方々を対象にしたホスピス型住宅です。
ホスピスケアに限らず、痛みや辛さを和らげる緩和ケアから自分らしい暮らしを支える生活支援、心理的・社会的サポートまで、幅広い難病ケアを提供しています。
医療・介護の専門スタッフが、24時間365日体制で安心できるケアを提供し、入居者が自分らしい生活を送れるようサポートしています。
常駐スタッフによる日常生活の支援から医療的なケアまで、それぞれのニーズに合わせたきめ細やかなサポートを受けられるのもReHOPEの特徴です。さらに、地域の医療機関や多職種との連携により、心と身体の両面に対する総合的なケアを実現しています。
入居をお考えの方には施設の見学も随時受け付けているので、お気軽にお問い合わせください。